オーバートレーニング:きっとそこは限界じゃない

万里の長城マラソンを前にして、1週間の走行距離が150kmを超えました。5月中に160kmを走れるようになるのが目標だったので、結果だけを見れば順調にカラダづくりが進んでいます。でも、本格的にトレーニングをスタートしたのが2月の終わりからで、そのときはまだ1日10kmも大変でした。

そんな状態からのスタートでしたが、とにかく距離を積まなくてはいけないといことで、EPOC(運動後過剰酸素消費量)が4,000を超えるレベルにまで追い込んだ時期もありました。理論上は完全なオーバートレーニングです。でも私は練習量を減らすことはしませんでした。

3月の地点で1日100kmを走れないのでは話になりませんし、自分の走力がそこまで低いわけではないと確信していたから。3月の段階では体が鈍っているだけで、本当はもっと走れる。しかもこのタイミングで疲労がいくら溜まろうが、レースに出るわけでないのでまったく問題ありません。


それよりも決めた距離を走って、体脂肪を減らしていくことが私にとっての最優先事項。それは今でも変わらず、どれくらいのペースで走れるかとか、体がどれくらい軽いかとかはまったく意識していません。とにかく隙あらば走りに行って距離を積み重ねる。

そういうことをしていたら、EPOCが4,000を超えているレベルのときよりも、走行距離が伸びているのにもかかわらず、今は1,200くらいにまで落ち着いています。2ヶ月前には高負荷だったトレーニングが、今では軽いトレーニングという位置づけになっているわけです。

それができるのは、オーバートレーニングをしたからこそ。でも、いまケガをしているわけでもなく、むしろ走りは良くなっていることを考えると、本当にオーバートレーニングだったのかという話になります。EPOCという指標上はそうであっても、現実には正しい練習だったわけです。


もし3月の段階で「これはオーバートレーニングだからもっと休もう」としていたら、体重も絞れておらず、走りも重たいままだったはずです。壁を乗り越えていくために必要な練習だったわけで、結果だけを考えれば、一般的に無理をしているような走りでも、許容範囲内だったということになります。

では同じことを他の人に勧めるかというと、もちろんそんなわけはありません。そもそも1週間に160km走れと指示することもありません。160km走ったほうがいいというのはここで何度も書いてきましたし、私はそこに持っていくつもりですが、走らなきゃいけないなんてことは言っていません。

なぜなら、普通は短期間でここまで走行距離を増やすと普通はケガをするから。私はそうでなかったのですが、別に運が良かったわけではなく、体の使い方にずっとこだわってやってきた結果、体に負荷がかかりにくい走り方が身についているから、長い距離を走っても何ともないわけです。


体に負荷がかかりにくい走りができていない人が、同じような距離を走ろうとしたら、間違いなく膝を痛めます。場合によっては腰も痛めて、走れなくなってしまいます。ただ、そこまで追い込んでいないなら、カラダづくりに何倍もの時間がかかります。

私は約2ヶ月で1週間の走行距離を倍にもっていきました。私が指導するなら半年かけてやるようなトレーニング量の変化です。これができたのは、EPOCでオーバートレーニングという警告が出ても、「自分の限界はそこじゃない」と信じていたから。

みんなもそう考えることができれば、壁を乗り越えていける気がしますが。ケガをされても責任を取れないので、やはり同じことは言いません。でも「本当にこの練習量で自分は伸びるのか?」は頭の片隅にでも置いておいてもらえれば。もっとも距離を伸ばすにはカラダづくりからしなくてはいけないのですが。

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