痛みについて学んでたら、たどり着いたのは呼吸について。当然といえば当然ですが、ランニングと呼吸という話になると一気に話がややこしくなります。
なぜなら、ランニング中の呼吸に関して誰も正解を知らないから。
力を入れるときに息を吐く
人間の体の仕組みとして、吐く息に合わせて力を入れると力が最大限に発揮されます。息を吸いながらだったり、止めながらだとすべての力を上手に伝えることができません。
これはずいぶん前からなんとなく理解してて、旅ランなんかの後半に走れなくなったときは、「吸って、吸って、吐いて、吐いて」の呼吸に合わせて四拍子で走っていました。
「吐いて」のタイミングで前に進むイメージをすると効率よく体が動いてくれます。「吸って」のタイミングは休憩。四拍子のあいだに休憩と前進を入れるのです。
この力を入れるときに息を吐くはあらゆるスポーツで応用できるのですが、どうもランニングだけは相性が悪い。というよりは、この視点で考えたときにランニングの特異性が見えてきます。
ランニングと呼吸はシンクロできない
力を入れるときに息を吐くのがもっとも効率よく力を伝達する方法ですので、ランニングにおいては着地の瞬間に息を吐けば、そこから筋肉の圧縮が始まって、地面に力を伝えるのでベストなはずです。
当然そんなことはできません。
ランニング中は1分間に160回〜200回足を動かします。1分間に160回以上も呼吸できればいいのですが、そんなこと出来るのはロシアの格闘技システマを習った人ぐらいじゃないでしょうか。
だからランニング中は「吸って、吸って、吐いて、吐いて」の四拍子だったり、「吸って、吐いて」の二拍子だったりと人それぞれになります。
どうしても吐くときも地面に力を伝えなくてはいけない。
「力を伝えるときに息を吐かなければいけない」これがランニングというスポーツの特異性であり、もしかしたら「疲労の原因」のひとつのような気がします。
いま頭に入れてほしいことは、力の伝達は息を吐くときに行うべきだけど、ランニングは息を吸うときにも力の伝達をしなければいけないということです。
息を吐くときは肩甲骨の可動域が広がる
結局ランニング中の呼吸は自然にするのがいまのところ正解な気がしますが、息を吐くときに力が伝わりやすいということを意識すると走りを少し変化させられるかもしれません。
ピラティスや体幹トレーニングをしている人はわかると思いますが、人間の体が息を吐いた状態のほうが安定します。息を吸うと少し緩みます。緩むと表現するよりはブレやすくなるというほうが適切でしょうか。
緩むという意味では体が安定したほうが、例えば肩甲骨周りなどは緩んで動きやすくなります。
息を吸いながら肩甲骨を動かすのと、息を吐きながら肩甲骨を動かす比較してみてください。体幹がしっかりしていれば、可動域の違いがはっきり分かるはずです。
息を吸ったり、息を止めたりすると肩甲骨の可動域が狭くなります。ほんの数ミリの違いかもしれませんが、可動域部での数ミリは四肢の先では大きな違いになってきます。
肩甲骨と骨盤が連動していることはこれまでに何度も伝えてきましたが、肩甲骨が動きを阻害されると足の動きも変わってきます。
ランニングは、可動域を広げたり狭めたりを無意識のうちに何度もしていることになります。
息を吸うときに動きを小さく、息を吐くときに動くを大きく
結局のところ、いま言えるのは「息を吸うとき動くを小さく、息を吐くときに動くを大きく」ぐらいです。イメージとしては「息を吐くときに前に進む」「息を吸うときは慣性で進む」という感覚。
これに対する実験は、飛騨高山ウルトラマラソンと来週の24時間マラソンで行ってみようと思います。
ぶっつけ本番に近いのですが、理論的には合っているはずなので、あとは体がそれに馴染んでくれるかどうかということになります。
もっとも吸うときと吐くときの動きの差なんてほんの数%しかないはずなので、意識できるかできないかだけの違いでしかありません。
でもこの意識で筋肉の疲労が少しでも遅くなるならやる価値はあります。
そしてこれとは別に、本当に理想の呼吸法についての試行錯誤も行います。呼吸と脳波は密接な関係にあります。ということはやっぱり痛みの感情に影響を与えるわけで・・・
ちなみにアルファ波を出したいときの呼吸は1分間に15回前後だとか。これもどこかで取り入れてみたい。
こうやってどんどん体の仕組みの深みにハマっていくわけです。
ただはっきりしているのは、ランニングの呼吸はもっと深く考えるべきだし、呼吸法を大切にすれば必ず走りは変わるということ。
正解はないのかもしれませんが、長く走り続けられるための呼吸をこれから追求していきます。
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