裸足ランニングの先にあるものは見えているのか

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昨日は朝ラン時に明らかに動きがおかしかったので、休息日にして筋トレもなしです。朝ランは散歩みたいなものなのでノーカウントとして、久しぶりの積極的な休足日になりました。

こういう休足日を設定できるようになったのは、最近感じる成長した部分です。

サブ3を狙ってトレーニングをしていたころは、毎日のように追い込むような練習をしていました。その結果、膝を故障するというランナーの典型的な道を歩むことになりました。

幸か不幸か、そこで裸足ランニングに出会ったのが、わたしのランニング人生どころか人生そのものを大きく変えるきっかけになりましたので、人生万事塞翁が馬といったところでしょうか。

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最近も夕方の早い時間に練習ができるときには裸足で走っています。ただ、裸足へのこだわりはまったくありません。わたしにとって走るための手段のひとつが裸足というだけで、シューズを履くことにも抵抗はありません。

ランニングシューズのレビューをしているというのもありますが、玄関には10足以上のランニングシューズがあります。実を言うと昨日も1足購入しています(近々RUNNING STREET 365でレビューします)。

裸足へのこだわりはありませんが、わたしの走りのベースにあるのはやはり裸足です。ただ、誰かから習ったわけではありませんので完全の自己流です。

身体を後傾させて走るなんて、裸足業界では完全にアウトローです。裸足ランニングクラブでは身体を前に倒して1歩を踏み出すと教えているはずです。

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別にそれを否定するつもりもなく、それでちゃんと走れるようになるならいいのではないかと思います。わたしはそれでは走れないので、独自の方法にたどり着いたというだけのことです。

裸足ランニングの面白いところは、そうやって自分で試行錯誤ができることにあると思っています。時には裸足仲間からヒントを得ることはありますが、それだって常日頃から悩んでいるからヒントになります。

ただ、わたしは他の裸足ランナーとはそれほどつながりは深くありません。一部の人とは仲間と呼べる関係にあると思っていますが、基本的には人として好きなだけで、裸足はその鎹になっているだけのことです。

このブログでも何度も書いてきたことですが、他の裸足ランナーと距離を置いているのは、ほとんどの人がシューズを嫌悪しているためです。シューズが好きなわたしとは水と油のようなものです。

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シューズが嫌いなのは個人の自由ですが、感情的もしくは生理的にシューズを嫌悪し、「シューズ=悪」「シューズメーカー=悪」というようなことを平気な顔で口にされるのをわたしは受け入れることができません。

受け入れられないのは、わたしの懐が浅いからですが、嫌な思いをするくらいなら近づかなければいいというのが、若い頃からのわたしのスタンスです。

人生経験としては好きでもない場所にいるというのは意味のあることかもしれませんが、別に優秀な人材になりたいわけでもありませんので、嫌なものは徹底して避けるというのがわたしのスタンス。

人生には限られた時間しかありませんので、だったら少しでも笑顔でいたいじゃないですか。難しい顔をする時間は少しでも減らしたい。

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わたしが他の人に裸足を勧めることはほとんどありません。選択肢がそれしかないというときには、シューズを脱いでもらうこともありますが、裸足が万能なわけではありません。

24時間マラソンとか旅ランとかしていると、シューズの存在がとてもありがたく感じます。そして何よりも裸足は自己完結の世界でつまらない部分があります。

シューズを履くということは、それを設計した人の想いやメッセージを感じることができます。それは自己完結ではなく人と人とのつながりのようなものです。

機械設計をしていたころ、わたしは「図面は手紙」と言っていました。線と寸法、記号だけで読み手にメッセージを伝えます。どこをどう加工してほしいか、その意図はどこにあるのかを1枚の紙で伝えます。

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腕のいい加工業者はその意図をしっかりと読み取って部品を製作してくれます。機械設計をしていて楽しいと感じるのは、意図を読み取って作られた部品を組み立てるときです。

ランニングシューズの場合は、自分が読み取る側です。どこで着地するように設計しているのか、その意図はどこにあるのか。シューズに関する知識も必要ですし、人間の体の動きについての知識も必要です。

でも、それを読み取ることができ、シューズのポテンシャルを最大限に引き出すのは、このうえなく気持ちいいものです。

裸足にはそれがありません。

裸足ランニングが悪いと言っているわけではありません。そういう一面があるというだけのことで、シューズ設計者の意図を読み取るという感覚がない人にしてみれば、何のことか理解できないかと思います。

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一人仕事や一人遊びはわたしにとって大切なものですが、同時に自分の人生においてはつまらないものでもあります。やはり人と関わり合いながら生きていきたいものです。

そういったときに、「裸足がすべて」という頭の硬さはとても不便です。

せっかく裸足で走っているのだから、その感覚を磨いてシューズを語れるようになる。それがわたしの選んだ道です。そして1人でも多くの裸足ランナーが、裸足ランニングの経験を活かして次のステップに進んでくれることを望んでいます。

「裸足ランニングをしているから◯◯ができる」

そう語れる人が増えていくこと。それは永遠にやってこない未来かもしれませんが、期待くらいはさせてください。


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著者:堀 泰典
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