1日100km走るための考察【1日に8000kcalをどう摂取すればいいのか】

1日100kmを毎日走る。それは人間として可能なのかどうか、ずっと頭の中で考えています。前回の考察では「1日8000kcalのエネルギー摂取が必要」ということが分かりましたが、いま考えているのは、そんなことが実現可能なのかということです。人間が1日に摂取するエネルギーは2000kcal程度です。その4倍も食べる計算になります。それはどうすれば可能なのか。

可能か不可能かで言えば、少なくとも江戸時代の飛脚の中には、それができた人がいる可能性があります。少なくとも加賀藩の足軽飛脚は、金沢から江戸まで5日で走りました。これは連続ではない可能性がありますが、5日よりも早く届ければ褒美をもらえたそうですから、無理なく5日で届けられたことになります。

また、どこで見たのかは忘れましたが、お三度さんと呼ばれた飛脚は、江戸と京都を1ヶ月で3往復したそうです。一般的な飛脚は宿場町ごとに配達者が代わりますが、そうでない飛脚もいたわけです。実際に細かく文献を確認したわけではないので、その情報が間違っている可能性もありますが、それを言うとロマンがなくなります。

ロマンのために、江戸時代には1日に100kmを毎日走れる人もいたという前提で話をしましょう。だとしたら、彼らは一体何を食べていたのか。これはとても重要なポイントになります。確実なのは、今のように肉を食べていなかったということ。タンパク質は大豆と魚でしょうか。肉を食べないという点で腑に落ちる話があります。

江戸末期か明治時代に、人力車の車夫の体力に驚いた外国人が「肉を食べさせればもっと走れるはず」と、食事でお肉を食べさせたところ、まったく走れなくなったという逸話があります。食事を戻したらまた走れるようになったとのこと。このことから、肉を消化しきれなかったのが原因と考えられます。

この話を信じてはいたものの、そんな極端な話があるだろうかと、半信半疑なところがありました。でも仮に車夫も1日8000kcal摂取していたなら、そうなるのもわかります。8000kcal摂るというのは1日12食計算になり、常に胃や腸に食べ物があります。それを運動しながらエネルギーに変えていこうとした時、お肉というのは消化が間に合わないわけです。

お米ならいいのかというと悩ましいところですが、少なくともお肉よりは消化しやすく、短時間でエネルギーになります。塩分は漬物とお味噌汁、もしかしたら塩にぎりだったかもしれません。粗食は運動するにはかなり都合のいい食事だったわけです。ただ、これでもやはりまだ無理があります。お米以外に何かエネルギー源を持っていたはず。

考えられるのは砂糖。おそらく当時は高級品だったに違いありません。でも、もっと効果的にエネルギーを吸収するなら砂糖が1番です。黒糖ならミネラルも含んでいます。もちろんこれは推測ですが、飛脚や車夫といったエネルギーが必要な職業の人には、特別な何かを持っていたと推測できます。そうでないと、物理的に計算が合いません。

それが何なのかは、さらなる考察が必要ですが、1日8000kcalを簡単に摂取できるほどの食べ物はそれほど多くありません。意外と簡単に答えは出てくる可能性もあります。ただ、1日に100km走った人たちの記録が残っていればということですが。前提が間違っていれば、何も出てくるわけがありません。ただ、江戸時代の人たちが何を食べていたかは参考になっても、そこまで重要ではありません。

なぜなら、現代には現代の知識があり、必要なエネルギーや栄養成分さえ分かっていれば、理想の行動食を作る出すことができます。幸いなことに、UberEatsの配達をすると2000kcal以上消費するので、私の場合は日常生活にテストの場があります。自分なりの行動食やドリンクを作って試し、必要に応じて改良すれば、補給問題は解決します。

それでも古き人たちの知恵は役に立つものです。まずは文献や論文が残っていないか調べてみて、それをベースにオリジナルを作り出すのが1番効率的です。ランナーのための行動食というのもロマンがありますよね。それを誰でも作れるように公開すれば、ウルトラマラソンに挑戦する人も増えるかもしれません。こういうとき、賢い人はビジネスに結びつけるんでしょうけど、私には無理。

それはともかく、オリジナルの行動食を作るということで未来が少しだけ明るくなってきました。きちんと栄養補給さえできれば、人間はどこまでも走っていける。そうなると「旅」そのもののスタイルも変わってくるはず。行動食ができたら、10年後20年後には当たり前のように東海道を旅している人も……なんかワクワクしませんか?まだ絵に描いた餅ですけどね。

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