甑島にやってきました。以前から島というのは気になる存在で、ランニングを始める前には離島に行くということを趣味にしようかと考えたくらい。閉ざされた空間であり、そこはもう別世界な訳です。それだけで胸が躍るシチュエーション。ただ、走るようになってから「海より山が好き」派に移行。
ところが昨年あたりから、島や海岸線を走る機会が増えて、やっぱり島が好きだなぁと。海を眺めながら走るのって、マラソンとは違った楽しみがあります。心も体も癒されるというか、いい感じにリフレッシュできる気がしています。景色の変化を楽しめるといった魅力もあります。
今回甑島を選んだのも、海岸線を走りたくなったのが最大の理由です。あと、本格的な島旅というのはかなり久しぶりで、橋などで繋がっている島とは違った魅力があるんじゃないかなと期待してのことです。高速船で川内から50分。天草や能登島のように橋で繋がっていないのが今回のポイント。
第1印象は鹿児島弁がかわいいということでしょうか。これまで鹿児島には何度も来ていますが、鹿児島弁を意識したことはほとんどありませんでした。忘れているだけかもしれませんが。でも甑島についたら、鹿児島のなまりが心地よく感じます。
観光で利益をあげることの重要性を島民が理解しているからか、それとも島の人の本質がそうなのかはわかりませんが、すれ違う人はみんな挨拶をしてくれます。カメラ片手に走り回っていて、明らかに不審者に見える私に対して挨拶をするわけですよ。
それもちょっと鹿児島なまりで。それだけでもう楽しいじゃないですか。これって橋でつながっている島だと、あまり体験できないことです。島でも人が自由に出入りできれば、それはもう本州などと同じで独自の文化が薄れていきます。
九州の島としては珍しく、キリシタン文化もありません。薩摩藩がキリシタンを徹底して排除した影響もあるのでしょう。他の藩は大名がキリシタンだったりするわけで、どことなくキリシタンに対して甘いところがありましたが、薩摩藩にはその甘さがありません。
私が調べるかぎりでは甑島はキリシタンではなく一向宗が多い島で、結局弾圧を受けたのは同じだったようです。信じる相手が違うだけで、結局のところ「島」というのは宗教が根付きやすい何かがあるのでしょう。もしくは弾圧を避けて島を目指したのか。
もしかしたら甑島の人たちが優しいのも、このような歴史が影響しているのかもしれません。そういえば天草も甑島ほどではないものの、挨拶を交わした記憶があります。迫害されないように、疑われないように「挨拶をきちんとする」が根付いたのだとしたら、それは少し複雑な気持ちになります。
ただ、それはすでに文化となっていて、いまではそのような意図もなく、挨拶するのがあたり前になっている。それはそれで旅人にしてみれば嬉しいことです。ちなみに一向宗が密かに信仰を続けていた場所にも、昨日のランニングの途中で訪れました。
かなり険しい山の山頂近くにお参りするスペースがあったのですが、本当に知る人ぞ知るといった場所でした。案内がなければ見つけることができないくらい奥深いところにあるそれは、いかにひどい弾圧を受けていたのかがよくわります。
こういう歴史を知るということも旅ランの魅力。見たこともない景色を楽しむだけでなく、歴史を学んで現代と結びつける。走れば走るほど多くのことを学べるわけで、ただシンプルに楽しいものです。さて今日はどんな学びがあるのでしょうか。
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