あの日から11回目の3月11日が過ぎました。毎年書いていることですが、私にとっては大切な人の誕生日でもあるので、毎年3月11日は朝起きて最初にLINEを送ります。そしてあれこれやり取りをするうちに、東日本大震災のことが頭から離れていきます。
もう何年もそうやってきたので、これからも同じようにするのかもしれません。もっと正面から向き合ったほうがいいのかもしれませんが、私はそういうシリアスな生き方ができる人間ではなく、基本的には過去のことはすぐに忘れていくタイプ。
もちろんあの日のことを忘れることはなく、いくつかの場面は今でもはっきりと思い出せます。ただ、そのメモリも徐々に消去されていくのでしょう。風化させないという考え方も大事ですが、私は今を生きているので限りあるメモリはいま必要なことに使うのが正解。
ただ3月11日が帰宅ランの日になればいいのになという思いがずっとあります。残念ながら出社していない身なので、私が言い出すのはどうも違う気がしてこれまで胸の中にずっとしまっておいたのですが、今日はこれといってネタもないので。
11年前の3月11日に、電車が止まってしまって帰宅できなくなった人がたくさんいました。駅や公園で寝た人もいますよね。私は姉が妊婦だったのもあり、連絡がつかなくて不安になったから会社の慰安会会場だった横浜から姉が暮らす鎌倉まで走りました。
もし大和の職場で被災していても、藤沢まで走って帰ったことでしょう。もっとも1人暮らしなので別に家に帰らなくてはいけない理由もなく、状況を見て自分でも役立つことがあるなら、そちらを手伝っていたとは思いますが。
それはともかく大事なのは、被災したときにどう動くかということではなく、被災したときにどうにでも動けるようにしておくことです。1度でも自宅まで走ったり歩いたりして帰っておけば、いざというときにそれが選択肢になります。
でもやったことがなければ「遠いから無理」となります。戻れることが大事なのではなく、選択肢が増えるということが大事で、そのために3月11日はできる限り、みんな走って帰る日にすればいいのにと思うわけです。
そのためにもっと大事なのが、走ることへの抵抗をなくすこと。これはRUNNING STREET 365をはじめとしたメディアの役割だと思っています。走ることは苦しいことではなく、楽しいことなのだという流れを作っていく。
多くの人は走るという行為に抵抗を感じています。それを取り除かないと帰宅ランの日は成立しません。ただランナーが走って帰るだけの日になる。そうでない人も「ちょっと走って帰ってみよう」となるのが理想であり目標です。
そして企業の協力も必要になります。帰宅ランをする人に対して午後半休を付与するくらいになると世の中に、新しい流れができます。「早く帰れるなら走ってみようかな」と考える人も出てくるはず。全員がそうなってくれるとは思いませんが。
来年はRUNNING STREET 365で提案してみるのもいいかもしれません。ムーブメントというのは意外と小さな思いつきが始まりだったりしますから。もしくはいま考えているもうひとつの情報発信サイトでするか。ただいかんせん自宅仕事の私には説得力が……まぁいいんですけどね。
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