日曜日に開催されたNAHAマラソン。多くの人が「すばらしい」と感じている大会なのですが、本当に手放しで「すばらしい」と言い続けていいのか考えてみたいと思います。
参加ランナー3万人は多すぎではないか
走りながら感じた最大の問題はとても3万人規模のランナーが走れるコースではなかったということです。那覇市内の大きな道を走っている場合はまだいいのですが、郊外に出たときに2車線、そして1車線と道が狭くなります。
コースにアップダウンが多いため、走力のないランナーは必然的に上り坂は歩きます。前のランナーが歩くとそれを縫うようにして走るしか前に進むことができません。
関門は21.4km地点で3時間15分。最後尾のスタート時間ロスは30分。2時間45分で約半分の距離を走らなければリタイアになってしまいます。ペースにして5時間半です。そんなスピードで走れないから最後尾のJブロックにいるわけです。
縫うようにして走らなければいけない上に、最初の関門が実質かなり早い。どうやってもJブロックのランナーの半数は基本的に21.4kmの関門で回収されるようにできています。
3万人規模の大会を続けたいのであれば少なくても1車線道路はなくすべきです。そして1車線道路に私設エイドを設置しないように通達すべきです。エイドの人の壁を避けて車がガンガン走っている隣の車道に出て走るため、いつか事故になります。
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ゴミの問題は北海道マラソンと同じ
「北海道マラソン最大の問題?紙コップがのゴミについて考える」と同じ問題がNAHAマラソンでもあります。エイドの後、あまりにもゴミ箱が少なすぎます。紙コップやバナナの皮、その他ジェルの容器、全部道に捨てられています。
これに関しては私の考え方がおかしいのかもしれません。「ゴミはあとから拾えばいい」という発想なのだと思います。でもゴミを踏んで走ると滑りやすくなります。バナナの皮は漫画ではないですが本当に滑ります。
私設エイドでもきちんとゴミを回収しているところと、そうでないところがあります。意識の問題です。ランナーもゴミをそこらへんに捨てたいわけではないけど、ゴミ箱が見つからない。結果ゴミの山となったコース脇に捨ててしまう。
ランナーの意識の改善、運営側の意識の改善がなければゴミの問題はいつまでも解決しないでしょう。もっとも解決させるつもりもないのかもしれませんが。
公設エイドと私設エイドの関係はこれでいいのか
NAHAマラソンの魅力は私設エイドの豊富さです。これは本当にすばらしい。「公設エイドいらないよね」の声も聞こえてきます。でもちょっと待って下さい。公設エイドこの状態でいいのでしょうか?
公設エイドでは水とスポンジ、バナナそしてエアサロンパスが提供されます。給水は5kmごとになります。これ少なすぎませんか?わたしは後方を走っていたのですが、後方のランナーが通過するころには私設エイドのコップがなくなり給水できません。
数キロ先の公設エイドの給水まで頑張るしかないのですが気温は20度近くあり、なおかつ走力が足りていないのです。雨が降ったからいいものの、晴れていたら熱中症になるランナーがかなり発生したでしょう。
給食に関しては完全に私設エイドに頼っています。この関係をすばらしいと考えるか、甘え過ぎと考えるかは人によるのかもしれませんが、マラソン大会の運営としてはどうなのでしょう。
私設エイドは応援する人たちの誇りであり楽しみでもあるのである日突然なくなることはないでしょうが、この大会に私設エイドがなかったらと思うとぞっとします。
会場内の動線の悪さと雨への準備不足
ゴール後に荷物を取りに戻るための動線が確保されていません。運動公園内を走ってから競技場に入るコース設定のため、運動公園内は左右に分断される形になります。
何度も出ている人ならばどこに荷物を置くべきなのかがわかりますが、かなりのランナーが自分の荷物にたどり着けない状態が発生していました。応援に来ている人が多すぎて通路がふさがり、会場を大回りして荷物の場所に来たと思ったら横断する手段がないわけです。
そしてかなりの強さの雨でしたが、完走証は紙のまま手渡されます。ほとんどの人は競技場から遠いところに荷物を置いているのでせっかくの完走証はずぶ濡れです。
万事「ランナーが自分自身でしっかり準備べき」というスタンスなのでしょう。公設エイドの少なさも同じ理由からでしょう。ただその部分が見えにくくなっているのが一番の問題ではないかと思います。
NAHAマラソンはどうあるべきなのか
NAHAマラソンの完走率は68.69%です。完走率が7割程度なのは毎年のことです。それでも非常に低い数字だとわたしは感じています。一般的なフルマラソンの完走率は9割程度はあります。
コースも国内屈指の難コースです。よほどの走力がない限りどうやってもJブロックのブロックのランナーは完走できない設定になっています。このことはもっと周知されるべきことではないでしょうか。
すばらしい私設エイドと沿道の声援ばかりが注目されますが、それらを削ぎ落として考えたときにNAHAマラソンの手放しで「すばらしい」とは言えない姿が見えてきます。
もちろん私設エイドと沿道の声援がそれらをすべて吹き飛ばすだけの力があるのも事実です。個性的でやはり「すばらしい」大会ですが、さらに良くなる余地はまだまだ残っているように感じています。
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