裸足で走ることを「遠慮」した横浜マラソン。一時は欠場も考えたのだが最終的には出場の判断となった。そこで悩んだのは「何を履いて走るのか」ということだ。MERRELLのウルトラにしてもアディダスのジャパンブーストにしても、普通に走るだけになる。かといっていまのコンディションではベストは出せない。
それではビブラムにしようかと思ったのだが、わたしはビブラムだから走りにくいということもない。ひさしぶりに地下足袋を履くことも考えたが、地下足袋には合うものと合わないものがあり、それなりに履き慣れておく必要がある。そこで浮上したのが自宅用の足袋だ。
sousouさんの座敷足袋で、履き心地がとてもいい。スリッパ代わりに使うものなので、ソールも少しだけしっかり作られている。ところがあまり履いていない。冬に履くには冷たいし、その他の季節は裸足でいい。ちょっとタイミングを間違えれば「今日手放すもの」シリーズになっているとことだった。
いきなり、本番というわけにもいかないので、軽く4キロほどこの座敷足袋で走ってみたら、これが抜群にいい。ベアフット系シューズは世の中に数あれど、実際に裸足の感覚かと言われると疑問符がつく。ところが、この座敷足袋は完全に裸足と言っていい。裸足の感覚でそのうえ足裏に優しい。実際42.195kmが短く感じるほどいい走りが出来た。
裸足原理主義者というか、裸足こそ最高であるという人にしてみれば何を甘っちょろいことを言っているのだと怒るかもしれない。どんな状況であっても裸足であるべきだという人がいる。そこまで裸足に執着できることはそれはそれですごいことだが、わたしはジャパンブーストを買ってしまうぐらい軟弱な裸足ランナーなのだ。
それでもわたしは裸足で走ることが好きで、どんな距離でも裸足で走りたいという思いはある。そうでありながら、足裏を痛めて、フォームが崩れてまで裸足で走ることはわたしの理想ではない。どこまでも裸足でのフォームを継続して走り続けられることが最重要であり、裸足であるかどうかは実はそれほど大事ではない。
そのきれいな裸足のフォームというのはベアフット系シューズでは再現しきれない。ところが、座敷足袋ならきれいな裸足のフォームを維持しつつ、足裏の保護もしてくれる。理想とする裸足のフォームで長い距離を走ることができる。これこそ、ベアフットシューズのあるべき姿だろう。
問題はこのsousouさんの座敷足袋が3000円近くすることだ。そしてフルマラソン1回で完全に消耗してしまうということ。最悪のコストパフォーマンスだ。まずは数百円の足袋を試してみよう。40kmで500円なら1000km計算で12500円。そこそこのシューズの値段だが、決して悪くはない。
できることなら自分で足袋を作れるようになりたい。たぶん割高にはなるが、自分の好みの足袋を自分の手で作れるようになれるのは想像しただけで楽しい。人にプレゼントすることもできる。他の裸足ランナーがワラーチづくりをするようにわたしも足袋を作る。自分で作った足袋で自由に走り回りたい。
ようやくわたしなりのベアフットシューズに出会うことができた。足袋ならば普通のランニングシューズよりも速く走れるような気さえしている。これからの裸足シーズンを裸足と足袋で楽しむとしよう。
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