あちら側の世界に飛び込むためのラストチャンス

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ニューバランスとM.Labの取材で、日本を代表するシューズ職人である三村さんの話を聞くことができました。取材の内容についてはRUNNING STREET 365で詳しく紹介しますが、今日は個人的に感じたことを。

ちょうどいま話題のSHOE DOGを読んでいて、シューズに対する思いが高まっているところでの三村さんの話を聞きました。その2つの話で感じるのは信念を持つことの重要性です。

その信念の内容が正しいかどうかは関係ありません。自分がこうだと信じられるものがあり、脇目も振らずそれを追求するという姿勢。自分の行動のすべてがその信念にもとづくという潔さ。

不惑という言葉がありますが、まさにその不惑の状態です。でも不惑の領域に達することができる人はいったいどれくらいいるのでしょう?「四十にして惑わず」と言いますが、わたしはまだ惑い続けています。

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この国では信念に向かってまっすぐ進む人を「変人」と呼びます。いや、世界的にも「ちょっとおかしいやつ」という扱いになることがSHOE DOGを読んでいるとわかります。変人は世界共通。

ただ、わたしはそういう生き方に魅力を感じずにはいられません。変人と言われようと、自分の信念を曲げずに自分らしさを貫く生き方。

そういう生き方をしていると、あちこちにぶつかります。こちらはただまっすぐに進みたいだけなのに、信号が用意されていたり、川が流れていたり、時には城壁が行く手を阻むこともあります。

そういうときでも強く(あるはい何事もないかのように)一歩を踏み出せるかどうかは、理屈ではなく自分の心に信念があるのかどうかということで決まってくるのでしょう。

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中途半端な想いでは、世間の荒波の前では砂の城のように脆く崩れ去ってしまいます。

ナイキの創始者であるフィル・ナイトさんにしても鬼塚喜八郎さんにしても、どうしてその信念を持つことができたのか。そして三村仁司さんはなぜ70歳を目前にしてまだ情熱を燃やし続けることができるのか。

わたしは三村さんのシューズ哲学を全面的に受け入れているわけではありません。「それはどうなの?」と思うところもありますが、それと人生における情熱の大きさは別問題です。

わたしなりにそれなりの信念を持っているつもりですが、まだまだ余計なもの多いようにも感じます。SHOE DOGを読み、三村さんの話を聞いていると彼らの削ぎ落とされた生き方と対比して自分の甘さが浮かび上がります。

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それはわたしの体についている脂肪と同質の問題かもしれません。わたしはそこそこ体脂肪率が低いほうですが、マラソンランナーとしてはかなり無駄な体脂肪がついています。

毎年レース前に減量をしていますが、ある程度のところから落としきれません。わたしの信念についている余計な脂肪も邪魔だと分かっていながら落としきることができないでいます。

わたしが変人たちの領域に達することができない理由。簡単な言葉で言えば「覚悟が足りない」ということなのでしょう。ただ、そんなありきたりな言葉では表現できないほど大きな隔たりが目の前にあります。

思えばわたしは何をしても中途半端です。突き抜けようという意欲がないからなのか小さくまとまってしまいます。そして、目の前にあるあれもこれも気になってしまいます。

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一点突破。

しばらくはこれをキーワードに自分の行動を見直してみます。同じ人間ですから、変人たちの世界にわたしが踏み込めないはずがありません(天才たちの世界にはどうあがいても届きませんが)。

もっと情熱を燃やすために自分に足りないもの。それが何なのかはまだ見えていませんが、そう遠くないうちにそれをつかめるような気がします。

このタイミングでSHOE DOGを読み、三村さんの話を聞けたことは、きっと偶然ではなくあちら側の世界に行くための必然。まずは自分でそう思い込むことに決めました。

ここで大きく飛ぶための最後のチャンス。無駄な脂肪を一つひとつ確実に削ぎ落としていこうと思います。


一流はなぜ「シューズ」にこだわるのか (青春新書インテリジェンス)
著者:三村 仁司
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