中国を好きになれなくても北京の今は見ておいたほうがいい

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個人的には木曜日くらいから走れるかなと思っていましたが、足裏は皮が一枚剥けたまま。ここが乾いて乾燥してくれないとシューズでも走れません。ただ、昨夜はかなり腫れていたのですが、腫れだけは引いた感じです。

実は右足の拇指球も皮が剥けていますが、こちらは水ぶくれによるものなので、もう乾いて問題ない状態です。

そんな状態ですので、このままですと金沢マラソンは取材のみでDNSです。さすがのわたしも引くべきところは理解しています。足裏が乾いてもシューズで走ります。その前に台風次第では中止になりそうですが。

走れていないので、今日は今回の北京訪問について書いておこうと思います。

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いつもは単独行動が多いのですが、今回はラン仲間が万里の長城マラソンに参加してくれたので、走らない2日間はわたしがガイド役を務めます。とはいえ海外慣れしている人なので心配することは何もありません。

ただ、初めての北京という人を連れて行くとなると、食べ物に気を使います。わたしは数年前まで「北京の食事は美味しくない」と言っていましたが、それはわたしが美味しいお店を見つけられなかっただけです。

いまでは、今日はどこに行こうかと迷うくらい、いいお店をいくつも知っています。その土地を好きになるかどうかは食事で決まると言っても過言ではありません。

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昔のわたしのように「北京の食事は美味しくない」とならないように、いい店に連れて行かなくてはという使命感。ただ、ホテルにチェックインして最初に入ったお店が失敗。3年前は美味しいお店だったのに…

もっとも夏に入って「?」となったお店でもあるので致し方ない。時間も22時を回っていたのでビールさえ飲めれば。

ただ、そこからは満足してもらえたのではないかと思います。レース前日の日本人懇親会に北京ダック、レース後の打ち上げは羊肉串。どちらも箸が止まらないくらい美味しく、喜んでもらえました。

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そして、初めて万里の長城マラソンに出場した2011年から気になっていた、宮保鶏丁の名店とその向かいにある甘栗のにも行けました。いつもは行列を見てやめていたのですが、せっかく来たならと行列に並びます。

宮保鶏丁は1時間くらい待ったでしょうか。甘栗もそこそこ長い行列になっていました。

どちらもちょっとびっくりするような美味しさです。甘栗に関しては毎日でも買いに行きたいくらいの美味しさ。あんなに甘い栗をわたしは知りません。

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北京の食事でがっかりする人たちは、きっと美味しいお店に出会えてないんだろうなと思います。特にガイドブックに頼っていると本当に美味しいものには出会えません。

だいたいガイドブックの情報は、オリンピックのあった2008年で止まっています。栄枯盛衰。10年前に流行ったお店で今もいい味出してるお店なんて本当にわずかです。新しお店もどんどんできていますので、自分を信じてお店を見つけるしかありません。

北京の人々はというと、冬服に近い格好になったことで、ちょっとイケてないファッションに逆戻りしていました。夏にはかなり洗練された雰囲気があったのですが、この時期は昨年までの服を持ち出してきたのでしょうか、まったくイケてません。

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ただ、これも本格的な冬になるとまた変わってくるのでしょう。

見た目はともかく、初めての北京だった人たちには「地下鉄が静か」「礼儀正しい」といった声が聞こえてきます。こういうのは本当に現地に行って見てもらわないとわかりません。

北京の治安はテロの可能性という点だけ差し引けば、東京よりも安全かもしれません。テロのリスクは中国という国が背負ってしまったリスクなので、おそらくわたしが生きている間になくなることはないでしょう。

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いたるところで身分証明書のチェックを行っていますが、日本人のわたしたちはパスポートを見せるだけでほぼスルー状態です。そこからも、彼らが警戒しているのがウイグルやチベットなどの民族なんだということがわかります。

このリスクをどう考えるのか。それによっても中国を好きになれるかどうかが変わってきます。ただ、表面的にテロが怖いというのではなく、なぜそれが発生するのか、その歴史も学べば、見えなかったものも見えるようになります。

街をガイドしたのは1.5日でしたが、それもかなり駆け足で案内したにも関わらず、北京にはまだまだたくさんの見どころがあります。

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わたしは観光地に行かずに公園で本を読むほうが好きなほど、北京に馴染んでしまいましたが、今回ガイドをしたことで、みんなが喜ぶ場所がたくさんあるのだということを再確認できました。

そしてかつて行った場所でも、どんどん変化していることもわかります。

ほとんど何もなかったような通りに新しいお店ができて、人の流れが生まれています。中国の成長は止まったと言われていますが、街はこれからも成長をし続けます。中国に活気がないという人は、北京の現状を知らずに語っているか、かつての勢いが忘れられない人のどちらかでしょう。

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残念ながらオリンピック前のあの勢いを中国が取り戻すことは絶対にありません。

もしそんなことが起こるとすれば、中国人の所得は日本人の倍くらいになってしまうでしょう。もっともそうなる日が来てもおかしくないのですが、日本人の多くはその現実から目を背け続けています。

いまだに中国人は自分たちよりも下だという根拠のない思い込みに支配され、本当に見るべきものが見えていない人たちがいます。

これに関しては、はっきりと言っておきます。優劣をつける意味はありませんが、日本よりも中国のほうが優れていることがいくつもあります。以前は明らかに日本よりも劣っていたことでさえ逆転現象が見られます。

そのことをみんなに気づいてもらいたいという思いもありますが。

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わたしが中国好きなことを、あまりこころよく思っていない人がいることも知っています。知ったようなことを言うことにイラッとしている人もいるでしょう(それは中国以外のこともですが)。

それでも「そこまで言うなら自分の目で中国を確かめに行ってくる」となってもらえれば、わたしがどう思われようと気にしません。常に変化し続ける面白い国に触れてもらいたい。わたしの思いはそこにしかありません。

触れてみたところで何を感じるかは個人の自由です。

できることなら、あたり前のように日本人に中国人の友だちがいる。そういう時代を行きている間に迎えたいという願望はあります。そういう時代に向けて、わたしができることをこれからも少しずつでも続けていこうと思います。


ほんとうの中国の話をしよう
著者:余 華
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