人が休んでいる間に働くことが、フリーランスの基本だと思っている。もちろん職種にもよる。企業を相手にしている士業などは土曜日はともかく、日曜日は休みなのかもしれない。ライターもウーバーイーツの配達員も土日は関係ないので、この4連休は普通に仕事をして過ごした。
こ頑張っているアピールをしたいわけではなく、ただいつもと同じように過ごしたという話しだ。フリーランスになってから生きることと働くことが同じ意味になり、新型コロナウイルスが出てきてから働くことが人とつながることを意味するようになった。仲間とワイワイできないのだから仕方ない。
ただ新型コロナウイルスもこの4連休でなし崩しになるような気配はある。都内はどこに行っても人が溢れていて、飲食店も以前の形態で営業を始めている(席を開けてなどやっていない)。飲食店にしてみれば、もうコロナ対策をしてる場合ではなく、生きていくために仕方ないのだろう。
多くの人が、すでに新型コロナウイルスを深刻に考えてない。ただ、これまでの期間で自然と生まれたルールだけが残っている。マスクがその典型。おそらく今年もインフルエンザの患者は激減するだろう。風邪をひく人も減って内科医は経営が苦しくなるかもしれない。そうなったらGoToホスピタルキャンペーンでもするのだろうか。
新型コロナウイルスを軽視する人が増えてはいるものの、その流れから取り残されてしまった人たちもいる。恐怖心に支配されて、家を出るのも電車に乗るのも嫌だという人たち。大事なことだから伝えておくが、そういう人たちを馬鹿にしてはいけない。彼ら・彼女らはマスコミの煽りによる被害者だし、恐怖心というのは理屈では解決しない。
高所恐怖症の人が周りにいると思う。ジェットコースターが怖いという人も、お化け屋敷が怖いという人も。そういう人たちに「怖くないから大丈夫」と説得できるだろうか。まず無理だろう。恐怖というのは心の状態で、自分の身を守るための自己防衛反応でもある。
動物としてはそちらの方が正常なのかもしれない。新型コロナウイルスに対して過剰に恐怖心を持っているように見える人の方が正常で、わたしのようにまったく恐怖心がないタイプが鈍感で異常という可能性もある。大多数が選ぶことが、必ずしも正しいとは限らない。真理はいつだって多数決では決まらない。
新型コロナウイルスによって疎遠になった人もいるだろう。気にはなっていても、会いに行ったら迷惑かもしれないと思うと「会える?」と気軽には言えない。相手が「大丈夫」と言っても、それが気を遣ってのことということもあり得る。それは申し訳ないから誘わなくなる(わたしだけかもしれないが)。
もっともわたしは1人でも目の前のことを黙々とやっていくタイプなので、特別に困っているわけでもない。ただ会いに行かずにに悔やむということが、今年の春にあったばかりなので、気になった人には新型コロナウイルスを気にせずに会いに行きたいという思いはある。
徐々に元に戻りそうではあるが、残念ながら完全に元に戻ることなんてないし、わたしたちはこの先ずっと未知のウイルスの存在を意識することになる。ただ、それぞれのスタンスが違うから、これまでと同じような人間関係は維持できなくなる可能性は高い。
新型コロナウイルスがもたらしたのは、人と人との分断や対立なのではないかと思うときがある。感染することも怖いことかもしれないが、生き残る人のほうが圧倒的に多いことを考えると、健康被害よりも人間関係が希薄になることのほうが大きな被害なのかもしれない。
そんな難しいことを考えても仕方ないのでとりあえずわたしは、会いたい人に会いに行くことにする。UberEatsで稼げなくなったので、すぐにというわけにはいかないが(まずは自分のこと)。だが、先送りすればするほど繋がりを維持している糸は細くなる。残された時間はそれほど多くないだろう。
春に「会いに行くよ」と約束した人がいる。タイミングをみて「遊びに行っていい?」と聞いてみるとしよう。今ならJR東日本の新幹線が半額だし、LCCは毎日のようにセールを行っている。むしろ4連休が終わった今がチャンスかもしれない。