走れるということ【甑島を自分の足で回ったことで見えてくるもの】

甑島初日の夜に行った居酒屋の店主に「走れるなら1番南まで行けば?」と言われたのですが、話をしているうちに店主が「やっぱり無理だ」とのこと。往路にバスを使って44kmくらいを走って戻るので無理ではないのですが、かなりアップダウンがあるとのこと。

私自身も2日前に曽木の滝まで往復走った疲労が残っていて、きちんと走れるような状態じゃないのもあって、ホテルから南下して甑大橋を渡って帰ってくればいいかなと。それでも寄り道なしで36km。途中でどうしても寄りたいところがあって、トータルで結局48km。

この3日間で100km走ったことになります。100kmしか走っていないとも言います。ウルトラランナーにしてみれば、100kmなんて1日で走る距離ですから。もっとも私は距離を競っているわけでもないので、無理ない範囲で走ったら100kmになったというだけのこと。

1秒でも速く走るつもりもなく、目的地に到達できればOK。途中で気になる場所があれば寄り道しますし、写真や動画の撮影もします。目的地にたどり着けなくても、それはあまり大きな問題ではありません。これはマラソン大会ではないのですから。

大事なのは走りスピードで景色を楽しむということ。今回は何回「わぁっ!」と感嘆の声をあげたかわからないくらい、目に映る景色がどれも特別。ずっと美しいんですよ。海は近くで見ると透き通っていますし、遠くから見るときれいな青。

まるで小学生が絵の具で塗ったような青色の海。それを丘の上から見たり、橋の上から見たり。車だとこうはいきません。景色は次々と流れていきますし、何よりも運転手はよそ見をするわけにもいきません。だから景色が記憶に残りにくい。

自分の足で進めば、脳内に保存するのに十分な時間があります。景色を満喫したければ歩くのが理想ですが、私は歩くよりも走るほうが好きですし、何よりも歩いたら進める範囲に限度があります。時間は有限ですので、走れるなら走ったほうがいい。

フルマラソンを走れるようになったのに、それを活かしていない人がたくさんいます。「ランニング=マラソン大会」という印象を持っているからだと思うのですが、もちろんランニングの世界はそんな狭いものではなく、もっと自由でいいんです。

フルマラソンを走れるなら、40kmくらいの旅ランができるということ。それをしないのってもったいないことです。もちろん、誰もが旅行を好きなわけではないので、もったいないかどうかは私基準でしかありませんが。走る目的がマラソンだって全然いいんです。

でもこんなに楽しいことができるのに、やらないという人のほうが多いわけです。ランニングシューズとウェアを持って旅に出るだけでいいのに。それはニーズがないのか、それとも発信している人が限られているのかはわかりません。

ただ、ビジネスとしては成立しにくいんだろうなとは思います。ランナー人口だって限られているのに、そこから旅をしようなんていう人は少なくて、稼げないから企業が力を入れないわけです。でも、トレンドが絶対にできないわけでもありません。

旅ランブームが来てもおかしくない状態ですし、みんなやり方がわからないだけ。大手企業が参入しにくい部分ですので、私のような小さなメディアにとってはブルーオーシャン。走る楽しさをなんとかして伝えていきたいというのが目下の目標。

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