東京マラソンは他のマラソン大会と何が違うのか【定員割れしないためにすべきこと】

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東京マラソンの当落でXが盛り上がっていましたが、よく考えたらこういうのってかなり久しぶりです。ゆっくりとではありますが、マラソン熱が戻ってきたのかもしれません。ただ、定員が埋まらない大会もまだまだ少なくなく、おそらく淘汰される大会も出てきます。

東京マラソンとそうでない大会はどこがどう違うのか。距離は同じ42.195kmで、東京マラソンの参加費は16,500円と決して安くはありません。でも東京マラソンは「走りたい」という気持ちにさせられる人が多いのも事実(私は1度走ったのでもういいかとなっていますが)。

どうやって東京マラソンがブランド化に成功したのかをきちんと分析する。定員割れするような大会は、そういうところからやっていかないといけないのでしょうが、マラソン大会で生計を立てているわけではないので、そこまで本気になれないのかもしれません。

自治体が主催している場合、経済効果などを算出し、メリットがあることを地域全体が共有して「地域を良くするために」の名のもとに開催するのご理想。でも、そこまでやっている大会は限られています。誰かがやると決めたから、業務としてやるだけ。

情熱がそこにあるかどうか。私はずっと「自治体のトップが走る大会はいい大会になる」と言ってきましたが、良い悪いは別としてトップがその気になれば、その下の人たちは神輿を担ぐしかないわけです。だから大会に関わるみんなが同じ方向を向けるわけです。

東京マラソンも石原慎太郎さんの情熱により始まり、その情熱を引き継いだ人がいるからいい大会になります。実際に乗り気でない人が都知事になったときは、東京マラソンでさえも迷走し、倍率もどんどん下がっていたように記憶しています。

これ以上は倍率を下げたくないというところでテコ入れが入り、東京マラソンは新コースを打ち出しました。私はこれも最初から計画に入っていたのではないかと思っています。10年を目安に人気が落ちてきたところで新コースに切り替える。

そして東京マラソンはもう1回、コースを変えることができます。それが国立競技場をゴールとしたコースで、東京オリンピックのマラソンが予定通り都内で開催されていたら、このコースが将来の東京マラソンのコースになったはずです。

あくまでも私の予測でしかありませんが、当たらずとも遠からずでしょう。問題はオリンピックのマラソンは札幌で開催され、パラリンピックのみ東京開催になったこと。しかもコロナ禍での開催でインパクトが弱いため、みんなの「走ってみたい」につながりにくいという。

でも、東京マラソンは迷走しながらも手を変え品を変え、ランナーに驚きや喜びを用意し続けています。だから何度でも走りたくなるわけで、「これまで通り」を続けている大会とは違います。そして今の東京マラソンは、きちんと稼ぐ意思を見せています。

税金を投入するけど、それに見合うだけの税収がある仕組みになっているはずです。マラソン大会は自治体がお金を出して、市民の健康促進のために開催する。マラソンブーム以前はそれで良かったのですが、もはやそういう時代ではなくなっています。

でも、いまだにその立ち位置から抜け出せない大会もあるのも事実。本気にならないと、情熱を持って取り組まないと人は集まらない。もう器を用意すれば人が集まる時代は終わったことを、マラソンに関わる人がしっかりと認識する必要があるのですが、簡単なことではないのも知っているので、これ以上は言いません。

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