何事にもコツがある【北海道で取得したのは風呂敷の包み方】

お店でお弁当の販売を始めたのですが、高級路線のお弁当だったこともあり、お弁当箱をそのまま手渡ししているのが気になりました。そこで紙袋で渡してはという提案をしたところ、それなら風呂敷のほうがいいのではという話に。

相談をしてきちんとそれに対するフィードバックがあり、魅力的な提案に変わるというのは1人で仕事をしているときには起きないことなので、お店で働くときの数少ない楽しみのひとつになっています。私は基本的に誰にも相談しないタイプでしたが、打てば響く環境ならこれもいいものです。

風呂敷でお弁当箱を包むとなったときに、まず風呂敷を入手しなくてはいけないのですが、何よりもサイズが重要になります。まずはダイソーで不織布を買ってきて、それで包めるか確認。そのあと札幌の包材屋さんまで買い出し。

それをしつつ、お弁当箱にお店の名前のシールと、封をするためのシールを付けたいという話も出てきて、どうしたものかと悩みながら、お店の名前のついたシールで封をすればいいということにたどり着き、こちらはデザインも含めてなかなか好評。

シールを貼る位置のバラツキをなくすための治具も作りました。こういうのは機械設計の経験が活きます。もっとも本当はもっと本格的なものにしたかったのですが、予算の都合で……ただ、過去の経験をうまく活かせるのは自分の調子がいい証拠。

それはともかく風呂敷の話。包材屋さんにはパステルのピンク、ブルー、パープルの風呂敷があったのですが、高級感を出すためにパープルを選択。サイズは66角で40枚ほど。1日20食限定なのでこれで2回分ですね。何日分もストックするとなると大変な量になりそうです。

大変な量になって困る頃には、私は現場にいない可能性が高いのですが。そうはいっても、今はお店のスタッフなのでできることを。やらなくてはいけないのは風呂敷の包み方をマスターすること。これって簡単そうで意外と難しい。

正方形の風呂敷で長方形のお弁当箱を包むわけですから。そこでYouTubeで包み方を勉強します。でも何度見ても肝心なところの説明がなく、取っ手がズレてしまってお弁当箱が傾きます。動画では上手くできているので、なにかコツがあるはずと20食分を包みながら試行錯誤。

やっぱり見つかるものですね。「これじゃないはず」と思いながら試行錯誤していれば、必ず正解が見つかる。これも機械設計と同じですね。機械設計で仕上がった図面が、どうも腑に落ちないことがあるのですが、ずっと眺めていると答えが浮かんできます。

まさか風呂敷の包み方を北海道でマスターする日が来るなんて、人生のプランになっかったことですが、これで少しだけステップアップ。問題はこれを他のスタッフに教えなくてはいけないのですが、残された時間はそれほど多くありません。

もっとも、そのやり方を残った人が試行錯誤してくれればいいんですけどね。私が見つけたコツはあくまでも私のやり方。誰かが教えてくれたわけでもなければ、伝統の手法でもありません。なので誰かに引き継ぐなんていうのは傲慢な考え方。

もちろん教わりたいという人がいる場合には、それを無碍にすることはありませんが。いずれにしても、何事にもコツがあるというのはいい学びでした。そしてそれを見つけるのはとても楽しいこと。試行錯誤こそ私が最も好むことなのかもしれません。

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