サンスポマラソンチャレンジオンライン利用者の少なさとオンラインマラソンへのモチベーション

サンスポマラソンチャレンジオンライン利用者の少なさとオンラインマラソンへのモチベーション

サンスポマラソンチャレンジオンライン。1回目の記録証が出ました。男子5キロ一般で2位。参加者が11件しかありません……5kmだから仕方ないだろうと思うかもしれませんが、他の種目でも変わらないというか、フルマラソンは5人しか走っていません。

これはさすがに寂しいなと思って、宣伝ではありませんが、オンラインマラソンについて話をしておこうかなと。

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サンスポマラソンチャレンジオンラインとは

最近はいくつもオンラインマラソンが出てきましたが、そのほとんどが1回のチャレンジで終わります。無料のイベントもありますが、有料のものもあり2,000円近く払って、オンラインマラソンを走るというイベントもあります。

サンスポマラソンチャレンジは、6ヶ月間何回でもチャレンジできます。それも1,500円で。びっくりするのは、アームポーチがついてくるということ。Amazonなどで1,300円くらいで売られているアイテムです。そのうえ参加費の一部は寄付されるということ。

個人的には新聞社の主催するマラソン大会は嫌いですが、このサンスポマラソンチャレンジはとても良心的ですし、否定するようなところはほとんどありません。記録のアップと運営側の作業が手動ですので、やや面倒なところはありますが、特に困ることはありません。

こんなに魅力的なサービスなのに、利用者があまりにも少ない。

気温が高くて追い込みたくないというのもあるかもしれませんが、宣伝が足りていないのもあって、5kmが20分台で2位になるというような状況。正直もう1桁くらい参加者が多いかと思っていたのですが。最終的には数千人がエントリーしてもおかしくないサービスです。

サンスポマラソンチャレンジをチェックする

レースでないのにタイムを追うのはメンタル的に厳しい

ランナーにもいろいろなタイプがいて、わたしは自分自身の可能性を追求していくタイプですので、正直なところマラソン大会であっても、個人的なチャレンジであっても、それほどモチベーションが変わることはありません。ただ、ほとんどの人はオンラインマラソンにあまり意味を見いだせないかもしれません。

頑張って走っても誰かが応援してくれるわけではありません。記録は非公式ですし、労力に比べての報酬が少なすぎるわけです。ここでいう報酬というのはお金の話ではなく精神的な報酬という意味で、周りの人が褒めてくれる。知らない人からでも応援をもらえる。この報酬はランナーにとって決して小さくありません。

わたしはそれらを報酬とは感じません。ただ、楽しさはあるのでマラソン大会は好きです。このあたりはあまり理解してもらえない感覚かもしれません。わたしにとって走るのは自分のためであり、自分の内側と向き合うための作業です。それはマラソン大会でも一緒です。

ただ、マラソン大会は多くの物語があり、想定外の出来事があり、新しい出会いがあるから好きです。でも誰かに褒められたくて走ったことは1度もありません。こういうタイプはきっとオンラインマラソンに向いています。

反対に褒められたいという外向的な人は、オンラインマラソンに満足できません。いまのサンスポマラソンチャレンジのように、参加者が少ない状況ではなおさらです。これが1万人参加となると外向的な人もモチベーションが上がりますが、今はとてもがんばれる気になれないのでしょう。

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ランイベントを走りたい人はどれくらいいるか

おそらく多くのランナーが「なぜ走るのか」の部分で苦悩を抱えていると思います。今はまだ混乱している時期なので、なんとなく走っていますが、仮に再度の非常事態宣言があり、冬マラソンまで中止になったら、ランナーの多くが目標を失います。

そうなったときに、オンラインマラソンでは落ちていくランナーを拾いきれません。「目標達成者から抽選で◯名様に、ヴェイパーフライプレゼント」みたいな企画をすれば話は別ですが。オンラインマラソンは仮の順位をつけることはできますが、いくらでも不正できるので順位ごとの表彰はできません。

