「超十代」熱狂なき十代への憂鬱と開かれた世界への扉

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幕張メッセで開催された「超十代」というイベントに行ってきました。

「超十代」は10代による10代のためのフェスです。モデルやタレント、スポーツ選手として、若者に影響力のある10代が超十代実行委員会となり、くすぶっている10代のエネルギーを開放させるため企画を考え実行します。

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わたしが10代のころに、モデルやタレントは雲の上の存在で、身近で活躍している若者といえば「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の面白い素人ぐらいでした。

スマホなんてない時代でしたが、友だちはいましたし毎日が充実していた・・・はずです。

そしていまの10代。「超十代」に集まってくるような10代は、流行に敏感でオシャレで、いつもスマホで友だちとコミュニケーションをとっているような若い女の子です。

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これは若いエネルギーに圧倒されるのかと思いきや、まったくそんなことありません。

むしろ若者たちの目に力を感じません。みんなスマートで、人間臭さがない。彼女たちからは「生きてる!」っていう喜びが感じられません。彼らのエネルギーはくすぶってもいませんし、開放する必要もなさそうです。

もちろんお目当てなモデルさんやタレントさんが彼女たちの目の前に来たときには、興奮状態になるのですが、それも「熱狂」には程遠い興奮です。彼女たちは決して我を失うようなことがありません。

興奮の中にも冷めた心が見え隠れします。

いまの10代というのはこういうものなのでしょうか。無気力という表現は正しくないですね。ただ彼女たちの状態を上手に表現する言葉が見つかりません。

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ところがそのような状態が悪いかというと、そうでもありません。彼女たちは10代の一部は、すでに世界へ羽ばたいている世代なのです。とくにスポーツ選手は10代ですでに世界選手権のような場を経験しています。

わたしと比較するのもなんですが、わたしの10代の頃は、頭のなかにサッカーと好きな子のことぐらいしかありませんでした。サッカーで日本人が海外で成功するなんて夢物語の時代でした。

今の子たちは圧倒的な情報を手にすることが出来、身近なところに世界に出て行く同世代がいます。

世界でなくとも日本で成功している10代が、友だちの友だちレベルでいくらでもいます。彼女たちにとって、世界の門はいつも開いていて、いつでも自分たちにチャンスが与えられている感覚なのかもしれません。

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だから世界に出ていくことに躊躇しない。その世界ですらYouTubeで知ることができるので、世界との壁はもう彼女たちにはないに等しいのでしょう。

以前、作家の村上龍さんが希望の国のエクソダスという小説で「この国には希望だけがない」と言いました。いまは希望が近すぎる時代かもしれません。希望が身近すぎて熱狂する必要がない。

淡々と日々を過ごしていればチャンスの方からやってくる。あたりまえですが、そんなことあるわけありません。いくら時代が変わったとしても、待っているだけの人が成功できる時代はいつまでたってもやってきません。

「超十代」というフェスが、動き出すためのきっかけになる。このフェスのコンセプトはそこにあるような気がします。

世代の違いの影響が一番大きいのでしょうが、世界への扉は開かれているのに、飛び込むことを躊躇する若者の目を見て、わたしは憂鬱になります。

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そんな中、わたしは1人の若者の描く絵に釘付けになりました。彼の名はSHOGEN。ペンキで絵を描くアーティストです。彼は日本の一流企業に入社するのですが、タンザニアアート「ティンガティンガ」に魅せられ退職します。

そしてコネもなくタンザニアに向かい、ティンガティンガを習得したそうです。

静かな眼差しの彼の眼の奥に熱い炎を感じます。心の奥から湧き上がる創作意欲が筆からも伝わってきます。そんな十若者が「超十代」の会場にいたのです。

もっとも彼は「超十代」の開催日が20歳の誕生日でしたので、正確には十代ではありませんが。

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彼の描く絵は「超十代」の会場で圧倒的な存在感にもかかわらず、あまり注目されません。彼のいた場所が人の流れが少ない場所というのもありましたが、きっと「超十代」にやってくる若者には、彼の絵が響かなかったのでしょう。

SHOGENのように熱いものを感じられる若者の存在には安心できます。それでも会場全体で見たときに、このギラギラ感が消えている若者たちはどうやってこれから生き抜いていくのだろうと不安になります。

とはいえ若者には無限の未来があり、世界への扉はいつだって開かれています。そこで活躍する若者によって、これからの成功者のスタイルは変わってくるのかもしれません。

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熱狂なきまま成功者になっていく。それがあたりまえの時代が来る可能性もあります。それてもわたしは熱狂する若者を応援したいし、そういう若者ととも成長していきたい。

10代だろうと40代だろうと、熱狂している人がわたしの心を熱くします。そういう意味では、わたしの周りにいるクレージーな人たちは愛すべき人たちなのだなと、改めて感じました。

そしてわたしたちにできることは「クレイジーになることは楽しいこと」だと若者にメッセージを送り続けることだけ。旧人類の悪あがきかもしれませんが。

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