映画「THE FIRST SLAM DUNK」と平凡だった青春時代

映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観てきました。スラムダンク世代ではあるものの、マガジン派だったのでジャンプで連載されていたときはほとんど触れておらず、そのあと私に漫画ブームがやってきたときに新装版を購入。涙しながら何度も読み返した大好きな漫画です。

その漫画は誰かに譲った気がします。誰だったかは思い出せませんが。そこからすっかり離れていましたが、いろいろ覚えているものですね。映画ではスラムダンクファンしかわからないような細かい描写が幾つもあり、なるほど多くの人が「良かった」とするはずです。

ネタバレになるようなことはまだ書くべきではないし、粋じゃないので触れません。ただ「表現」の可能性を強く感じさせてくれた作品だったとだけ書いておきます。私は凡人なので、真正面からしか物事を見れないタイプなのですが、それだけが正解ではないことを学んだ気がします。

高校時代、私はサッカーとバイトに明け暮れる日々。勉強なんてほとんどせず、毎日ボールを追いかけて、週数回のバイトで稼いで、サッカーの試合を観に行ったり。シューズなどサッカー用具のお金は親が出してくれていましたが、あれこれ小さなものを買うのはバイト代から。

いま思えば、16歳とか17歳から働いていたわけで、職歴はもう30年にもなるんですよね。30年ずっとお金に困ってないというのは、ちょっと変わった人生かもしれません。1年前まで借金もあったので、まったく困ってないわけではないですが、なんとか破綻はせずにやってきました。

ただ、あのバイトの時間を、サッカーに費やせれたら良かったのかなと思うこともあります。あの当時は全力でやっていたつもりでしたが、いまの私からしたら足りてなかったのは明白。人よりも下手なのだから、みんなの倍は練習し、試合を観て勉強すべきでした。

逆に言えば、あの頃から働いてるから、いまこうしてフリーランスとしてやっていけているのかもしれません。働いて稼ぐことの面白さ、仕事をするうえで信頼がいかに大切かを10代で学んだことが、いまになって活きている。人間万事塞翁が馬とはまさにこのこと。

スラムダンクのような青春もなく、その他大勢として生きてきた学生時代。でも、意味のないものだったというわけではなく、むしろあの当時に積み重ねたものがあって今の自分がある。きっと三角関数ですら、私にとっては成長の糧になっています。あの日の苦い思い出が私の血肉となっている。

そう思うと、ちょっとだけ自信が湧いてきます。あの頃にできなかったことができるようになり、多くの大切な人が周りにいる(ちょっと離れた場所にも)。できなくなったことも、失ったものもあるけど、きっといま両手に持っているものこそが、いまの私にとって必要なもの。

間違っても「あの頃に戻りたい」なんて思わないくらいひどい高校時代でしたし、若くて無知な自分からもう1回積み重ねるなんて絶対に無理ですが、それでも青春をやり直すなら、私はきっと同じ道を歩む気がします。大切な人たちと再び巡り合うために。

でも1人だけ違うアプローチをするだろうなという人がいますけどね。それも含めてここまでの47年間は上々。誰にだってそれぞれに物語があり、少なくとも自分の物語ではそれぞれが主人公。私の物語はまだまだ続く予定なので、クライマックスはこの先やってくるはず。

まだ人生の途中。その中でいい作品に出会えることと美味しいものを食べることは、私にとって大きな活力になります。美味しいものを食べ過ぎた年末年始、いい作品を観れた年始。私の物語が動き出すのにこれ以上ないお膳立てが揃いました。今日もまた頑張って、未来の自分のために自転車を漕ぐとしましょう。

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