万里の長城の修復がひどいと日本でも話題になっていますが

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万里の長城がえらいことなってる!と、いろんな人からメッセージをもらい、その詳細を調べてみたら笑うに笑えない、いや笑ってしまうしかないような状態になっていました。

万里の長城、当局の修復で真っ平らに「爆破した方がまし」との声も

とはいえ、多くの日本人が勘違いしていることがあるので、まずその勘違いを取り除くことから始めたいと思います。

万里の長城はその長さが5000kmもあると言われ、宇宙からもその姿が見えると言われていますが、あれは嘘です。見えるわけがありません。だってその幅は5mくらいしかないんですよ。

宇宙から皇居のお堀を見ることできると思いますか?

万里の長城は宇宙からは見えません。なぜそんな嘘が信じられているかは謎ですが、万里の長城を宇宙から見ることはできません。

そしてもうひとつ、万里の長城はいくつもあるということです。正確にはひとつなのですが、現存する万里の長城は途切れ途切れですべてがつながっているわけではありません。

そして、万里の長城は何本にも枝分かれしています。

多くの人が一本の長城が続いているように思っているかもしれませんが、実際は何本にも枝分かれして、その一部が現存しています。

そしてその現存している万里の長城の修復作業が多くの場所で進められています。

以前、万里の長城マラソンを行なっていた金山嶺長城、わたしが初めて行ったときには観光客も少なかったのですが、いまは建物をすべて建て替えて、きれいな観光地になっています。

その金山嶺長城の先には司馬台と呼ばれる有名な万里の長城があるのですが、ここの修復が2年前には完了しているはずですが、おそらくいまだ終わっていないのではないでしょうか。

少なくとも2年前はまだ開通していませんでした。

万里の長城の修復作業を見たことがあるのですが、ものすごく時間がかかります。まず万里の長城に資材を運ぶだけでも大事です。万里の長城は基本的に山の峰にあります。

山の峰までブロックやセメント剤などを運ぶわけですが、そこからは小さなブロックをひとつひとつ積み重ねていきます。三途の川の石積みのような終わりのない作業です。

だから、全部コンクリートで固めてしまえばいいと言いたいわけではないのですが、ほとんどの万里の長城はそうやって、職人さんが丁寧に時間をかけて補修を行っているということを知っておいてもらいたいのです。

そして万里の長城によっては、すでにほぼ崩壊しているような場所もあります。

そのような場所の修復をしようと思うと、すべてを取り除きゼロから石積みをする必要があります。実際にそうしている万里の長城もあります。日本のお城と同じでレプリカなわけです。

レプリカでもきれいな長城の姿を望むのは自由ですが、それにはお金も労働力も必要です。

今回の補修の酷さには中国人ですら批判をしているとのことですが、修復のために国家予算を際限なく使っても、修復させずに崩壊を待っていても批判されるわけです。

中国のネット社会も日本と同じで、無責任な発言が横行している世界です。

中国は発言が制限されているように思われていますが、今の中国は共産党批判でもないかぎり、法を犯してなければ何を言っても咎められない発言の自由があるのだと、中国人の友人はわたしに教えてくれました。

そのため、ネットを利用した集団での批判というのは日常的にあります。そして今回の件は非常に叩きやすい結果だったため、国民やメディアを中心としたこのような騒動になったのでしょう。

多くの人は万里の長城のことばかりに気を取られていますが、中国でこのようなバッシングが当たり前のように行われるほど国民には自由があるという現実も知ってもらえればと思います。

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今回の騒動を受けて、中国政府がどのような対応をするのかが、今後の注目になります。

メンツを大切にする国ですから、これまででしたら、作業をやり直して見事なレプリカを作ったのでしょうが、今の中国には以前ほどの経済的余裕はありません。

これはあくまでもわたしの予想ですが、今回の騒動を受けてどこかの若手実業家が修復に名乗りをあげるのではないかと予想しています。もちろんその地での観光収入を得ることを条件に。

最も美しい万里の長城と呼ばれている場所ですので、修復を行えば観光客も増え、そこから収入を得ることができます。

今の中国にはそのようなビジネスチャンスがいくつもあるそうです。新しいビジネスに対して寛容で、若い人を中心に新しいことへ挑戦する人を支援する。昔のアメリカのような雰囲気があるとも言われています。

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さて、わたしたちの万里の長城マラソンですが、残念なことに、このきれいに舗装された万里の長城は会場に含まれていません。ただし、これから中国各地の万里の長城で大会を開催する方向で進めています。

今年の万里の長城マラソン2016秋もその一環で、すでに6人の日本人挑戦者が集まっています。

ぜひ万里の長城マラソンに参加・・・なんて言うとただの告知になってしまいますので、これ以上は書きません。それよりも今回の騒動の背景や、今の中国を知ってもらうきっかけになればなと思います。

思った以上に自由なんですよ、中国。もっともその自由さに振り回されて嫌な思いをする日本人が多いわけですが、その自由さを笑えるようになれば、中国の自由さは意外と居心地が良かったりします。

賛否両論というか批判ばかりの今回の騒動ですが、「そういうこともあるよね」なんて考えてしまうのは、わたしの感覚が鈍ってきたのか、それとも中国色に染まってきたのか。

やっぱりまぁ笑うしかない騒動でした。


万里の長城は月から見えるの?
著者:武田 雅哉
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