自分の言葉で文章を書くためにライターが普段からすべきこと

アシックスの新作発表会に行ってきました。これがなければ富山をもっと満喫できたのにとか、そういうことは言いません。ちょっとだけ残念だなと思うだけで。目的は発表会ではなく、その後に行われる試走会。実際に履いて走れるのはとても重要なんです。

発表会は基本的にプレスリリースに書かれている情報を口頭で説明するだけなので、よほどひどいプレスリリースでない限り、記事にするのは難しくありません。無意味だとは思いませんが、「これ必要だった?」となる発表会があるのも事実です。

ただ、それはRUNNING STREET 365のスタンスにおいてそう感じるだけで、たとえばテレビなどのメディアにとっては意味のある発表会だったりします。もちろん逆もあるはずです。何を伝えたいかはメディアごとに違うので、とにかく会場に行ってみることが大切です。

そもそもRUNNING STREET 365みたいな小さなメディアを呼んでくれるだけでもありがたいこと。ただ、気持ちは最初から「早く走りたい」モード。なんせ、かなり気持ちの入った一足だったのは事前にわかっていたので、説明よりも先に感じたいわけです。

あと、メーカーの説明が必ずしも正しいというわけでもなく、説明をまともに聞いていると、正しくない情報に惑わされてしまうことがあります。メーカーにはそれぞれ販売戦略があり、売りたいときの謳い文句もそれに準じたものになります。

軽くもないシューズを「軽い」として売ることもあれば、売れなかったモデルを「大人気」とすることもあります。それをそのまま記事にすると、読者の信用を失うことになります。だから私は、実際に触れること、使ってみることを大切にしているわけです。

ただ、自分の言葉で書こうとすると、それは本当に合っているのか?と不安になることがよくあります。メーカーの発表と違うことを書くのはかなり勇気がいります。でもそれがやらなくてもいい理由にはなりません。無難なことだけを書いて存在感を出せるほどこの業界は甘くありません。

もっとも自分の感覚に対して自信もあります。少なくともこれまで8年間はそれをやってきて、大きくこけたことはありません。自分が感じたことをそのまま記事にして、むしろその独自の視点を評価してもらってきました。だから間違うわけがないという自信もあります。

昨日の試走でも2種類のシューズがまったく違った性格をしていると感じ、それをそのまま記事にしました。そこそこいい表現ができた気がします。この1年の経験が、私の書く文章に良い影響を与えているのかもしれません、つかえる言葉の数が随分と増えました。

自分の言葉で伝えるときには、どれだけ幅広い表現力を持っているかが問われ、表現力をつけるには、普段からさまざまな物事に触れていなくてはいけません。たとえば映画なんかもそうですし、音楽なんかも表現力に影響します。

インプットのない状態で行うアウトプットは内容が薄くなります。昨年のRUNNING STREET 365がまさにそれで、途中からアウトプットが難しくなり、現場に足を運べてないのもあって、書く文章が毒にも薬にもならないものばかり。それでは誰も喜んでくれません。

2月はたくさんの取材に行き、仕事以外でも新しいものに触れて、やっと自分自身の充電が完了した気がします。ここから、どんどん自分の言葉で発信していくつもりです。そして読者を取り戻すこと。ただ半年はかかると思いますので、飛ばしすぎないように気をつけます。

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