花蓮:2024年に台湾で起きた大きな地震について想うこと

2018年 花蓮にて

台湾で大きな地震が発生しました。花蓮では建物の倒壊があり、かなり大きな被害が出ているようです。花蓮は数年に1度の頻度で地震の被害が起きており、大きな地震が起きるたびに胸が痛む思いをしています。花蓮には2度ほど訪れており、思い入れもあります。

そもそも花蓮を訪れたのは、震災があり復興支援になればという思いがあって、花蓮太平洋縦谷マラソンに参加したのが始まりでした。あまりにも花蓮が素敵な街だったのでよく年も参加し、年代別で2位に入るという好記録。あの時のトロフィーは大切にしています。

後から「街道をゆく」を読んで、花蓮が日本人によって作られた街だと聞いて、妙に納得したことを覚えています。それこそ震災による火災の影響で当時の建物は残っていませんが、どことなく街の作りが日本に近いからか、海外にいることを忘れてしまいます。


そんな花蓮での思い出といえば、マラソン大会後にホテルまで歩いて帰ろうと思ったら、車で通りかかった現地のおばちゃんが「乗っていきな」と声をかけてくれたことです。見ず知らずの日本人に声を掛けるどころか、ホテルまで送って行くというのは、日本人に対する特別な想いがなければ起こりません。

特別な想いは、かつてそこにいた日本人が街の発展に貢献したか、それとも台湾の人たちと仲良くやっていたという歴史があって生まれるものです。台湾人の多くが親日だからというくらいのことだけでは、車で送るなんてことは説明できません。

そういう意味では花蓮を作った日本人に、そのあと花蓮で暮らしてきた日本人に感謝の気持ちしかありません。きっと彼らは花蓮という街を、そこで暮らしていた人たちを愛していたのでしょう。そのすべてを引き受けられるほど私の器は大きくありませんが、できることはしたいというのは常々思っています。


今回の地震を受けて、今年の花蓮太平洋縦谷マラソンがどうなるのかはわかりませんが、開催されるならぜひ訪台したいところです。たった2回しか行ったことのない場所ですが、また行きたいお店もたくさんあり、何よりも地元の人たちとマラソンで競い合いたい。

格闘家は拳で語り合うと言いますが、ランナーは足音で語り合います。それぞれの足音を聞きながら、どのような心理状態なのかを探り、そして駆け引きをする。花蓮太平洋縦谷マラソンでは順位よりも、そんなレースができたことを誇りに思っています。

また、あのようなレースをしたい。今回の台湾の地震を受けて、その気持が高まっています。あまりにも大きな自信でしたので、大会が開催されるかどうかはわかりません。でも開催されるなら行かない理由はひとつもありません。私は花蓮という街に大きな借りがあるのですから。


それにしても地震というのは思わぬときに起こるもので、神奈川では大震災が今日起きてもおかしくない状態にあります。私のアパートは築数十年も経過していますので、大きな地震が起きたら、暮らし続けることができなくなる可能性もあります。

少しはそのための備えをしていますが、もっと真剣に取り組まなくてはいけないということを強く感じています。地震は必ず起こります。南海トラフ巨大地震だって、私が生きているうちに発生する可能性が高く、備えがなければ命を奪われる可能性があります。

地震がいかに怖いことなのか、今年の1月についてまたしても思い知らされることになりましたが、大事なのはそのあとどう動くか。本当は今にでも台湾に飛んでいきたいところですが、先立つものがないので行くとすれば秋でしょうか。一緒に花蓮を走ってみたいという人がいればぜひ。

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