7月1日発売のサッカニー「エンドルフィン プロ」を買う気しかなかったのですが、アディダスがえげつないランニングシューズを発表し、それも気になりながらも、やっぱりアディゼロ プロがいいなと思い始めたり。
そして他社からも新世代シューズが続々と発売予定(すでに発売されているものも多数)となっており、ランニングシューズ好きの裸足ランナーとしてはワクワクが止まりません。でも財布の中身に余裕がないので全部は買えません。
サッカニーのエンドルフィン プロが気になる理由
いつも書いていることですが、わたしはやっぱりみんなと違うものが好きです。だからヴェイパーフライを買う気はさらさらありません。でも、ランニングシューズは好き嫌いの次元ではなく、あたり前のように「厚底+プレート」が定番になります。
だから厚底を1足くらい持っておこうかなという気持ちはあります。そこは「みんなと違うのがいい」と突っぱねるところじゃないので。
シューズの性能としてはやはり先駆者のナイキが優秀です。とはいっても半歩前にいる程度。もしかしたら今回発売になるアディゼロ アディオス プロがナイキのシューズに並ぶかもしれません。それくらい技術は肉薄しています。
ですので、正直どこのシューズを履いても同じだと思っています。だったら、みんなが選ばなそうなサッカニーがいいかなと。デザインも気に入っています。日本ではあまり見ない色の組み合わせがカッコいいなと。このデザインがダサかったらもちろん選びません。
ランニングシューズはランナーのモチベーションを高める効果もあります。ワクワクしないデザインのランニングシューズに、1ミリも魅力を感じませんので、購入することはまずありえません。
東京五輪のマラソン全米予選女子で2位になったランナーが履いていたことからも、ポテンシャルは間違いありません。デザインも気に入っています。みんなと違う。もう選ぶしかありません。
アディダスの反撃の狼煙に加わりたい
だったらなぜアディダスが気になるのか。それは、これまでの勝負シューズがずっとアディダスだったから。それだけです。もちろん他のシューズを履いてレースを走ったことはあります。普段はワークマンのシューズばかり履いています。
だからアディダスに特別な思いがあるわけではなく、でも今回のアディゼロ アディオス プロはかなりインパクトがあり、アディダスの反撃の狼煙になるような気がしています。そういうのって物語として楽しいじゃないですか。
そういう意味で本当はアディゼロ アディオス プロを履いてみたいのですが、おそらく発売数も限られていて、わたしのところまで回ってくることはありません。販売実績を作るためだけの販売といったところでしょうか。
アディゼロ プロは試し履きしたことがあり、かなりの暴れ馬な感じで「絶対に乗りこなしたい」という思いはあります。おそらくいずれ買うことになるとは思います。アディダスのシューズばかり履いてきた経歴からも、不思議と縁があるので。
だとしたら、世の中が「アディダスいいんじゃない?」と思う前から使っていたじゃないですか。みんながもてはやしたら、わたしは冷めてしまうので、買うならこのタイミングかなと思ったり。
幸か不幸か現時点では、アディゼロ アディオス プロのポテンシャルを広めるためのレースがないので、すぐにアディダスが注目されることもないのでしょうが、栄枯盛衰という言葉がありますようように、ナイキの天下は続きません。
それを止めるのはやはりアディダスなんだろうなと、アディゼロ アディオス プロのリリースを見て感じました。開発力が段違い過ぎます。
ランニングシューズは物語で選ぶ
わたしの中ではランニングシューズに優劣はなく、それぞれを目的に合わせて利用するのが1番だと考えています。今回厚底を選ぶというのも、2020年を境にランニングシューズに大変革が起こると感じ、その物語に関わる当事者になりたいという気持ちが強くあります。
この大きな変革を遠くから眺めているだけだなんてもったいない。わたしにそれを引っ張ることはできませんが、ランニングに関する情報発信をしているわけで、ほんの少しだけ流れを加速させることができる立場でもあります。インフルエンサーというほどではありませんが。
そういう立場において、面白いなと思うのはみんなが気づかない物語を紹介できたとき。だからメインストリームではなく、その脇にある小さな流れを選んでしまう。他の人に「こういう面白いものがあるよ」と語りたいから、人気が低いものを選ぶ。
そう考えると、申し訳ないけど日本においてサッカニーというのは、紹介しがいのあるブランドです。アディダスはあえて説明する必要もない知名度で、良いものを作ればわたしが何かをしなくても、勝手に広まっていきます。
アディゼロ アディオス プロはまさにそれで、この物語にわたしが何かを付け加えても蛇足。アディゼロ プロも同じです。どちらもわたしが影響できることはほとんどありません。だとすればやはりサッカニーのエンドルフィン プロを勝負レースにしたい。
目標をどこに設定するのかという問題
おそらくわたしは、サッカニーのエンドルフィン プロを選ぶはずです。7月1日に店舗在庫がなければ諦めますが、通りかかったABC-MARTに在庫があって、自分の足にフィットするようなら、躊躇することなく購入するはずです。
問題はサッカニーのエンドルフィン プロの良さをどうやって広めていくかということです。すでに良いシューズであることが前提になっていますが、良いところだけでなく、デメリットも含めて伝えたい。そう思ったときに、レースがないというのはインパクトを弱めます。
1kmをどれだけ速く走れるかなんて関係なく、42.195kmをしっかりと走りきれるシューズであるという物語が必要で、それを伝えやすいのはやはりマラソン大会です。1人で42.195kmを走るという方法もありますが、後半失速をしてからもゴールを目指せる自信がありません。
最後まで走り抜くという意味で、マラソン大会というのは大切な存在だと改めて気付かされました。そして、目標がないならどんな優れたシューズを手にしても、宝の持ち腐れというものです。シューズは樹脂で作られていますから、時間とともに劣化しますし。
いま購入したところで、エンドルフィン プロの魅力を伝えきることができるかどうか。これはかなり大きな問題のひとつです。伝えるために購入するのに、伝えられないのでは何をしているのかわかりません。
マラソン大会のない世界で、マラソンランナーにどうやってモチベーションを持ってもらうか。どうやってアイテムを手にしてもらうか。わたしだけでなく、すべてのメーカーの課題かもしれません。とはいえ、これもひとつの物語です。この逆境の中で、自分にできることをしっかりと積み重ねて物語を進めていく。
わたしにできるのはそれだけです。