Twitterのトレンドに「#給付金10万円使い道」とある。給付金の申請期限が終了して、98％以上が支給済みということなのだが、支給が送れていた大阪や東京でも完了したのだろう。支給まで数年かかるなんて言われていたが、やるときはやるのが公務員。
わたしはそのまま銀行口座に残っている。お金には色がないから、残っているのか支払いに使われたのかはわからないが、新型コロナウイルスの影響でほぼ休みなく働き、今月は独立してから過去最高の収益で、目減りはしていないので貯蓄されていると考えていいだろう。
給付金は収入減を補填するために国から支給されたものだが、収入が減っていないので今のところ補う必要がない。UberEats次第だが、おそらくUberEatsが身売りでもしない限り安定してこの収入は続く。もっとも社会人2年目の頃よりは遥かに収入が少ない。
会社員になったばかりの2000年は、4月から12月までの収入ということで、さすがに年収は260万円程度だったが、翌年からは500万円くらいにまでは上がっている。面白いもので、あの頃は1円もお金を貯めることができなかったが、あの頃よりも収入が少ないのに預金残高は増えている。
もっとも事業への投資を考えるとまだ赤字なのだが、おそらくあと数ヶ月で貯蓄額が借金の額を超えるだろう。じゃあ借金を返せばいいと思うかもしれないが、事業において借金は必ずしもすぐに返済したほうがいいわけではない。また、借金をすることも悪いことではない。
きちんと返済できればという前提が付くが。
話を戻そう。給付金の10万円の話だ。このまま安定した収入が続くのであれば、どこかで使うべきだろう。経済を回すためというのは建前で、仕事の効率を上げるための投資として、10万円でなんらかの機材を揃えたり、働きやすい環境を整える。
実際にすることはないが、例えばUberEats用に電動自転車を購入するというのもありだ。レンタサイクルで年間52,800円かかっている。電動自転車は10万円程度で購入できるので、電動自転車を買ってそれを2年以上使えば元が取れる。都内に駐輪場を借りなくてはいけないが。
状態のいいレンタサイクルを探しまわらなくてもいいし、レンタサイクルの4時間制限にも引っかからない。問題は仮に代々木上原を拠点にしたときに、代々木上原まで戻ってこなくてはいけないという点にあるが、投資としては悪くない。
ランナーだからランニングシューズに使うという考え方もある。レースのためというよりはレビュー記事を書くためだが、これもRUNNING STREET 365にアクセスを上げるための投資になる。レビューしたシューズのプレゼントキャンペーンをしてTwitterフォローを増やすなんてこともできる。
こうやって書いてみると、単純な消費が苦手なんだということがよくわかる。お金を使うときには、常にリターンのことを考えるようになっている。それがいいことなのか悪いことなのかはわからない。10万円を使うなら10万円以上のリターンを得ようとするのは、好きになれない卑しさがある。
もっと余裕があるならライカTL2とf2.8/18mmのレンズを買いたいところだが、残念ながら中古でも10万円からはずいぶんと足が出る。世の中には貧乏人が手を出してはいけない領域というものがある。ただ、カメラの世界に片足を突っ込むと、ライカですからなんとか手が届くような幻想を抱いてしまう。
10万円を旅行に使うというのも悪くない。だがGOTOキャンペーンがいまいちだし、わたしはツアーを使うタイプではない。個人旅行でも宿は安くなるがゲストハウスで十分だ。豪華な部屋の柔らかいベッドで寝て、背中の筋肉が張って悶え苦しむのも困る。
実はすでに長崎マラソンのスケジュールで、宿も飛行機も手配している。ゲストハウスがキャンセルで返金されないプランだったので、どうせなら久しぶりに観光しようとフライトを抑えたのだが、羽田発のANAで往復1.5万円だ。長崎マラソンの参加費返還で1.1万円戻ってくるから、実質4千円しかかからない。
10万円使うのも意外と難しい。台湾に行けたとしても1週間で5万円くらいしかかからない。そもそも物欲が薄いから10万円で自分のために何かを買うのは簡単ではない。子育てをしている姉と妹に5万円ずつ渡せばいいのかもしれないが、よく考えたら子どもの人数×10万をもらっている。
Twitterを見ていると、ペットを飼い始めたという投稿をいくつもみかける。わたしは動物が好きだが、責任を持って育てられないのでその選択肢もない。食いしん坊だが、食べ物で10万円消えるのも惜しい。要するにわたしは10万円を使える器の人間ではないのだろう。
ただ、この10万円があったことで精神的に余裕があったのは間違いない。これまで5年間の個人事業主期間で余裕があったことなど1度もなく、完全な自転車操業を繰り返してきたが、ここにきてお金には困らない状態になっているのは、この給付金のおかげだ。
金策で頭を悩ますことなく、仕事に集中できる。これは思ったよりも大きなことで、実際に収益にもいい影響を与えている。だからこそ落ち着いたら10万円を使いたいのだが、何も思い当たらない。さてどうしたものだろうか。
