何をするにしても基本は大事だとわたしは考えています。サッカーではインサイドキック、インステップキックという蹴り方を何度も何度も練習しますし、野球では素振りを何度も繰り返します。
ひとつの形をきちんと身につけること、個性や応用はその先にあるもの。
でもマラソンや裸足ランニングは独学でやってきました。走ることを誰かに習うなんてこと考えもしませんでしたし、それでもそこそこの結果が出ていましたので、困るというようなことはありませんでした。
でもよくよく考えたら、誰にも習っていない、基本を身につけていないということはとても危険なことだと感じていもいます。非常に無駄の多い走り方をしている可能性がありますし、自分に適していない走り方をしている可能性もあります。
ですので、わたしは裸足を始めたいという人には、裸足ランニングで基本を習ったほうがいいとアドバイスをしています。
わたしは完全に我流ですので、間違ったことを教えてしまう可能性がありますし、教えるのがそれほど得意ではないということもあります。特に裸足に関しては、完全に異端なフォームですので習うべきは別の人のほうがいいかと思います。
ただ基本はとても大事ですが、なにか新しい変革を起こすには基本を知らないということが、プラスになることがあります。それはまさにわたしの独自理論での走り方に繋がるわけですが、きちんと陸上を学んでいたら、わたしはまだどこにでもいる普通のランナーだったでしょう。
基本を学んだから到達できる場所と、基本を知らないから到達できる場所があります。
どちらも道は険しいという共通点がありますが、片方はすでに正解というものがあり、もう一方には正解がありません。たどり着いた場所が山頂だと思ったら、もっと上に道が続いていたというのはよくあることです。
基本を知らないからたどり着ける場所というのは確かにあるのですが、じゃあ無知でいいかというと決してそういうわけではありません。他に何らかの素養があり、そこで学んだことがあるから、基本がなくてもその本質を理解できるということがあります。
例えばわたしの場合は、機械設計という下地があります。マラソンにはまったく関係ないように思えるかもしれませんが、機械設計もマラソンも物事との向き合い方はそれほど変わりません。
目の前に問題があり、それをどうやって解決していくか。そのためのアプローチをどうすればいいか。そのフローチャートはマラソンだから機械設計だからといって違うものではありません。
ひとつの道を極めた人は、他の道でも秀でたものがあります。わたしも機械設計を極めたわけではありませんが、少なくともそれで食べていくだけの力はありました。
そしてその機械設計でやってきたことが、いまのライターという仕事にも活かされています。
問題の本質をつかむというスタイルがあるため、これまで書いたことがないジャンルの記事でもそれほど苦もなく書くことができます。その気になればSTAP細胞の論文くらいは書けると思います。
マラソンを走る人の中でクレバーだなと感じる人の多くが自転車乗りです。
自転車の世界である程度まで突き詰めていった人は、マラソンの世界に来たときもとても理論的で、考え方も進んでいます。自転車の世界で培った下地があるから、マラソンでも結果を出すことができます。
世の中には本当に天才肌の人がいて、基本を学ばなくてもなんでも簡単にやってしまう人がいますが、そういう人を別にすれば、やっぱり基本は大切です。
ただし、基本にがんじがらめになってしまうのは避けたいところです。
基本を大事にするあまり、応用が効かない人というのもよく見かけます。個人的にはこれが一番美しくない形です。基本は応用をするためにあり、基本を守るために基本があるわけではありません。
応用に進むために基本があり、基本を大事にしなくてはいけませんが、基本は絶対ではありません。
その塩梅が難しいところですが、とりあえずはやっぱり基本をしっかり学ぶことです。社会に出たばかりの人も、新しく何かを始めた人も、とにかく基本を身につけなくては前に進めません。
すでに応用に進んでいる人も、ときには基本に立ち返って自分を見つめ直すことも必要です。
それでも独自路線をひたすら進む。わたしはそういう人が大好きですが、そこはとても険しい道。焦らず時間をかけて、自分の道を開拓してください。
スポンサーリンク
コメント