兵どもが夢の跡【オリンピック・パラリンピックの会場を見て思うこと】

まだパラリンピックの最中ですが、2日前にお台場で撮影をしたときに、オリンピック・パラリンピック関連の施設を見て感じたことを書いておこうかと。お台場はいくつかの競技の会場になっていて、トライアスロンやビーチバレーが開催されていたのだとか。海水が汚れていると噂でしたが、私が見たときには茶色い海でとても泳ぐ気にはなれない感じ。

なぜお台場でトライアスロンをしようと思ったのかまったく理解できないのですが、逆にあの範囲くらい上手に仕切って、海水の浄化をする技術もないものなのかと不思議に思ったり。きっと技術的には可能なのでしょうし、そういう案も出たのだとは思います。予算がNGだったのでしょう。

八丈島とかでやればいいと思ったのですが、八丈島は潮の流れが速くて危険。だとしたら伊豆大島でもいいのですが、ランとバイクを考えるとお台場が映えるわけです。でも、そういう環境でも泳ぐのがプロアスリートなのでしょう。逆にお台場の海の透明度が素晴らしかったら、世界に誇れる日本の技術をアピールできたのですが。

トライアスロンのエリアは高い壁で外周を囲っていたので、レインボーブリッジから見ることしかできませんでしたが、あの壁もみっともない感じがします。安っぽくてワクワク感がありません。見えないところはハリボテでいい。それはそうなのですが、見えないところまで手を抜かないのが、私の携わってきた日本のエンジニアリングの強み。

愚痴ばっかり言っていても仕方ないのですが、結局何のためのオリンピック・パラリンピックだったんだろうと思わずにはいられません。東京都も日本政府も「さっさと終わらせたい」というのが本音だったのでしょう。喉元過ぎれば熱さを忘れる国民性ですので、とにかく終わらせて過去のことにしたい。

終わってしまったら議論をする必要もなくなります。叩かれることもなくコロナ対策に集中できるわけですから、ただ今は嵐が過ぎるのを待っているような状態。ただパラリンピックになって勢いが落ちたところもあるので、そろそろ誰かが失言して炎上しそうな気もしますが。

オリンピックは何のために開催されるものなのか。そもそもは東日本大震災の復興を掲げての開催でしたが、今回のオリンピックで東北や震災からの復興にどのような影響があったのか。別にオリンピックを批判したいわけではありませんが、そろそろオリンピックの形が変わっても良いんじゃないかとは思います。

例えば100m走や幅跳び、高跳びなどは銀座でやれば盛り上がります。無観客なら原っぱでもいいわけです。トライアスロンの会場に限らず、将来に残らない会場もあるわけで、すべて仮設で開催すればお金をかけずに開催できます。もしかしたら何十年後かのオリンピックはそうなっているかもしれません。

今回の消費するだけのオリンピックは日本という国の体力を削るだけだったような気がします。いくつかの金メダルと交換に大きなものを失い、そしてすでに過去に手にしていた財産も食い尽くしていることが顕になっただけ。お台場のオリンピック・パラリンピック施設を見ているとそんな寂しさに似た寂しさが湧いてきました。

あと数ヶ月で、ここには何も残らないのだと思うと、何か狐につままれたような感覚があります。記念碑のひとつやふたつくらいは残るのでしょうけど、純粋なオリンピックの歴史としては未来に語り継がれることもない東京2020。当然ですが、以前の東京オリンピックのように、ここから日本が勢いに乗って成長することもありません。

そういう時代をこれから生きていくわけです。もう日本にこだわる必要もないのでしょう。コロナ禍に東京から地方に引越した人も増えているようですが、アフターコロナは日本から抜け出す人も増えるのかもしれません。いや、抜け出すというよりも自由に動き回る人が出てくる気がします。

私もその流れに乗ってみるのも悪くないかなと考えています。もちろん他の国が優れているというわけではなく、ただどこにも依存しない自分でいたいなと。そのためには日本に限らずどこにも属さない自分でいるべきだろうなと。「Independent People」なんてどうでしょう。なんかちょっと絶妙にダサいので、別名を考えておきます。

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