その走りは未来の自分につながっているのか

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ラン仲間との皇居ランをしてきました。月に1回程度ですが、ラン仲間も皇居周りの1周5キロを2周ほど走っています。ランは一緒にスタートしますが、目的はラン後の飲み会なので、途中からは思い思いのペースで走ります。

皇居周りを走るときには、何かの間違いで皇室の方から皇居に招かれたらどうしようと、いつもドキドキしていますが、残念ながら1度もそういう機会はやってきません。

皇居ランは日本のランナーの縮図みたいなところがあって、その時々のトレンドを感じることができます。先日目に付いたのは、ナイキの厚底シューズを履いている人の多さです。

現時点では、ナイキ以外のシューズを履くという選択肢はないに等しい状態にあります。1分1秒を削りたいというシリアスランナーなら、なおさらです。

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でも……と思うわけです。

そもそも、速く走れるようになったからどうなんでしょう。速く走れるようになってどうなりたい?

考え方はいろいろありますが、走るというのは目的ではなく手段だと、わたしは考えています。何かを成し遂げるための手段であって、目的になってしまうとどこかで行き詰まります。

一般的にマラソンは、始めてから10年間は成長できるとされています。何歳から始めても10年間。それを過ぎると、自己ベスト更新が難しくなります。

個人差はあります。でも、衰えないランナーはいません。タイムにこだわっていると、自分の限界を悟ったとき、走ることを継続する理由がなくなってしまいます。

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走ることが目的でなく手段なら話は変わってきます。

・仲間を作りたい
・いつまでも健康でいたい
・走って旅をしたい

走ることでどんな自分になりたいのか。そんなふうに考えている人はあまりいません。学生時代にどんな働き方をしたいのか考えて、勉強していた人が少ないのと同じです。

自分の未来をイメージする。

そしてそこに向かって1歩ずつ進む。何をするにしても、これの積み重ねです。

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だったら、速く走るというのが目的でもいいじゃないかと思うかもしれません。悪いとは言いません。でも、「速く走れるようになる」という目的は、持続可能なものではありません。

20代ならまだしも、いい歳をした大人なら、人生をかけて行う何かをひとつ持ち、そのために「走る」自分でありたいところです。もちろん「走る」でなくても構いません。

人生をかけて行う何かというのは、別に特別なことでなくてもかまいません。世界を守れなくてもいいし、革新的な何かを作り出す必要もありません。「大切な誰かを守る」というのだって、人生をかけて行う価値のあることです。

人に誇れることでなくてもかまいません。でも、自分はこのために生きていると口に出せる何かがあれば、それが強さの源になります。頑張れないときだって踏ん張れます。

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自己ベスト更新を狙って努力を積み重ねることは尊いことです。でも、そこがゴールじゃないはずです。そこは何かを成し遂げるための通過点です。体力や走力が落ちても道は続きます。

だからわたしは自分自身に問いかけています。「その走りは未来の自分につながっているのか」と。


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著者:山野 正義
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