芸能人はすごいなと思うのは24時間テレビのマラソン。開催の良し悪しはいろいろ議論があると思いますが、テレビに出ているような人たちが「タレント(才能)」と呼ばれる意味が分かります。
その精神力はとてつもないものですし、諦めないということに関しては、わたしのような常人には踏み入れることのできない領域にいるのだということは分かります。
ただ、過去のチャレンジも含め、わたしは実際に24時間テレビのマラソンをほとんど見ていません。そもそも24時間テレビも見ていません。
小学生のころから、土日を家でゆっくり過ごすなんてことはほとんどありませんでしたし、小学生時代は1日に1時間しかテレビを見させてもらえなかったので、当然24時間は見れないわけです。
そして、何よりもわたし自身がチャリティイベントが好きではありません。嫌いではないですし、それをやっている人を批判するつもりもありません。わたしのひねくれた性格が、チャリティというものに相容れないだけのことです。
そういう背景はあるものの、24時間マラソンをする芸能人をすごいなとは思うわけです。
でも、ランナーとして考えたときに、それは大体的にテレビでやるほどのことなのか?という疑問はあります。世の中には24時間マラソンという競技があり、とくに才能があるわけでもないわたしでも100kmは走れます。
コンディション次第では裸足で100km以上走ることも出来ます。24時間で100kmなんてその程度のものです。多くのウルトラランナーは14時間以内に100kmを走ります。
そういう人たちを「普通」とは言いませんし、レースの100kmと公道の100kmがまったく違うことは理解しています。でも、100kmというのは無謀な距離ではないというのは伝えておきたい。
あるアイドルグループが新曲のヒット祈願として、群馬県水上でキャニオニングという沢下りに挑戦をするという動画を見ました。最終的には滝壺に飛び込んだりもするのですが、番組ではかなり無謀なことをするような演出。
泣きながらチャレンジするというような内容でしたが、キャニオニングは笑いならが楽しむものであり、同じコースを過去に体験している身からすれば、ほんの1ミリも挑戦要素はありません。
でも、キャニオニングをしたことのない人からすれば、ものすごいことに挑戦しているように映るのでしょう。テレビというのはそういう何でもないものをすごいことに見せるという部分では、ものすごく高い技術力があるものだと感心しました。
美味しくないものを美味しそうに見せたり、感動する要素がまったくないところで涙を誘ったり。その最たるものが24時間テレビだと思っています。
その24時間テレビでは芸人のみやぞんさんが今年トライアスロンに挑戦するのだとか。テレビをほとんど見ないし芸能界に疎いわたしでも名前くらいは聞いたことのある芸人さんです。友人曰くものすごく勢いがある人だと。
スイムが1.55km、自転車が60km、ランが100km。最初それを聞いたとき24時間でそれは無謀じゃないかと思ったのですが、よくよく聞けば33時間制限だとか。
スイムも自転車もペースがよく分かりませんが、スイムが2時間、自転車が4時間だとして27時間で100km。かなり余裕を見ているのが分かります。
テレビ局も失敗はしたくないのでしょうし、倒れられても困りますので現状の体力なども考慮してかなり考えたのだと思います。ただ、トライアスロンという形にしたことで「難しいこと」というイメージを作り出すことに成功しています。
ネット上では今年が酷暑だということもあって「無謀だ」みたいな声も多く聞こえるようですから、その点においてはさすがテレビ局の思惑通りに進んでいます。
思惑と違ったのは、今日明日の両日とも35℃を超えそうだということくらいでしょうか。
それはともかく、こうなってくると何のために走るんだっけ?という根っこの部分が抜け落ちているような気がします。頑張っているところを見せて勇気を与える?その頑張りに応えるために募金する?
「みやぞんさんがあんなに頑張っているから募金しよう」「みやぞんさんが頑張っているから自分も頑張ろう」そんなことあります?いや、あるんでしょうね、こうやってテレビ放送するのだから。
でも、実際には無謀でもなんでもないことを無謀に見えるように演出しているだけです。実現可能なことを実現不可能に見せかけて達成しているだけ。それがテレビの世界ですし、見ている方も分かって騙されているのでしょう。
ただ、わたしが問いたいのは「そこに愛があるのか」ということ。
みやぞんさんは、いったい何のために走るのでしょう?チャリティに対してどんな想いがあるのでしょう?最近の24時間テレビのマラソンは走ることが目的になっているように感じます。
努力している姿を見せることが目的になって、とにかく頑張るだけ。それで走り切るのですから逆にすごいと思いますが。でも、それでは人の心は動かいないとわたしは思っています。
せめてチャリティ番組くらいは誠実に作れないものかと思いますが、みんなが見たいものを作るのがテレビ局。みんながこれを望んでいるという現実。
好きにすればいいと思うものの、33時間のトライアスロンチャレンジが決して無謀ではないということだけは伝えておこうとは思います。水を差すようで申し訳ないのですが。
著者:ピーター・シンガー
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