それを逆手に取って、参加者全員にプレゼントのチャンスがある。仮に参加費1,000円として、1000人参加すれば100万円の予算を組むことができます。豪華賞品のプレゼントというのは難しくありません。おそらくそういう方式で大会を組むイベントが増えてくるでしょう。

宝くじ方式とでも命名しておきましょう。この宝くじ方式になると、そもそも競い合うのがマラソンでなくてもよくなります。獲得標高でもいいですし、階段の段数でもいいでしょう。時間走でも成立しますし、もっとゲーム性のあるイベントでも構いません。

では、そうなったときに、冷静に考えて走りたいと思える人がどれくらいいるか。オンラインマラソンでもこんなにも参加者数が少ないのに、タイムや距離を考えないゲーム性の高いランニングイベントを走りたい人が本当にいるのか。

いないことはないのでしょうが、前例のないランイベントはルールをわかりやすくして、大きな報酬が与えられないと成立しません。

  • 順位がつく
  • 順位に関係なく報酬を得られる可能性がある
  • 少しがんばる必要がある
  • 参加する楽しさがある
  • 楽しさを共有できる仲間がいる

さて、こんなランニングイベントをわたしに開催できるのか。それもオンラインで。でもこれを満たすイベントを思いついて、先に動き出せばビジネスになります。わたしは儲けることに興味を持てないタイプなので、率先してやるつもりはありませんが、マラソンがないなら宝くじ方式のランニングイベントはありかなとは思います。

自分が生き残るために走りたくなるイベントは必要

夏になり気温が高くなったとき、おそらく多くのランナーが走るのをやめてしまいます。これは今年に限ったことではありません。暑さが好きという人でもない限り夏場の走行距離は短くなります。問題は秋になってもランナーが戻ってこない可能性が高いということ。

緊急事態宣言中は緊張感もあり、運動不足もあったのでランニングをする人が増えましたが、2度目の緊急事態宣言は緊張感も薄れて「走らなきゃ」と思う人も減っていきます。そうなってくると、ランニング業界・マラソン業界全体が厳しくなります。

これを食い止めるための情報発信をするのは当然のこととして、そこからさらに一歩踏み込む必要があるのかもとは考えています。イベントを開催するのもそうですし、走れるからできる遊びを動画配信するというのも必要かもしれません。

真面目に5kmからフルマラソンまでのランニングをするのは、サンスポマラソンチャレンジのような資金力があるとことに任せておけばいいですが、それに対してモチベーションが上がらないという人が走り出したくなるようなイベント。

正直めんどくさいからやりたくないのですが、このままランニングをする人が減ってしまって自分の居場所がなくなるのは困ります。だから自分のためにも何かを始めるというのは必要なんじゃないかと、わずかながら危機感を持っています。

本音はみんなサンスポマラソンチャレンジにエントリーしてくれたらいいのになというところですが、みんなに向いているわけではありません。むしろほとんどの人に向いていないかもしれれないのがオンラインマラソン。

まだ始まったばかりですので、何とも言えませんが、この不人気状態が続くなら、何か考えるとしましょう。みんなが走り出したくなるイベント。もしくはランニングのスタイルの提案。こういうのはランナーズとかクリールがやってくれれば……と思いましたが、わたしもメディアのひとつでした。

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まとめ

サンスポマラソンチャレンジが始まってみて、思った以上に参加者がおらず、現実の厳しさを感じています。サンスポももっと多くの人が登録してくれると思っていたのでしょうが、ここまで少ないのはきっと想定外だったでしょう。

ただ、オンラインマラソンというのが、このままの形では良くないのだろうというのが直感的にわかります。ただ走って申請して順位が出るだけではみんなのやる気につながらない。これが現実であり、やはりなんらかの報酬が必要になる。

それがないとモチベーションアップにはつながらず、徐々にランナーが減っていくのではないかと危惧しています。そうならないための情報発信をしつつ、どこかで動き出さなくてはいけないのかなと思い始めています。そうなる前にサンスポマラソンチャレンジオンラインが広まることを願っています。

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