どうしようもないこと:伊豆高原の宿の行く末

今年の1月まで仕事をしていた伊豆高原の宿について、ちょっと残念なお知らせがありました。以前から話を聞いていたので覚悟はしていましたが、心のどこかで「そうはいっても上手くいく」と思っていたのですが、そのようにはならず。

あまり細かいことは書きませんが、この夏から色が大きく変わることになるようです。サービスも接客も、朝ごはんも変わるはずです。もう私のスクランブルエッグはどこでも食べることができません。まぁ私のスクランブルエッグをきちんと引き継げていたかどうかはわかりませんが。

先日、箱根の宿のお手伝いに行ってわかったのは、宿泊業は完全に疲弊しているということと、古い体質が残っているということ。労働基準法を遵守することもなければ、カスハラも存在する。そして、毎日決まった時間に決まったことを繰り返さなくてはいけないという単調さがあります。


それゆえに「変われない」職種なんだと思います。だから星野リゾートのように、新しい流れを持っているホテルが人気になるわけです。もちろん星野リゾートの中で働いたことがないのでわかりませんが、おそく時代にあった経営をしているはずです。

従業員が疲弊しないような仕組みもあり、働くことに対する喜びや誇りも持てる。そうなればお客さんに対して、よりよい対応ができるようになる。多少宿泊費が高くても、それに見合うだけのサービスを提供できるから繁盛するのでしょう。

でも他の多くの宿泊施設はそんな余裕はありません。管理する側は神経をすり減らして、パワハラみたいなことをすることもあります。悪いのはその人ではなく、そのような状況に追い込まれる環境なのですが、これは容易には変わりません。そして、古い体質の人たちが関与してくるから余計に複雑になる。


最近、Instagramの勉強をしていますが、Instagramはアカウント設計がとても大事だということがわかってきました。実はそれって、どのビジネスでも同じことで、宿の場合もビジネスモデルのデザインがしっかりできていないと、上手く回らなくなります。

私が在籍していた半年の間に、それを改善するための施策をいろいろ行い、そしていまの支配人がそこに自分の色を加えてなんとか軌道に乗せようとしていました。きっといい宿になるんだろうなと思っていましたが、残念ながらその夢は数ヶ月で儚く消えていくことになります。

宿そのものは続いていくのですが、この7月末で縁がなくなるので、伊豆高原の情報発信サイトも数ヶ月で閉鎖することになります。これに関しては残念な反面、肩の荷が下りたような気持ちではいます。自分に与えられた1日24時間という範囲で、やるべきことを絞る必要があったので、これでひとつやることを減らせます。


宿の色が変わることで、私がやってきたことは消えてしまいます。ただ、私自身がいずれ宿を運営する可能性はあります。伊豆高原での半年と、北海道での数ヶ月で学んだことを活かせば、きっとこれまでにない自分らしい宿を作れる気がします。

それも従業員にも余裕があって、利用者からも本当に喜んでもらえる宿。それは1日1組とか2組の宿かもしれませんし、10部屋あるような宿かもしれません。場所も北海道なのか、それとも東北なのかもまったくイメージできませんが、人間が忙しくないところがいいですね。

そして、またスクランブルエッグを食べてもらう。泊まってよかったと言ってもらえる。そういう宿をやってみたいものです。その前に6月か7月中に伊豆高原の宿にも行っておこうと思います。自分の色がほんの少しでも残っているうちに。

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