今日は午後から蒲田で行われていた試作市場という展示会に行ってきた。機械設計という仕事をしていると、どうしても機械加工を知らなければいいものづくりができない。ただ、今の会社には加工機と呼べるものがほとんどなく、外注してものづくりをしている。だからおいらは積極的に展示会に行くことで少しでも加工を学ぶようにしている。ただそれだけではなく、新しい技術というものも知らなきゃいけない。加工の世界も日々進化している。「今」の加工を知らなければ、設計者としての幅も広がらない。
いま加工の世界で注目を浴びているのが3Dプリンタと呼ばれるものだ。ちょうど先週その話題で友だちと話をしたところだったけど、今日実物を見て驚いた。おいらの知っている3Dプリンタとはわけが違う。ABSやPCといった樹脂そのもので3次元形状を作れてしまう時代になっているらしい。おいらの知っているものは特殊な粉末のようなものを何層にも重ねていくイメージだったんだけど、もうそういうのは時代遅れなのか。製作コストもそんなに高くない。各家庭にある急須のようなものを作るのに1万円も材料費がかからないのだとか。機械加工で製作依頼するよりもだいぶと安い。
3Dプリンタの何がすごいのかといえば、極端な例で言えば自分でデザインしたプラモデルを製作して、なんなら販売すらできてしまう。もちろん、3Dプリンタは決して安くない。かなり粗いモデルを作るならば20万円以下で買えるけど、製品として使うものは数百万円から1000万円以上する。でも、やり方によってはこれ一台で食べていける。ひとり試作屋になれるのだ。そのうえ3Dプリンタはこれから数年でおそろしく成長していくらしい。プラモデルどころかオリジナルのフィギュアが作れるようになる。
10年もしたら樹脂じゃなくて金属でモデルを作れる時代がやってくる可能性もある。そうなると機械加工屋さんはたまったもんじゃない。機械加工屋さんでしかできない仕事ももちろんある。でも、そうじゃないものもたくさんある。加工屋さんも早いうちに手を打たないと大変なことになりかねない。それは機械設計者も同じことで、このトレンドをきちんとつかんでいないと、あっという間に設計の世界から退場せざるをえなくなる。
いや、これは驚いた。そしてものすごく興味がある。今のうちから安いものでも買っておいて、3Dプリンタのある世界に慣れておこうかとすら思ってる。会社で買ってくれないかなぁ。思い切ってボーナスで買ってもいいと思うぐらいの衝撃だった。買っても置く場所ないけどさ。いい刺激を受けた展示会だったよ。あまりに衝撃を受けすぎて帰りに寄った秋葉原で、心ここにあらず。何も買わずに帰ってきてしまった。
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