自分の中にある自分でないもの【心の平穏を取り戻すためのその4】

ずっと自律神経の話をしていますが、今日もその話なので「もういいよ」という人はスルーしてください。この話は届かない人には絶対に届かないし、面白がってくれる人と、このままではまずいと思っている人、合わせて数名程度しかいない人に届けているだけですので。

前回は自律神経を整えるための食事の話をしましたので、本来なら今回は生活習慣について話すのが筋なのですが、ちょっと論点を変えてみます。なぜわたしが自律神経の話をしているのかも含めて、もう少し噛み砕いて話をしてみようかと思います。

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この体は自分だけのものではない

「我思う故に我あり」と言ったのはデカルト。それは真理なのですが、もしそれが事実だとしたら、わたしたちは自分の体に自分以外の生命もしくは人格のようなものを持っていることになります。いきなり何を言うのだと思うかもしれませんが、落ち着いて聞いてください。

私たちは自分の人格があります。自分で考えて、自分の意志で決めて、自分自身の判断で動きます。でも、これまで話してきましたように、自律神経は自分の意思では動きません。そうなると自律神経はわたしとは別の人格のようなものになります。

人格というと分かりづらいかもしれません。ものすごく噛み砕いて言えば、わたしたちは自律神経というペットを体内で飼っているようなものです。そして、このペットのようなものはもうひとつあります。それが以前少し話した腸内細菌です。

腸は第2の脳とも呼ばれていますが、生物学的には脳よりも先に誕生しています。そして自律神経も脳よりも先にできています(記憶違いだったらすみません。エビデンスが出てこず)。考える脳が自分だとして、自分は腸や自律神経は先住民で、わたしは移住者のようなものです。

  • 自分自身
  • 自律神経
  • 腸神経

わたしたちは自律神経の乱れによってイライラしたり、落ち込んだりもします。そして腸神経によって性格が決まります。それがすべてではありませんが、自分だと思っているものはこのコントロールできない2つの神経の影響を受けているわけです。

これを認識しているかどうかで、自分のあり方がずいぶんと変わってきます。

感情や性格をコントロールすることは難しい

仕事でクライアントと揉めてイライラしたとき「落ち着こう」と思って深呼吸をする。少しくらいの効果はありますが、イライラというのはそもそも自律神経のバランスが崩れている状態が表面化したものであり、自分の意思でコントロールできるものではありません。

また初対面の人に対して人見知りする人がいます(わたしがまさにそうです)が、それを克服しようと思っても、人見知りする性格というのは腸内細菌が影響を与えているので、努力だけで改善するのは簡単ではありません。

自分の感情や性格というのは自分のコントロール外のことが影響をしている事が多く、「なんとかしなきゃ」と思ってもどうにもなりません。

朝寝坊をする人はいくら気をつけようとしても、どれだけ注意されてもそれを直すことは容易ではありません。できないとは言いません。でも目覚ましをたくさん用意するのは対処療法でしかありません。その方法で起きられるようになっても、いずれストレスになって起きられない状況が悪化します。

こういう場合に本当にしなくてはいけないのが、リラックスして自律神経の安定化を図り、食事を改善して腸内環境を整えることです。食事をどう改善すればいいのかというのは専門的な話になるので触れませんが、腸内環境が整いやすい食事に切り替えることができれば、朝もスッキリ起きれるようになります(多分)。

自律神経や腸神経の存在を把握していないと、目の前に起きたことに対して対処していくことしかできず、根本的な解決ができません。逆にそれらの存在を把握していれば「いまイライラしたのは、疲労が溜まっているからだ」というような判断ができ、「じゃあ休もう」と思えるわけです。

良くない行動をしないために自律神経を整える

いま外出自粛と言われていますが週末になると行楽地に人が集まっています。江ノ島までの道路が大渋滞したとニュースになっていました。みんな頭の中では自宅で過ごさなきゃいけないとわかっているのに、耐えきれなくなって外に出る。

これだって自律神経の乱れによって、正しい判断ができなくなっているんじゃないかとわたしは考えています。もっと突っ込んで言えば、マスクの着用が自律神経を見出しているんじゃないかと考えています。

マスクは呼吸を浅くします。吸い込める空気の量が制限されるので、当然ですよね。自律神経は呼吸によって整えることができますが、反対に呼吸によって乱されることもあります。四六時中マスクをしているような環境において、みんな自律神経が乱されていて、そこに新型コロナウイルスへの恐怖という不安が重なっている。

そういう状態で「自宅にいろ」と言われても、大人しくできない人がでてきても何もおかしくありません。

勘違いしないでほしいのですが、マスクをしないほうがいいと言っているわけでも、自宅にいられなくてもいいと言っているわけでもありません。大事なのは自律神経が乱れていることを自覚することです。そのうえで寝る前に呼吸を整えたり、自律神経が乱れやすい食べ物を排除するというのが今すべきことです。

心の平穏を取り戻すことができれば、1日中家にいたってストレスになんてなりません。穏やかに過ごすことは誰にだってできるはずです。きちんと自律神経を整えることができれば(それが難しのですが)。

だから良くない行動をしないために、自律神経や腸神経の存在を意識してそこに自分なりの方法でアプローチをする。そして常に安定した状態になることを目指す。こうあると楽になるんじゃないかなと思って、わたしはわたしなりに色々と試しています。

まとめ

今日もまたわかりにくいテーマで話しましたが、覚えておいてほしいのは自分の感情や性格を自分の意思でコントロールするのは容易ではないということ。それらをコントロールするには自律神経や腸神経に働きかける必要があります。

とはいえ自律神経や腸神経も自分の意志でコントロールできませんので、整いやすい環境を作り出すしかわたしたちにはできません。呼吸を整えて十分な酸素を体内に取り込むこと。神経伝達に悪さをする食べ物や飲み物に手を出さない。腸内環境を整える。こういった形で改善を図っていくしかありません。

ずいぶんとまどろっこしいですし、本当に効果があるのか疑問を感じているかもしれません。でも感情を強引にねじることがストレスになるのは間違いありません。そんなことはすでに多くの人が経験していることです。

だから違うアプローチが必要だと思いませんか。いつ終わるかわからないこの閉塞感の中で自分を保ち続けるためにすべきことは、自律神経の安定化だとわたしは信じています。そうじゃないという反論ももちろんありです。別にこれだけが最善の策とは思いません。

各自がイライラしたり不安な状態になったりしているところから抜け出せるなら方法なんてどうでも構いません。自分でどうしていいかわからないという人に、こういうやり方もあるよと提案しただけですので、選ぶかどうかは自由です。

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