愛媛マラソンでサブ3を達成する。この数ヶ月はそのことばかりを考えてきました。ただ、マラソンとは思うようにはならないスポーツで、今回もその目標を達成することはできず、3時間13分50秒とあえなく撃沈してしまいました。
レース展開は連載しているランニングストリート365で書くので、ここでは詳細は述べませんが、何が足りなかったのか、どうすれば良かったのかという考察をしつつ、自分がこれから何をすればいいのかを考えていこうかと思います。
サブ3を達成するには2時間55分で走れる走力が必要
まず今回実感したのは、42.195kmを3時間以内で走れることと、サブ3を達成することは必ずしも同じ意味ではないということです。当たり前といえば当たり前のことなのに、そこまで気が回っていませんでした。
今回の愛媛マラソンではBブロックからのスタートで、スタートロスは直後の渋滞も含めて1分と見ていました。なので、基本はグロスでのサブ3狙いと決めていました。結果的には、そこで大きな判断ミスがありました。
スタートラインを超えるまで1分34秒。最初の1キロが5分1秒かかっています。ここですでに2分20秒のロス。そこからペースを上げたいけど、周りのペースも遅く、次の1キロも4分39秒で24秒のロス。結局、渋滞を抜けた5キロ地点までに約3分を失ってしまいました。
わたしは自分の走力を2時間59分くらいと見積もっていたので、グロスタイムどころかネットタイムでも、サブ3が難しい状況です。そこで、焦ってしまったのが失敗なのですが、自分の走力として2時間55分でいける自信があればなんてことなかったわけです。
最初のターゲットを3時間にしたところに、そもそものミスがありました。目標設定もトレーニング内容も、3時間の先に目を据えておかなくてはいけなかったということなのでしょう。久しぶりのサブ3挑戦だったので、完全に頭から抜けていました。
コンディショニングに失敗していた可能性も
愛媛マラソンは実家もあるので、帰省も兼ねて早めに松山入りをしていましたが、そこでいつもと違う環境に体が上手く適応できなかった可能性があります。実家とはいえ、暮らしていた家ではないのと、慣れない柔らかい布団。
わたしは簡易畳の上にヨガマットを敷いて、寝袋で寝る生活をしていますが、今回は柔らかくて暖かい布団。そのほうが快適なんだと思っていましたが、実際には腰に違和感をずっと抱えていました。いや、正確にいえば完全に痛みにまでに発展してきました。
なのでマラソン前夜からは敷布団を外して寝たのですが、時すでに遅しだったかもしれません。腰の張りが限界で体のバネを上手く使えていない、そんな感覚もありました。無理して足の力でスピードを上げているから、足を必要以上に消耗している。
もちろん、まったく関係ない可能性もありますが、遠征をする時にはできるだけ普段と同じ環境を整える。これは今後につながる重要なポイントになります。折り畳みできるヨガマットと寝袋を持って行って床に寝る。少なくとも硬い床は必須かもしれません。
また、体調も自分で思っているほど万全ではなかったのでしょう。スタート直後から体の重さを感じていたのも、気づきにくい異変がどこかにあったのかもしれません。
直前でもある程度の走る距離は必要
今回の愛媛マラソン直前にウーバーイーツの配達員を始めたことも、結果だけ見ればマイナス要因になったかもしれません。疲労が残っていたのと、今月の走行距離が激減したというのも、サブ3を遠ざけてしまった気がします。
この1ヶ月で足がかなり太くなっています。これがプラスに作用するか、マイナスに作用するかはまだわかりません。ただ、身につけたパワーに対して、それを受けるだけの足ができていないのかもしれません。エンジンだけを最新にして、足回りを交換していないレーシングカーのように。
今回の愛媛マラソンでは股関節がキツくなり、さらには足裏もこれまでにないダメージを負っています。どちらもこれまでに経験したことのないもので、その原因として考えられるのは、やはり走り込みの少なさしか思いつきません。
ウーバーイーツの配達で疲労しているから、練習量を減らしてしまい、体のバランスが崩れてしまったのでしょう。だとすれば、まだここから成長できる余地はあります。
配達員の仕事をもう少し効率的にできるようにして、負荷を減らすこと。そして、走行距離はきちんとキープすること。配達員の仕事そのものは、トレーニングになります。ただ、走るトレーニングとは別の補助的な役割でしかありません。
トレーニングのメインとなるは走ること。これを忘れないように、仕事とトレーニングのスケジュールを組むことが、次のステップとして求められます。もちろん生活をしていくために、安定した収入は必要です。ただ、二兎追うことはできません。何を最優先にするかをよく考えて、今後のプランを立て行きます。
レースではどんなことがあっても慌てない
今回撃沈したこと自体に悔いはありません。なぜなら、ぎりぎりまでサブ3狙いのペースで走ったから。途中で「ペースを落とさないと撃沈する」というのは感じていました。普通のレースならそこでペースを落とします。
でも、今回は守りに入るレースではなく、攻めのレースをする宣言だったので、無理とわかっていても突っ込む必要がありました。ただ、突っ込み方が下手だったのは否めません。1kmで5秒縮めることができれば、40kmで3分20秒も縮められたので、4分10秒/kmでよかったわけです。
走っているときに、この計算ができなかったことが最大の失敗です。ただ、こういうのは走って計算するというよりは、事前のシミュレーションが重要になってきます。今回は1分のロスでしか計算しておらず、慌ててしまいました。
事前準備をしっかりとしておけば、こんなことは起きなかったはずです。
きっとこれからの挑戦でも同じように、想定外のことが起きるはずです。それに対してひとつひとつきちんと準備をしていくこと。上手く走れているイメージをすることは重要ですが、レースに挑むいあたっては最悪を想定する。これがサブ3に限らず、安定して結果を出すには必要になります。
最悪の展開に淡々と対応して、あたり前のように42kmを走り抜ける。その経験が足りていなかったのでしょう。マラソンは経験のスポーツです。ただ、失敗の経験が必ず糧になります。レースは1回で完結するのではなく、次につなげていくことができるスポーツでもあります。
目標はセルビアでのサブ3挑戦
今回サブ3を達成できなかった理由はいろいろ考えられますが、コンディショニングに失敗したことも考えられるので、今シーズンはもう一度だけサブ3狙いで走ることにします。招待されているセルビアのヤゴディナマラソン。
この大会は招待枠なので、おそらく前方からスタートできます。もし、すでに求められる走力があるなら、ここでは結果が出るはずです。4分15秒で42キロを走り続ける走力。焦ることなく、淡々と積み重ねていくレースをしてきます。
そのために、今回学んだことをきちんと活かすこと。サブ3への挑戦の延長戦です。愛媛マラソンは終わりましたが、疲労が抜けたらまた積み上げスタートです。自分に伸び代がまだまだあると信じて、無駄を削ぎ落とし前へと進むとしましょう。