ランニングやマラソンに体幹トレーニングが大切な本当の理由

昨日、ピラティスをしたばかりなのに、24時間も経過せずに腹筋背筋ともにとんでもない筋肉痛になっています。普段からそれなりに体幹トを鍛えているつもりなのに、ピラティスはやはり素晴らしい。

ピラティスは体幹を整えるためのトレーニングで、青山学院大学の駅伝チームが体幹トレーニングを取り入れて箱根駅伝を圧勝した結果、「体幹トレーニングって大事」となり、走ることと体幹の関係が注目されています。

ただ何年も前から金哲彦さんが、「体幹ランニング」を提唱していますが、実際のところ「体幹」の重要性を理解できている人がとても少ないかもしれません。そこでここではマラソンにおける体幹トレーニングの重要性について解説していきます。

[adchord]

目次

体幹を整えることでブレのない走りができるようになる

体幹に関してはいろいろあるのですが、結局のところ「走りが安定する」ことが最大のメリットではないかなとわたしは感じています。

無駄な上下動もなく、肩甲骨の動きと骨盤の動きが無駄なく連動する。すべての無駄がないから、全体の動きは小さくて済むからエネルギーロスも少なくなります。

じゃあ体幹だけ整えておけばフルマラソンを良いタイムで走れるかというとそういういわけではなく、ちゃんと持久力も高めておかなくては、いくらしっかりとした体幹があっても宝の持ち腐れです。

裸足が万能ではないのと同じように、体幹も万能ではありません。

ここがまず多くの人が誤解するところで、ランニングには体幹は重要ですがもっと大事なのは42.195kmを走り抜くだけの持久力です。

フルマラソンにしてもウルトラマラソンにしてもトレランにしても「走りきれる」ことは体幹とは別問題(正確には別問題では無いのですが)で、走りを少しでも楽にしてくれるのが体幹トレーニングです。

ただ動きを真似るだけでは体幹は整わない

青山学院大学の練習風景だけみて、見よう見まねで体幹トレーニングを始めてもまずほとんどの人が失敗します。体幹トレーニングのDVDなどを見て学んでも同じです。当然YouTubeなどの動画も同じ。

ピラティスの動きひとつとっても同じ動きなのに意識の違いで、体幹となるインナーマッスル(内側の筋肉)ではなくアウターマッスル(外側の筋肉)を鍛えてしまうことが多々あります。

そしてきちんとインナーマッスルに対する働きかけを学んでいない人は、アウターマッスルの意識しかないため、体幹トレーニングのつもりがアウターのトレーニングになってしまいます。

体幹トレーニングでよくある、きつい姿勢をキープするような動きのとき、本当はコアブロックと呼ばれるインナーマッスルで支えるためのトレーニングなのに、アウターマッスルで支えてしまう。

筋力があればあるほどこの傾向にあります。わたしも何年もピラティスをしていますが、いまだにアウターマッスルに頼ってしまう癖が抜けません。

このためコアブロックに働きかけるピラティスや体幹トレーニングは、きちんとしたトレーナーにチェックしてもらいながら行う必要があります。

よくスポーツクラブのメニューにピラティスや体幹トレーニングがありますが、正直あれはダメです(断言してすみません)。大人数でのレッスンの場合には、どうしても1人1人に目が行き届かないので、何のためにお金を払ってレッスンを受けているのかわかりません。

別にインストラクターさんが悪いわけではなく、一度の何十人もチェックなんて物理的に不可能なんです。動きが気になる人のチェックをしてたらトレーニングがまったく進まなくなります。

だからスポーツクラブでは、ピラティスの動きやちょっとしたコツを口頭で教えるだけで終わってしまいます。勘の良い人はそれでなんとかなりますが、そんな人は全体の1割以下かと。

きっとほとんどの人はアウターマッスルのトレーニングになってしまうでしょう。体幹トレーニングはマンツーマンが基本です。多くても一緒にレッスンを受けるなら5人ぐらいまでがいいところです。

[adchord]

結局インナーマッスルや体幹ってなんなのさ

ちなみにインナーマッスルは体をあるべき姿に整える筋肉で、アウターマッスルはダイナミックな動きをするための筋肉です。

インナーマッスルというとお腹周りばかり注目されますが、インナーマッスルは足にも腕にもあります。人間の体はインナーマッスルとアウターマッスルの両方を使えて初めて本来の力を発揮できます。

農家の人のように力仕事が日常にある人は、別にピラティスだの体幹トレーニングだのする必要はなく、その生活の中で体幹は勝手に整えられます。

インナーマッスルが弱いのは現代病。重いものも持たないし、運動もしないどころか歩きもしない。だからどんどん筋肉が弱っていきます。それはインナーマッスルだけではなくアウターマッスルも。

別にいいんですよ、現代はそれで生きていけますから。

でも筋肉がないとケガをしやすくなります。いや筋肉がないのに筋肉が必要な動きをするからケガをします。社会人なら年に数回、重い荷物を持たなきゃいけないとき、子供の運動会なんかでちょっとダッシュしなきゃいけないときがありますよね。

そういう年に数回あるかないかのときに、人間本来の筋力を失っている人はケガをします。

ケガをしないためにみんなトレーニングをするのですが、本来は最初のステップとして体幹をしっかりさせるところから入らなくてはいけないのに、その部分をすっ飛ばしているケースがほとんどです。

体幹は家で言えば土台です。基礎です。これがしっかりしてないのにトレーニングを積んでも、動きに無駄が多く、ケガもしやすくなります。

長々と書いてきましたが、これが答え。わたしがどうしても伝えたいこと。

体幹を整えずに走ることは基礎のない家を建てること

ランニングに限ったことではありませんが、体幹をしっかり意識して運動できないと、アウターマッスルばかりどんどん鍛えられていきます。あらゆる動きをアウターマッスルに依存させます。

その結果、可動域を超えてアウターマッスルを使ってしまいケガをする。家は基礎があるからしっかりしているのであって、基礎がなければちょっとした地震でも壊れてしまいます。人間の体も同じです。

きちんとしたトレーナーに体幹を整えるトレーニングをつけてもらい、走りの最中でも体幹がわかるようになって初めてそこから距離を踏む。現実的であるかどうかは別として、現代人にはこれが理想。

でもみんなはランニングをしたいのであって、体幹を整えたいのではないからすぐに走りだしてしまいます。

このままじゃいけないと感じた一部の人だけが、そのあと体の使い方を意識し始めて、体幹を整える練習に取り組みますが、順序が逆です。

多くの場合、体幹トレーニングを補強運動として行っていますが、体幹トレーニングは補強ではなくメインの基礎づくりです。ボールの握り方もわからずに野球をしても上達しませんし、ボールの蹴り方を知らずにサッカーは上達しません。

同じように体幹の意識がないままに運動しても、間違った動きを身につけることになります。

まぁ間違った動きを身につけてもなんとかしてしまうのが人間の適応力の高さなのですが、いずれどこかで破綻することになります。実際にランナーの多くがケガを抱えているわけですから。

梅雨で思うようにトレーニングもできないことですし、このあとは夏で日中の練習ができません。思い切って7月はコアブロック強化月間にしてみませんか?

幸い今は体幹を意識したランニングのトレーニングを教えてくれるランニングクラブもいくつかありますし、大都市周辺には少人数制のピラティススタジオがいくつもあります。

ケガがちなランナーさんは、まず体の基礎作りから見なおしてもらいたい。これ以上ケガをしないために。ランニングやマラソンをもっと楽しむために。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次