変わらないものなんて何もない【僕らは順応していける】

梼原から都内に戻ってきて、少しだけ浅草で撮影をしてから帰宅しました。少し前にも浅草には来ていましたが、外国人が多いように感じました。観光で来ている人なのか、それとも留学生や日本で働いている人なのかはわかりません。体感として外国人が増えているというだけのことです。

そういえばラン仲間の1人が、新宿にも外国人が増えている気がすると言っていました。別に外国人が増えることは問題ありませんし、どんな形であれ街に活気があるほうが個人的には好きなので、むしろいいことだとは思います。どうしたって時間は流れていき、街も人も変化していくものですし。

「こうあるべき」という考え方は時代によって変わります。平安時代(もしくは弥生時代)から昭和初期において、この国で絶対的だったのが稲作でした。今回の旅でも感じたことですが、私たちの祖先はどうにかして、本当に猫の額のようなスペースすら水田を作っています。

その代表的な存在が棚田です。棚田にいたっては、平地ですらない場所を開拓して水田を作っています。信じられないくらいの石を積んで。そこまでして稲作をしてきたのに、今では減反して、仁淀の棚田にはお茶の木が植えられています。棚田は作業効率が悪いので仕方ないのですが、稲作そのものの価値が落ちています。

もちろんそれを嘆いているのではなく、変わらないものなどないという話。昨日まで当たり前だったことが、今日からは非常識になる。2年前に私たちはそれを体験しましたし、そういうことが本当に起きるのだということを学びました。変わらないものなど何もない。望もうと望まなかろうと。

コロナ禍も流石に10年後20年後には終わっています(まったく別の何かが流行っている可能性もありますが)。ただ、私たちは変わらないことをどこかで期待します。変わらないことは楽だから。同じことの繰り返しをしているほうが確実だから。どんな些細なことでも適応するのはエネルギーがいります。

だから変わろうとすると、変えようとすると必ず抵抗する人が出てきます。特に自分が損をするとなると、必死になって抵抗します。時代が時代なら、変革をしようとする人を殺害してしまうことすらあるわけです。自分が損をするくらいなら、人を殺してしまおうと思うくらい人は変わりたくないもの。

ランニングの世界でいえば、ナイキが厚底シューズを発売したときに、必死になって抵抗していた人がいました。用具のドーピングだと評する人もいました。シューズが変革されることで、なんらかの損失が起きる可能性があったのでしょう。もしくは単純に変わることが嫌だったか。

面白いもので、そういう人たちも時間の流れの中で考えを変えていきます。そして、非常識だったものが常識になる。トップアスリートだけでなく、マラソンを走る場合のランニングシューズは厚底がスタンダードになっています。日本の経済もすぐにまた外国人頼りの状態に戻ります。

変化を避けて生きるのは困難。だから変化に適応していくべきだなんてことは言いません。そんなことをしなくても、人間は勝手に適応します。ただ「こうあるべき」の考え方が凝り固まっていると、変化に乗り遅れる可能性はあります。だから「なんとかなるさ」の精神で。

ただ、まったく変化に動じないという選択肢もあります。自分の信念を持ち、大きな岩のようにそこから動かない。それもひとつの生き方ですが、誰にでもできることではありません。私のように確固たる信念がないタイプだと、岩のように動じないなんてことは選択肢にできません。

憧れはするけど、それはただのないものねだり。いや、この歳でその片鱗もないということは憧れてもいないのかもしれません。尊敬はしますが、それは他の誰かの役割。私なんぞは風に吹かれて右へ左へ。ただ、変革に対する抵抗勢力にはならないように心がけたいものです。

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