自分に降りかかるリスクを考えずに行動できる勇気とびびりな自分

中国大使館の前で看板を掲げていました。自転車を運転中だったので、正確な中身は覚えていないのですが、要約すると「中共は消えろ」みたいな過激なことが書かれていて、なんとも物騒な話だなと。その人たちの背景も知らないので何とも言えないのですが、その勇気がすごいなと。

私は中国も台湾も好きですが、他の人が中国や台湾をどう思おうと気にはしません。万里の長城マラソンの事務局をしていると、中国が嫌い、行きたいとも思わないという人にたくさん会います。その人たちをいちいち「中国は面白いよ」なんて説き伏せるのは面倒なので、まあそういう人もいるよねくらいに考えています。

この人はあの美味しい料理も食べず、美しい景色も見ないまま年老いていくのだと思うと、少しだけかわいそうにはなりますが、それはその人が選んだ道。他の道を選んだがゆえの経験もできるので、私がとやかくいう必要はありません。大使館前で看板を立てている人に対しても。

ただ、怖くないのかなとは思うわけです。中国を知っているからこそ、そんなことをするリスクがどれくらい高いかを理解してます。日本にいるから大丈夫?そこに根拠なんてなくて、ブラックリストに入ったときに、どのような未来が待っているかを考えたら、恐ろしくて私にはできません。

そのUberEatsの配達の途中、青山の骨董通りを自転車で走っているときに、向かい側から子供を自転車の前後に乗せた女性が車道を逆走してきました。それもそこそこのスピードで。単独でなおかつ車の通りが少ない道ならまぁわからなくもないのですが、そこそこ交通量が多くい道で、しかも子どもを乗せています。

私は骨董通りを走るのがあまり好きではないので、そのあと裏道を使って配達をしていてのですが、昨日は小雨がぱらつく天気ということもあり、傘をさしている人も多く、さらに傘をさしてスマホ操作をしている人も。まったく前を見ていない自転車や歩行者がこちらに向かってくるので、その度に自転車を止めて回避します。

別に交通ルールを守りましょうみたいな、幼稚園児に言うようなことを大人に言うつもりはありませんが、なぜ自らを危険に晒すようなことができるのか、少し疑問に感じるわけです。相手が避けてくれるという謎の信頼?それとも自分だけは事故に遭わないように、悪魔と契約でもしてるのかもしれません。

それは冗談としても、人は簡単に自分を危険に晒し過ぎているのではないかと、最近よく思うのです。何かと戦っているわけでもありませんので、日本で暮らしているならそこそこ安全です。でも個人としてのトラブルはいくらでもありますし、わざわざ火中の栗を拾うようなことをしなくてもとは思います。

中国大使館の前で看板を立てている人も、道路を自転車で逆走してくる人も、リスクをあまり考えないのかもしれません。ただ、もしかして世の中を変えるのはそういう人なんだろうとは思います。私なんかはビビリだから、すぐに腰がひけてしまうので無難な結果しか得られません。

あと1歩、いやあと半歩踏み出せば見える景色が変わってくるのに、そこから飛び出すことがこわくて、留まってしまう。勇気が足りないとも言いますね。そういうときに、恐ることなく1歩を踏み出せる人こそ英雄であり、変革者になります。私にはその資質がありません。

安全圏でベストを尽くすというのが、私の基本スタンス。世界を変えたいわけでもありませんし、有名になる気もありません。私は自分のことしか興味のない人間ですので、リスクをとって、大きなことをする必要はないわけです。血気盛んな20代ならともかく。

だからこそ、自分とは正反対の人の言動が目につくのかもしれません。もしかしたらリスクについて考えず、思いつきで行動できる人を羨ましいと、心のどこかで思っている可能性もあります。もう少し思い切りよくなれたら、人生もまたどこか違ったものになったでしょうし。

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