ランニングシューズには取扱説明書が必要だと思う

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先日、ナイキのランニングシューズ「ナイキ エア ズーム ペガサス 35」を履きました。これ以外にもランニングシューズのレビューをしている関係で、様々なランニングシューズを履いています。

ナイキ エア ズーム ペガサス 35を履いてみて思ったのは、ランニングシューズには取扱説明書が必要なのではないかということです。ナイキが最近発売しているシューズの多くが走り方を選びます。

でもそんなことは開発者がインタビューなどで少し語るだけで、ナイキやアディダスといった海外メーカーのランニングシューズはそのコンセプトすらわからないことがあります。

一般的にランニングシューズはどんな走りにも合うということはありません。踵着地を想定して作られたランニングシューズではフォアフットをするのが難しく、反対にフォアフットシューズは踵着地ができません。

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ほとんどのランニングシューズにスイートスポットがあり、そこで着地したときに最高のパフォーマンスが発揮できるように作られています。

でも、そんなことは誰も語りませんし、もちろん商品説明にも記載されていません。親切なシューズならフォアフット向けなのか踵着地向けなのか情報を出していますが、お店に並んだ状態で判断することはできません。

これでは最適なランニングシューズを選ぶことはできませんし、最高のパフォーマンスを引き出すどころか、シューズが走りを阻害する可能性があります。

そうならないために専門店があり、そこにスタッフが居るわけですので、いろいろ教えてもらいながらシューズを選べばいいのですが、週末にもなるとスタッフも忙しくて応対しきれないこともあります。

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そういう状態で購入しても、取扱説明書があればシューズにあった走り方ができます。

ただ、これはシューズに走りを合わせるという考え方があるからそういう発想になるのであって、おそらくほとんどのランナーさんは自分の走りに合うシューズが欲しいわけです。

ランニングシューズは決して安い買い物ではありませんので、失敗したくない。だからトップランナーの多くが、同じシューズを履くか、その後継バージョンを選びます。少なくとも今と同じように走れれば問題ないという考え方です。

でも、根本的に今のシューズが本当に合っているかどうかが分かりませんよね。

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各メーカーはホームページで構わないので、シューズの特性をもっとデータ化したものを公表してくれるとシューズ選びももっと楽になる気がします。

いまどき解析をしていないランニングシューズなんてないでしょいうから、その解析結果などを分かりやすくまとめてもらえればいいのですが、それはきっと無理な要求なのでしょうね。

ただ、うまく解析結果などの情報を一緒に出すことができれば、シューズの売上につながるのは間違いありません。「反発力が◯%アップ」みたいなのも、可視化することでもっと伝わるのになと、工学系のわたしは思うわけです。

もっとも、そういうのもあと数年すれば、ショップでランニングフォームのチェックを行ったら、AIが自動でシューズを選んでくれる時代がやってくるのでしょう。

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いまでもそれに近いものはありますが、メーカーごとに開発していますので、自社のランニングシューズしか提示してくれません。もちろん、そういうものでもないよりはマシだと思いますが。

それでもやはりランニングシューズごとの取扱説明書があるといいのになとは思います。ナイキ エア ズーム ペガサス 35を履いて最初に感じたのは「これはよくない」ということでした。

足がかなりブレますし、筋肉と膝に負荷がかかりすぎています。でも、走り方を調整したら驚くほどきれいに真っ直ぐに走ることができました。走り方でここまで特性が変わるなら、やはり説明書は必要です。

人気のヴェイパーフライ4%などは、フォアフット着地をしないと仕込まれたカーボンプレートを活かすことができません。適当に走ってもそこそこ結果は出ますが、どこで着地してどう足を動かすのが理想なのか分かっていれば、さらに効果を期待できます。

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ヴェイパーフライ4%を履いて踵着地やフラット着地をしている人を時々見かけますが、簡単な挿絵を入れておくだけでそういうミスマッチを防ぐことが出来ると思うのですが、まぁメーカーは売れればいいんでしょうね。

「こんな素敵なシューズができました!みんな買ってください」というスタンスがあまり好きではありません。

昨日あるメーカーの新商品発表会に行きましたが、そこで開発者が「それほどスピードを出さないで走るシューズなので、着地は踵側になることを意識している」と言っていました。

ところが同じメーカーの人たちが「スピードの出るシューズだからフォアフット着地で」なんてことを平気な顔をして言うわけです。たくさん売るために開発コンセプトを販売側が捻じ曲げる(意図的か理解不足かはわかりませんが)。

そういうことを防ぐためにも、シューズの取扱説明書があるといいなと思ったわけです。


速くケガなく走りたいなら正しくランニングシューズを選びなさい
著者:野村 憲男
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