昨日はアシックスのランニングシューズの発表があり、久しぶりに取材で都内へ。ランニング系で試走もできるイベントはいつぶりでしょうか。もし1週間ズレてたら中止になっていたかもしれません。シューズについてはRUNNING STREET 365に書くとして、前々から試走イベントで思っていたことをお話ししようかと。
いつも言ってることなんですが、ランニングシューズには最適な走り方があります。特にコンピュータで解析して開発された系のシューズは「こう走って欲しい」というものがあります。ある程度の走り方の幅を持たせてはいますが、最適解というのがあり、シューズごとに設定されたスイートスポットを使って走るのが1番シューズのポテンシャルを引き出せます。
なぜこのスイートスポットを試走会で説明しないのかというのが私の疑問。それをしなかったら、試走する人は好き勝手に走ります。いつもの走り方をしてしまいます。今回発表のあったシューズはがっつり踵着地のシューズです。そんなことはシューズデザインを見れば、ランニングに携わる人なら誰だってわかりそうなものです。
でも試走会に来ているメディアの方の多くがフォアフットで走っています。フォアフットを否定しているわけではありませんが、これでは開発者が報われません。ちゃんと踵から着地するシューズだと伝えれば、このシューズの素晴らしさや楽しさが伝わるのに、なぜメーカー側はそれをしないのか。
これはどのメーカーでも同じです。あるメーカーにいたっては、明らかに踵着地もしくはミッドフット用のシューズで開発者もそう言っているのに、試走会で「フォアフットで走ってください」と言っていて、訳の分からない試走会になっていました。当然メディアではフォアフットで走るシューズとして紹介される訳です。
それを多くのランナーが読むわけです。一般のランナーは試走ができないので、その記事を信じるしかありません。メディアってなんなんだろうと疑問を持ちそうになりますが、まぁこういうところで憂さ晴らしをして心の平衡を保っています。既存のメディアもYouTuberも、メーカーの謳い文句に従って情報発信しているだけ。これがメディアの現実です。
自分で感じて、自分で考え記事にするなんてやっていたら納期に間に合わないのでプレスリリースのコピペ記事を書く。それって本当に求められるものなのかな?そして読み手はそれを理解しているのかな?たくさんの情報を手軽に入手できる時代になりましたが、情報の質が年々薄っぺらくなっていく気がします。
もっともそういう状態だがらこそ、RUNNING STREET 365がメディアという立ち位置を与えられたわけで、面白いと思ってくれる人たちが、チャンスを与えてくれる訳です。普通に考えてみてください。個人がやっているブログにメーカーが発表会や試走会に来てくださいと言ってくれるのは普通ではありません。
でも、逆に考えればどんな分野であっても、独自の視点で忖度することなく情報発信をしていれば、見つけてくれる人が必ずいるわけです。私だからできたわけではなく、きっとどの業界にもRUNNING STREET 365のような個人サイトがあって情報発信しています。そしてすべての人にチャンスがあります。今はそういう時代です。
誰もが情報発信できる時代なのに、実際にやっている人は少数派。文章を書くのが下手ならYouTubeでいい。InstagramでもTikTokでもいいんです。やれることはいくらでもあります。もちろん、そんな面倒なことをしても稼げるわけではありません。私の場合、玄関からランニングシューズが溢れるだけです。
でも世界が広がります。これまで見えなかった景色が広がって、予想できない未来も待っています。めちゃくちゃ楽しいですよ。無理にやれとは言いませんが。ただ、自分の視点で発信するには、他の人が言っていることを信じないひねくれた心が必要になります。これはいいことばかりではありません。
物事を斜めから見るから、何かを素直に受け入れることができず、周りからは面倒な人と思われます。やっぱり、自分の言葉で、自分の視点で情報発信なんてしない方がいいかもしれません。心穏やかに、周りとの調和を考えて生きていくなら。私はもうそこは諦めたので、このまま突き進みますけどね。
ただ、メディアの情報なんて信じない方がいいですよというお話。もちろん私の発信する情報も含めて。
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