
少し大きな案件の初稿を提出し、ようやくひと息つくことができました。もうひとつ納期が近い案件を終われば、久しぶりにUberEats配達生活に戻りそうです。ただ、RUNNING STREET 365に対してメーカーから商品紹介記事の依頼を受けているのと、ワークマンから依頼されている案件があり、もうしばらくはのんびりとはいかなさそうです。
6年前に始めたばかりのライティング業ですが、不思議なもので素人でもライターの端くれとしてなんとかやっており、きちんとライティングの基礎を学んでいないのが、自分の武器となっているように感じます。そうなると上手な文章とはなんだろうかと思うことも増えるわけです。自分なりの考え方をアウトプットしておこうかなと。
日本語を伝わりやすく翻訳する
私はウェブライティングの仕事をメインに請けていますが、基本的に書いたものに対して赤が入ることはありません。依頼を請けたものを書いて納品したらそこで終わり。これはウェブライティングの世界では珍しいことのようで、誤字脱字が多いという自覚はありますが、そこ以外にはそれほど問題がない文章になっているのでしょう。
ウェブライティングというのは、すでに世の中に出回っている情報をまとめて文章にします。そういう仕事をしていると、世の中にある文章がいかに分かりにくくなっているのかを実感します。きちんと教育を受けたプロの文章なら、問題なく頭に入ってきますが、ウェブの世界の情報は私のような物書きの素人が書いているから、読んでも理解できない文章になりがち。
それを誰が読んでもわかるように、翻訳するのが私の仕事だと思っています。だから難しい言葉を使うこともありません。私は昔から物書きとして語彙力が極端に少ないのですが、ウェブライティングの場合それが伝わりやすさになり、重宝されているようです。
逆に語彙力が少ないので表現の幅がとても少ないという弱点があります。これは小説に手を出さない理由。逆に小説に手を出さないから語彙力が上がらないとも考えられますが。ただ、同じ物書きでもウェブライティングと小説では求められる能力がまったく違います。ライターでない人はこの違いがあまり理解できないかもしれません。
思いがこもっていない文章がバズることはない
私がウェブライティングで書いている文章がバズることはありません。RUNNING STREET 365で商品紹介する記事も基本的にはバズりません。私が書いた記事でランニング業界で広まったものはすべて、魂で書いた文章です。これもウェブライティングの技法とはまったく違います。
バズる文章は読みやすくすることなんて考えていません。とにかく伝えたいことをそのばまキーボードから打ち込むだけ。言葉は自然と思い浮かんで、勝手に文字数が増えていきます。もちろんそれは私のケースであって、他の人はまた違ったバズり方をするのでしょう。
今回初稿を出した案件は思いをこめて書きましたが、自分のサイト用ではないのでどこまで反響があるかわわかりませんが、クライアントからは希望通りの仕上がりだと言ってもらえたので、きっとそれなりに読んでもらえるはずです。即効性がある記事ではないので、バズることはないかとは思いますが。
私はこの思いを込めて書くというのも、他のライターよりは得意なのかもしれません。ただし、思いをこめて書くというのは、思いを込めたくなる対象があってのこと。自分の心が動かされたときに書けるものなので、他力本願なところも多々あります。ただRUNNING STREET 365がそれなりに読まれているのも、小さな記事にも自分なりの思いをのせているからだと思っています。
何が伝わっていないかを想像する能力
誰かに文章の書き方を学んだわけではないので、私の文章はスマートさがありません。野暮ったいと表現するのがしっくりくるような気がします。野暮ったいけど伝わりやすいからなんとか読める。そして視点がいつもちょっとだけズレているので、なんとなく他の人との差別化ができているというのが自分の客観的な評価。
おそらくこの根っこの部分はこれからも変わることがないのでしょう。もし何かが変わるとすれば、テンポのいい文章になるくらい。野暮ったいけどテンポがよくて伝わりやすい。ニーズがあるかどうかはともかくとして、唯一無二に近い存在なのかなと。ライターは星の数ほどいますので、もしかしたら同じ匂いがする人もいると思いますが。
まともなライティングの教育を受けている人は別として、私のように素人からライターになるというのであれば、さらに「この表現だと相手に伝わらないかもしれない」という感覚を持つことも大切です。「この言葉のチョイスだと誤解を生じる」という感覚がないと、伝わりやすい文章を書くことはできません。
ではそれはどうすれば身につくのか。こればっかりは私にも分かりません。会社員時代からそういう能力があったので、ライティングとはまた違ったところで身につけるものだとは思います。ただ、その感覚を身につけることができれば、きっと誰でもライターとしてやっていける気がします。保証はしませんが。
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