台湾で感じられた豊かさとわたしたちが学ぶべきこと

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母親と叔母と一緒に2泊3日の台北旅行に行ってきました。「美味しいものを食べたい」要望はこれだけですが、ずっと食べ続けるわけにもいきませんので、もちろん観光もしています。

台湾を訪問するのはおそらく6回目。定番の観光スポットも周りましたが、単独ではなかなか行くことのなかった場所も訪れています。

台北101や猫空、台湾総督府にも初めて入りました。

定番すぎる場所ではあるものの、いつも混雑しているイメージがあり、これまではなかなか行こうとはしなかった場所です。平日ということもあり、いずれも人は少なめで全体的に落ち着いた雰囲気の中で過ごせたように思えます。

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今回は初めての台湾という叔母と、何十年ぶりかの台湾という母がいたため、これまでとは違った視点で台湾の人たちを見ることができました。

人にもよるとは思いますが、台湾の人たちはいつも落ち着いている。そんな印象を強く受けました。もちろんこれまでも感じていたことですが、今回はそれを強く感じます。

例えば観光地に行っても、それほどしつこく物売りをしようとする人はいません。「もうひと押しすればいいのに」というようなところで、さっと引いてしまう姿を何度も見かけました。

自分が儲けることよりも、相手を不快にさせてはいけない。そういう気持ちが強いのかもしれません。

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あまり儲けたいという気持ちも感じません。1日3回の食事を楽しむことができ、休みに趣味の合う仲間と笑い合うことができればそれで十分。それに加えて年に1回日本に行ければ理想。

それ以上に稼ごうという意欲がないように感じます。

ただ、それは悪いことではなく、日本のようにストレス社会を上手に回避しているように思えます。通勤時間にみんながイライラしているように感じる日本。決して明るい顔をしているわけではないのですが、どこか余裕があるように感じられる台湾。

実際に豊かなのはどちらでしょう?

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台湾人の収入は日本の半分くらいです。台北の場合は、物価が日本の半分とはいきません。スタバもマクドナルドも吉野家も成立するくらい物価は高めです。ちなみにくら寿司の1皿は日本の1.6倍です。

収入は半分くらいですが、夫婦の場合は共働きですので金銭的には思ったよりも余裕があります。ただし、3食外食という家庭も珍しくありません。

そういう意味では日本の生活レベルとほとんど変わらないのが台北です。ところが、台湾の人たちからは日本人の感じている仕事のストレスなどを感じません。

思わぬことが起きても笑って許せる懐の深さがあり、困った人がいれば当たり前のように手を差し伸べる文化が根付いています。それもかなり自然な感じで手を差し伸べます。

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地下鉄に乗っているときに、女性がスターバックスで購入したコーヒーをこぼしてしまったのですが、そこに居合わせた人は、自分の手持ちのティッシュでこぼれたコーヒーが広がらないようにしたり、後から乗車した人に「気をつけて」と声を掛けたりしていました。

そういうことは「日本人らしさ」としてかつての日本に根付いていましたが、いまの日本でそんなことはまずありえません。ほとんどの人が見て見ぬふりをしてやり過ごすのを簡単にイメージできますよね。

台湾はよく「日本よりも日本らしい」と表現されることがありますが、そろそろ「さすが台湾」と表現されるべきだと、わたしは思います。

台北101の展望台に上るときに、ちょうど日本の修学旅行と一緒になったのですが、海外旅行ということもあって、その高校生の団体がテンションが上りすぎて、他の人たちに迷惑になるくらいの騒がしい状態になっていました。

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若いので仕方がないとは思いますが、それをコントロールしようとしない先生。そこに、台湾の人たちが知っている礼儀正しい日本人の姿はありませんでした。

いま、日本ではこれまで以上の台湾ブームが起こっていますが、日本人が台湾に来ることで、日本人に対する悪いイメージがついてしまうのではないかと心配になります。

そんな傍若無人な日本人に対しても、笑顔で接してくれる台湾の人たち。

日本人は心のどこかで自分たちを優れた民族だと思いこんでいますが、実際のところ日本人が優れている部分なんてほとんどありません。お金だけあって、心の豊かさという意味では疑問符がつきます。

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台湾の人たちのすべてが優れているとは言いませんが、日本人が学ぶべきことがたくさんあります。

そういうことを、台湾ブームの今だからこそ多くの人に気づいてもらいたいなと思います。お互いがリスペクトし合える関係。お互いのいいところを参考にしあえる関係が理想です。

日本でも最近は「働き方改革」のようなものが言われていますが、なぜか仕事の時間を減らすことばかり注目され、そのための効率化ばかりが問われます。

でも本当に目指すのは効率的に働くことではなく、もっと仕事のスピードを落とすこと、急いで結果を出すことだけを評価する状態から脱却することです。

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ただ、それは日本という国にいるだけでは気づかないことです。台湾のスピード感を肌で感じることで、初めてそういう生き方もいいのではないかと感じられることです。

そういう意味では、多くの人が台湾を訪れて、かつて日本だった国をしっかりと感じてもらいたいと思います。

毎日が面白くないという人や、自分の人生がこのままでいいのかと悩んでいる人は、1週間くらいのんびりと台湾で過ごしてみませんか?自分の知っているものとは違う豊かさを見つけられるかもしれません。


台湾で日本を見っけ旅 ガイド本には載らない歴史さんぽ
著者:おがた ちえ
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