ランナーは自分の練習量に見合った種目で挑戦したほうがいいと思う:挑戦と無謀は違う

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ランニングというのは、誰でも手軽に始めることができます。極論になりますが、シューズもウェアもなしで始めることができるので、やる気さえあればお金の有無や年齢に関係なく始められます。それなのに達成感や充実感も得られるのでコストパフォーマンスも優れています。

ただ、他のスポーツと同じく、本格的にやろうとするとそれなりにお金がかかります。最初はワークマンのシューズで満足していたのが、もっといいシューズが欲しくなり、レースのタイムにこだわるようになると3万円近い金額を出してシューズを買います。

マラソン大会だってお金がかかります。フルマラソンなら参加費が1.5万円を超えるものもあり、遠征するとなると航空券だけで3万円、宿泊に1万円かかるとして、トータルで5.5万円も使うことになります。他のスポーツで1試合にここまでお金がかかることはそうはありません。

ただ、何にお金をかけるかは個人の自由ですし、それで人生の満足度が上がるなら、まったく問題ありません。いや、満足度が上がらなくても構いませんが、私が気にしているのは、門戸が広くて始めやすいことで、十分な練習をせずにスタートラインに立つ人が多いということです。

今年の愛媛マラソンでは、15km過ぎで6時間のペースランナーの後ろを走っているランナーがいつも以上に多かった気がします。実際に完走率も90%を切っており、10人に1人がリタイアしたわけです。リタイアの理由はいろいろあると思いますが、ほとんどが練習不足ではないかと。

マラソンの良くないところは、参加費さえ払えば誰でも出られることにあります。参加資格はありますが、年齢と「◯時間以内に完走できること」みたいな曖昧なものになっていて、確認しようがありません。そもそも制限時間内に走れなくてもいいと思っている参加者はいません(NAHAマラソンを除き)。

一方でマラソンはとてもリスクの高いスポーツです。レース中に倒れることもありますし、何よりも走れば走るだけ寿命が縮みます。体に必要以上の負荷を加えているわけですから当然です。それが練習不足になるとさらに高負荷になります。

ただ、どれくらい練習すればいいのか、線引きが明確でないので、まったく足りていない人も、オーバートレーニングになる人も出てきます。線引きが明確でないというのは少し語弊があります。正確にはどれくらい練習すればいいのかはランナーごとに異なります。

現在の走力と目指すべきところ、体重、スポーツ経験の有無、確保できる練習時間、みんなそれぞれ異なります。だから明確にすることが難しいのですが、たとえば月間走行距離が100kmというのは、明らかに少ないと言えます。42.195kmを数時間で走らないといけないのに、1ヶ月で100kmはどう考えても不足です。

こう書くと「いや、自分は月間走行距離100kmでサブ3なんですが」みたいなことを言う人が出てきます。それは過去の貯蓄があるからで、10年それを続けてサブ3をしてから言ってくださいという話になります。それでもできてしまう人はいるんですが、そういう例外の兵はここでは除きます。

繰り返しになりますが、どれくらい走ればいいかは自分で判断するしかありません。ただ、走った距離に見合った結果しか得られないことはしっかり頭に入れておかなくてはいけません。練習時間を確保できるとかできないとかそういう話は、また別の問題です。

フルマラソンを歩かずに走り切れる走力を付けてからスタートラインに立ってもらいたい。私が言いたいのはそれだけです。クラブにボールを当てられないのにゴルフの大会に出る人はいませんよね?どうしてもフルマラソンを走りたいなら、タイムを縮めたいなら、それに見合った練習をすることです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次