40代50代になって「以前みたいなスピードで走れなくなったから、もうタイムは追わないことにした」と言うランナーがいます。でも断言しておきましょう「筋トレすればスピードは戻ります」と。もちろんトップアスリートは除きますが。
私は繰り返し「筋トレ」と口にしていますが、大抵の人は「また言ってる」くらいに思っているのでしょう。でも現実として40代になると筋力が低下していきます。そしてかつてのようなスピードを維持できなくなるわけです。
トップアスリートを除くとしたのは、そのレベルになると20代前後で人間が出せるポテンシャルの最大値にまで到達しているので、筋トレくらいではそのレベルを維持できないためです。いや「筋トレくらい」ではないですね。多くのプロスポーツ選手が30代で引退することを考えれば、何をしてもムダなのでしょう。
でも私たち一般のランナーは、自分の体のポテンシャルをそもそも100まで引き出せていないので、筋力の低下は筋トレで補えます。絶対とは言いませんが、まず間違いなく正しくトレーニングをすれば自己ベスト更新だってできます。
「でもトップアスリートの中にも筋トレしない人もいるじゃない?」と反論する人もいるかと思います。よく箱根駅伝の選手が「筋トレしない」と言いますが、これから体ができていく20代前後の若者と40代50代の中高年が同じ練習でいいわけがありません。
「走っていれば筋肉は維持できる」と言う人もいます。それは否定しません。筋力を維持できるくらいしっかりトレーニングできるなら、筋トレは不要です。でも人間の構造を考えたら、そのやり方だといつか体が壊れます。
筋力アップできるほどの走り込みは、反動をつけて負荷をかけることになるので、関節や筋が耐えられなくなります。考え方としては悪くないと思いますけどね。走る筋肉は走って付けるというのは。でもそれを10年20年続けられますか?70歳になっても?
みんなが筋トレをしない理由は明白です。楽しくないし、結果が出るまで時間がかかります。人によっては体重も増えてしまいますし。それ以上に何をすればいいかわからない。あとは筋トレでスペースが戻るなんて信じていないか。
もうひとつあります。それは真剣にランニングと向き合うことに疲れたということ。サブ3とかサブ3.5を狙う人は生活も切り詰めて、命を削りながら走っている人も少なくなく、レールから降りるタイミングを探している。タイムを出せなくなったら、それを理由に諦められるわけです。
そんな人に「筋トレすれば」と言っても、「いやいやもう無理」となるわけです。いろいろあるんですが、基本的にランナーの多くが筋トレが嫌いです。「筋トレしたい」のではなく「走りたい」なのですから当然ですよね。きっと得られる気持ちよさもまったく違いますし。
でもですよ、筋トレしないと無理なんです。そして筋トレすれば戻れるんです。速く走れるシューズなんて一時しのぎでしかありません。だったらやるしかないじゃないですか。速く走れる自分を諦めたくないなら(諦めたい人は降りていいと思います)。
練習なんて別に自由でいいんですけどね。他の人が走れようが走れまいが、私のランナー人生に何の影響もありませんし。ただ本当に悩んでいる人には教えたいだけなんです。週1〜2回の筋トレで30代の走力は取り戻せるということを。