この夏に観た映画「唐人街探偵 東京MISSION」の前作に当たる「唐人街探偵 NEW YORK MISSION」が、あつぎのえいがかんkikiで上映されているということで、仕事の合間を縫って観てきました。東京MISSIONのヒットで、前作が観たいという声が多かったのでしょう。私も中国の動画サイトYOUKUに課金するつもりでいましたし。
この映画を観るとやっぱり中国はお金があるんだなと。CGも使っていますが、実際にニューヨークで撮影しているシーンもあり、とてもいまの邦画では作れない大規模な映画です。ただお金をかけているだけでなく、エンターテインメント性も高くて、それでいて謎解きの面白さと緊張感があるので2時間があっという間。
私は邦画が好きでこういうエンターテインメント系の映画はあまりみないのですが、中国映画は気になりますし、何よりも今回は勉強中の中国語と英語が入り交じる内容。どこまで聞き取れるかというテストも兼ねていました。結果的にはほとんど聞き取れないんですが、彼らの中国語は北京語なのでしょうか?
部分的に聞き取れるのできっと北京語なのでしょうが、まったくわからないところもあるので、他の言葉も混じっているような。そして聞き取れない中国語が混じっているので、英語も聞き取りにくいという。妻夫木聡さんの丁寧な英語と中国語はさすがに聞き取れましたが。
映画の舞台はニューヨーク。中国人の探偵コンビを中心に、世界中の優秀な探偵が力を合わせて事件を解決していきます。妻夫木聡さんがもっと絡むのかと思ったのですが、今回は東京MISSIONに繋ぐための顔見せ程度。好きな俳優さんの1人なので、もう少し謎解きに絡んでもらえるのだと期待していたのですが、そこだけはちょっと残念。
そして「唐人街探偵 東京MISSION」でも感じたことですが、展開が早すぎてついていけないところが多々。前回それを観たときには、私が老化しているのだと思っていましたが、今回のNEW YORK MISSIONを観てわかりました。おそらく考えさせる時間を作らせないために展開を早くしています。
謎解きとしてはそこまで複雑なことをしているわけではないのですが、ミステリー映画は先読みされるのを嫌うわけです。サプライズがあってこその「面白かった」につながるので。複雑なミステリーではないから、展開を早くして考える余裕を与えず畳み掛けるわけです。なるほど勉強になります(どこで活用するの?)。
そういうテクニックを中国映画があたり前のように使っているわけです。きっとハリウッドなどで学んで監督になった人やスタッフが大勢いるのでしょう。日本人でもハリウッドで学んでいるという人もいるのでしょうが、絶対数で中国よりは少ないような気がします。邦画はハリウッドとは方向性が違うというのもあるのかもしれません。
どちらが優れているかというのではなく、世界はそういう状態にあるのだということを話しているだけです。勝ち負けの話でもありません。日本は経済面で世界に置いていかれている感じがありますが、貧しいといいながらも生きていくことはできますし、街はきれいで犯罪だってそこまで多くはありません。
きっと日本は世界的にも物価が安い国となり、だけど教育はしっかりとされていて、真面目で統率も取れていて仕事熱心な国という他に類を見ない立ち位置を獲得するような気がします。だから「唐人街探偵 NEW YORK MISSION」みたいな映画を撮れなくても別に気にする必要はありません。
そもそも、資本主義経済に限界が見えてきており、世界は価値観のパラダイムシフトが起こっている最中。これまでの価値観で豊かさや幸福感を測ることに意味がなくなります。世界はボーダーレスになり、日本はそこに馴染まず孤高の地位を築く。それは「唐人街探偵 NEW YORK MISSION」の妻夫木聡さんが演じる日本人探偵・野田のようです。
この映画を見れば、すでに日本は群れない存在という認識になっていることが分かります。少なくとも世界はそう見ているわけです。それでいて侮れない存在なわけです。だから「唐人街探偵 NEW YORK MISSION」のようなエンターテインメントを目指す必要はありません。ただ、時々観たくなるわけです。隣の庭で行われているパーティーを。
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