外出自粛時における外向性と内向性の違い【両向性格という存在】

外出自粛要請が出てから、わたしは1度だけオンライン飲み会というものに参加しました。万里の長城マラソンの参加者と行いましたが、その翌日からお酒もやめ、人との交流をほとんどしなくなりました。オンライン飲み会に問題があったのではなく、自分の中の羅針盤がそちらを向いただけです。

一方で世の中にはオンライン飲み会を積極的に開催する人もいます。楽しいんだろうなとは思いますし、これまでの飲み会とは違った面白さがあるのだと思います。ただわたしはやるべきことがありすぎるというのもあって、参加したいという気分にはなっていません。

これはどういうことなのかと自分なりに気にはなってはいましたが、なんとなくすっきりする答えが見つかりました。今日はそのお話です。

目次

外向性が強い人ほどオンライン飲み会に集まる

外向性、内向性という言葉はなんとなく知ってはいましたが、あまり深く学ぶ機会もなく今まで過ごしてきました。人間はそれぞれに外向性な部分と内向性な部分を持っています。どちらかしか備えていないというのは珍しく、どちらの傾向が強いかによって、好む行動が違ってきます。

外向性の強い人は、自分の外側で起きていることに興味を持つ傾向にあり、集団で活動することを好みます。他の人と過ごす時間をとても大切にして、反対に個人の時間を退屈と感じることが多く、暇を持て余してしまいます。このため、今回の外出自粛によって自宅時間が増えてしまったのは、とにかく退屈でストレスを感じています。

また、そもそも人間は危機的な状況になると、集団になるという本能を持っています。外的な危険に対して集団で対応することで乗り切るのが人間の強みであり、地球上で生き残ることができた理由のひとつですので、進化をしてもその傾向は残っているわけです。

ですので、今回のような状況では本能的に集まりやすく、さらに外向性の強い人ほど退屈を感じているのでオンライン飲み会というシステムが見事にハマったというわけです。退屈がなくなり、繋がっているという感覚も得ることができます。

外出自粛が始まったくらいから過激なSNS投稿をする人が増えましたが、それも外向性の強さが影響しています。退屈だからSNS投稿をして、みんなが注目してくれるからつながりを感じて元気になる。そこで満足できればいいのですが、多くの人がより注目してもらうために過激な書き込みをするようになるというわけです。

内向性の強い人はこの状況を何とも思っていない

外向性の強い人ほど集団になることを望むとお伝えしましたが、それでは内向性が強い人はこの状況でどうなるのでしょう?

一般的に外向性強い人よりも、内向性の強い人は少ないと言われています。日本は会社員になる人が多く、会社員として働くにはどうしても外向性が求められます。集団でいることにストレスを感じていたのでは、会社員としてやっていけないので、自然と外向性は強くなります。

余談ですが、ある調査によると「あなたは外向的ですか?内向的ですか?」と日本人に聞いたところ、約60%が自分を内向的としています。おそらく絶対値で考えたのではなく、相対的に考えて内向的だと思いこんでいるのだと考えられます。

ものすごく活発に動く人がいて、その人に比べたら外向性が低いから「自分は内向的」だとしている。でも実際には個人の時間には退屈し、仲間と過ごす時間に喜びを感じている人がかなり多いことがわかります。

話を戻しましょう。この外出自粛要請が出ている状況で、内向的な人はどうなっているか。実はどうもなっていません。むしろ自分の時間が増えたので、楽しく過ごしている人が多く、寂しいと思うこともなく淡々と自分のすべきことを行っています(仕事が無い場合には不安かもしれませんが)。

内向性が強い人は他人と過ごす時間にエネルギーを大きく消耗します。ストレスが溜まると表現したほうがいいかもしれません。このためどうしても1人だけの時間が必要になります。誰にも合わないのであればストレスが溜まらないので、ずっと心が安定した状態を維持できます。

心が安定しているから新しいことに挑戦したり、自分磨きの時間として読書や映画鑑賞などを行います。毎日が楽しくて仕方ないという人もいます。

まったく退屈していないので、周りと連絡を取り合うこともせず、オンライン飲み会などには積極的には加わりません。「なんであの人は参加しないのだろう?」と仲間のことを不思議に思っている人もいるかもしれませんが、きっとその人は今をとても楽しんでいます。

両向性格という存在

内向性が強い人は友だちもそれほど多くなく、その友だちも内向性が強い傾向にあるので、こういうときに集団から外れていても「そういう人だし」で済みます。でも外向性が強いと思われているタイプなのに、集団から外れる人がいます。

実は世の中には少数ですが両向性格に分類される人がいます。外向性を持ちながらも内向性を持っている。これが今回の学びだったわけですが、もしかしたらわたしがまさにそれなのではないかと感じています(良いとか悪いとかいう話ではなく)。

わたしはランニングを中心にいくつかのコミュニティに属しています。そのメンバーで遊ぶのはとても楽しく、飲み会はいつもテンションが上がります。美味しいお店を紹介するのも好きで、一緒になって何かに挑戦するのも楽しめます。

でも、1人の時間になると自分のことしか考えません。これは恋愛においても同じで、一緒にいるときには相手のことしか頭にありませんが、遊んだ後に1人の時間になると恋人のことはほとんど考えませんし、LINEなどのやりとりも面倒にすら感じます。

そういう性格をちょっと変だなと思っていたのですが、両向性格というものを知って少しすっきりしました。

両向性格の特長というものがいくつかありますが、その中のひとつに「器用貧乏」というのがあります。何にでも挑戦しているから、何をやらしてもそこそこできるのですが、何もマスターしていない。完全に当てはまります。他の特長でもある「興味のない話を受け流す」というのもやりがちです。

両向性格も今を楽しんでいる

わたしが両向性格なのかどうかは置いておいて、客観的に考えて両向性格は厄介な存在なんだろうなと思います。なぜなら外向性の人からしても、内向性の人からしても「よく分からない奴」になるためです。

例えば仲間で一緒に遊んだあと、外向性の人たちは遊んでいた余韻に浸ります。帰宅後も「面白かったね」と思い出を共有しようとするのですが、両向性格の人はすでに別のことに興味が移っています。そうなると「あの人は本当は楽しんでなかったのかも」なんて誤解されたりします。

両向性格の人は内向性の人とも仲良くなれますが、内向性の人は同じ傾向の人と仲良くなるため、両向性格の人がアクティブに動き回っているのを見て、その人のことをよく分からなくなります。同じ属性の人だと思っていたけど、どうもそうではない。でも一緒にいて不快ではない。

要するに外向性が強い人も内向性が強い人も、両向性格の人との距離のとり方がわからないわけです。人間は基本的に自分を基準に物事を考えるので、そのものさしに当てはまらないと困惑します。

今回のようなときには内向性の自分を楽しんでしまい、集団から距離を置いてしまいます。そうなると「集団から離れようとしている」と勘違いされる可能性もあります。でも両向性格の人はそんなつもりもなく、ただ自分の居場所で楽しんでいるだけだったりします(自分の居場所があるので1ヶ所に固執しない傾向にはありますが)。

これまで自分に対して「なんか他の人と違うくないか?」という疑問を持っていましたが、両向性格という存在がいるとわかり腑に落ちました。

そして内向性と外向性について理解したことで、周りの人がなぜその行動をとるのか少しだけ理解できた気がします(両向性格は逆に内向性や外向性の人を理解するのが難しい)。だいぶ心理学が面白くなってきました。わたしの本分ではないのでハマりすぎないように気をつけないと……

いずれにしても、わたしは元気です。毎日楽しく過ごしています。いや、忙しく過ごせていますという報告でした。

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