最近のお気に入りが、200mを36秒で走るという遊び。これは3分/km(キロ3分)のペースでかつての世界記録ペースです。8〜10本くらい走るので、結果的にはインターバルトレーニングになるのですが、鍛えているというよりはその瞬間だけ世界記録の領域を体感できるということで、楽しみながら取り組んでいます。
私はトラック練習をしないので、「400mを◯秒で」というトレーニングをしてきませんでした。これが自分のペース感覚のなさを築き上げたわけですが、短い距離を走るときにはそうも言ってられません。やっぱり正確にペースを刻めたほうがいいわけで、だったらまずはキロ3分の感覚を体に染み付かせようかなと。
男だったらいつかは世界のトップを目指したいじゃないですか。無理だと分かっていても挑戦したいことってあるじゃないですか。昔の人はそれをロマンと呼びましたが、最近はロマンを語る人もおらず、なんだったら「男だったら」という発言が叩かれる時代です。
それはともかく、私はキロ3分の世界を見たかったわけです。それも適当に走ってじゃなくて狙って走る。1本ではなく何本も続けて。きっと最初はきついんだろうけど、いずれ体が慣れてきて、フルマラソンのサブ3ペースであるキロ4分16秒も安定して出せるようになるかなという目論見です。
実際に最初はきつかったのですが、何回か繰り返しているうちにスピードに慣れてきて、最初ほど息が上がらなくなりました。それに合わせてふくらはぎも筋肉が付いてきて、さらにスピードを出しやすくなっています。今のところいい流れにあります。
そこで昨日はAdizero Adios Proを引っ張り出してきました。このランニングシューズは私が唯一履きこなせていない1足です。スピードは出せるのですが安定はせず、走り方がどうもしっくりこないので、あまり好んで履いていないのですが、シューズのポテンシャルは世界のトップランナーが証明済みです。
きっとスピードが足りていないか、走り方が間違っているかのどちらか。まずはキロ3分ペースを200mなら安定して出せるようになったので、スピードはこれで問題ないはずです。それでしっくりこないとなると、走り方が根本的に間違っているということになります。
実際に走り始めて2〜3本目くらいまでは、キロ3分ペースにはなるものの力技でもっていった感が強く、まったくコントロールできていません。そこで走りながらいろいろ調整していたら、コツっとはまる瞬間があって、そこから急に走りが楽になりました。
200mのタイムが35秒。キロ2分55秒ペースです。本域の世界のトップランナーが見ている景色です。このペースでもしっかりと力が抜けていて、体の動きや疲労具合をしっかりと確認しながら走れます。しかもストライドが長くて、飛んでいる感覚もありました。
ただ調子に乗っていたら、7本目を終えた段階で右のふくらはぎに違和感が出たので、そこで200mランは終了しました。キロ2分55秒ペースに耐えられる体ではなかったということなのでしょう。自分の限界に軽く触れた瞬間でした。そして、あらためてトップランナーの凄さを感じました。
私はキロ3分で1kmも走れません。おそらく500m1本がいいところでしょう。でもトップランナーは42.195kmもそのペースで走り続けます。とても同じ人間とは思えませんが、ただこれまではレベルの差すら分かっていなかったわけで、自分の立ち位置を明確にできたのは良かったかなと。
そして何よりもAdizero Adios Proをコントロールできた喜び。正直まさかあんな走り方を求められるとは思いもしませんでした。想定外すぎてしっくりこないはずです。これについては、また別の機会でお話しようかと思いますが、自分にとってのランニングフォームのルールが大きく改定されました。こういうことがあるからランニングはやめられません。
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