本当に成功?つくばマラソン「ウェーブスタートに満足92.1%」

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第35回つくばマラソンは「マラソンを科学する」という大会テーマを掲げて、ウェーブスタートを導入したのを覚えていますか?その結果どうなったのよ?なんとなく「よかった」と聞いていたけど科学した結果は?

安心してください。ちゃんと発表されています。

ということで、つくばマラソンからウェーブスタートの検証結果が出てきたので紹介します。

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スタートを科学する

ウェーブスタートを行えば、スタート地点からの混雑が緩和すると言われていましたが、実際のところどうだったのでしょう?最も混雑すると言われている5km地点の5分毎の通過人数を、一斉スタートの前回大会と比較したグラフが下です。

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前回大会(赤)はピークが30〜35分にやってきて2738人がこの5分で通過しています。今回(青)は35〜40分に2469人が通過しています。「たった10%減じゃないか」と思うかもしれませんが、今大会はランナー数が2500名(25%増)拡大しています。

単純計算でウェーブスタートで28%の緩和ということが言えます。ちなみにウェーブスタートは3回のウェーブで行ったため山が3つ発生していることがわかります。

(で、何で参加人数、こんなにも増やしてるんだよ・・・やっぱり混んでますやん)

もちろんこれだけでウェーブスタートが成功したとは言えません。ランナーが一番気になるのがグロスタイムとネットタイムの差ですから。

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こちらは顕著にいい結果が出ていますよね。

前回大会が5時間以降にゴールをした人のグロスタイムとネットタイムの差が7分以上ありましたが、今回は3分36秒と4分以下におさまっています。参加人数が25%拡大したにも関わらず、3分以上改善されたのは間違いなくウェーブスタートの効果です。

(あとの3分は・・・えぇ参加人数を増やしたからですよ)

まぁでも当然の結果ですよね。これまで号砲でスタートしてたのが、ウェーブスタートはスタート地点に近づいてからのスタートになっただけですから。スタートラインにつくまでの時間がカットされただけ。

もしネットタイムを廃止したければ、もっと細かくウェーブを区切る必要があります。

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実際に走った人の9割以上がウェーブスタートに満足しているというアンケート結果も出ています。「とても満足している」と回答した方が58.8%、「満足している」と回答した方が33.3%。

「ウェーブスタート導入により、タイムが遅いのに前からスタートしようとする割り込みを減らすことができた」
「スタート地点は道幅が狭いため混雑緩和や転倒などの事故防止につながった」
「これまでは10km過ぎまで走路の混雑が続いていたが、今回は5km地点で混雑を感じなくなった」

その他のウェーブスタートを採用することで得られたのはスタート時の混雑だけではなく、トイレ渋滞の緩和や、エイドの給水が間に合わないことがなくなったとの報告もあります。

ランナーたちの感想は総じていいものですが、ウェーブスタートの恩恵を本当に実感した人、こんなにもいるもの?スタート時の混雑はウェーブスタートで改善されるのはわかったけど、参加者が増えたことで体感できるほどではないかと思います。

みんなの頭の中に「ウェーブスタート」だったから良くなったという刷り込みが合ったんじゃないでしょうか?そう考察するのが「科学する」ってことかと思うのですが・・・これだと都合よく解釈しているだけのような気がします。

景観を科学する

実はこの大会で検証したのはウェーブスタートだけではありません。

給水所の表示物を、視認性・識別性を高めるため、配布物(水、バナナなど)を連想させる色を採用していました。こちらは「とてもそう思った」と回答した方が14.1%、「そう思った」と回答した方が37.2%、合計で51.3%の方が「わかりやすかった」と感じている結果となりました。

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まぁ…ウェーブスタートに比べると実感している人が少ないのは事実。走ることに集中しているランナーはあんまり気にしていませんからね。そもそもわかりにくいということもあまりありませんし。

むしろ半数がそう感じたということのほうが驚きです。

「マラソンを科学する」まとめ

なんで参加人数増やしたのかな…というのが正直な感想です。

ウェーブスタートの効果があることははっきりしました。ただ「これでランナーは気持ちよく走れるね」という方向性ではなく「よし、もっと参加者を増やせる」な流れができそうで不安です。

「ウェーブスタートを導入したら参加者を25%増やせます!」笑えませんって。

ウェーブスタートは徐々に他の大会も取り入れていくことと思います。できることならランナーが気持ちよく走るために導入してもらいたい。もっと参加者を増やせるという発想で利用したらランナーにとってメリットは少なくなります。

ただ、こうした取組を実施しているつくばマラソンは素晴らしいし、きちんと公表していることも「マラソンをもっと良くしたい」という思いが伝わってきます。

この結果をどう受け止めるかは他のマラソン大会の事務局次第ですよね。

ちなみに万里の長城マラソンは2014年にウェーブスタートに失敗(全員が第1ウェーブでスタートしてしまった)しましたが、2015年はウェーブスタートによりコース上の混雑緩和に成功しています。

ウェーブスタートがこれからの主流になってくれるといいんですけど、さてどうなるでしょうか?