もの申すわけではありませんが、マラソンのオリンピック選考がさすがに「どうでもいい」とは思えない状況になっています。小さなメディアですが、わたしの考えをお伝えします。
まず女子ですが、福士さんの問題。
すべての問題は 陸連の麻場一徳強化委員長の「名古屋に出るのは避けてもらいたい」一言です。これがなければもう少しまともな状況になっていました。
福士「この記録なら内定でしょ」
陸連「そうは言ってもルール上内定は出せない」
福士「じゃあ名古屋ウイメンズマラソンも出る」
陸連「そういうハングリーなところは評価する」
これで丸く収まった話。
内定出せないは筋がルール上通りますが、福士さんが名古屋ウイメンズマラソンに出るというのも「内定」していないから筋が通ります。
両方が決められたルールの中で動けばいいだけなのに、麻場さんが筋が通らない一言を言ったことだけが余計です。
男子はもうめちゃくちゃです。選考基準に達していない場合は、3枠使わないかもしれないと言い出しました。潔いと言われるか馬鹿だと言われるかは紙一重ですが、そもそもオリンピックってなんだ?という議論が抜けています。
「勝てる選手でなければ出さない」
これが陸連の言っていること。でもオリンピックでは日本に3枠を与えてくれていて、日本で3番目に強い選手までが出場することが出来る。これがオリンピックです。
なぜ、勝てないなら出さないのか?
猫ひろしのいるカンボジアなどの入賞も難しい国の存在意義はどうなるのでしょう?
青学大の監督が「2枠しか使わないなら1枠を育成枠で」と言うのもわかります。オリンピックの理念を広く解釈するなら、若手育成というのはむしろ理念に沿うものです。
「オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、 人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。」
その理念を忘れて「勝てないから出さない」では2016年のオリンピックを開催するに値しません。
いまの日本の男子マラソンでは、良くて入賞というのが精一杯のところ。メダル争いなんてとんでもないというぐらい世界のトップと力差があります。
そこにきて設定タイムが2時間6分30秒。この記録を超えた日本人は過去に1人、高岡寿成さんだけです。
選考レースは2回以上出ると、1回目の記録を選考対象とするため、例えばびわ湖マラソンで川内さんが2時間6分31秒で勝っても選ばれないわけです。
陸連はいったい何をしたいのでしょう?
オリンピックの理念を忘れて、勝つことだけしか考えず、それでも現実的には入賞すら厳しい。
もう一度基本に戻るべきです。どうすれば日本のトップ3を決めることが出来るのか。選考基準をもっとシンプルにしたほうがいい。
1.1年間で最も速いタイムを出した選手
2.選考レースを1レースとしてそこで日本人1位になった選手
3.陸連が推薦する選手
これでどうでしょう?
陸連が推薦する選手というのが引っかかりますが、陸連には説明責任が発生します。メディア的にもワクワク感があって盛り上がる気もします。
あとは1と2が重なったときのことだけ考えておけばいいわけです。
まぁこれが採用されることはないでしょうが、選考方法についてランナーそれぞれが語れるようになると、面白いかなと思って提案してみました。
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