何事も基本や基礎が大事という考え方は古臭いかもしれないけど

ここにきてパーソナルトレーニングの依頼が2件、この8月だけで3件のレッスンをすることになりました。コロナ禍の無風状態が嘘のような感じがしますが、走りで悩んでいる人は一定数いるのだということを強く感じています。走り方で悩みを抱えている人の多いこと。

仕方ないことだとは思います。ランニングは誰でも始められるスポーツですが、それを誰かに教わったわけではありません。学校でのマラソンはとにかく走ることだけを求められて、体をどう使えばいいのかなんてひとつも教えてくれません。他の競技は基礎の基礎くらい教えてくれるのに。

でもランニングは本当に基礎が大事。基礎ができてないから記録が伸びなかったり、ケガをしたりするわけです。正しくトレーニングをすれば誰だってサブ4くらいはできます。でも正しいトレーニング方法がわからないから、自己流になってしまって伸び悩む。

基礎が大事というのはランニングだけの話ではありません。仕事も他の趣味も全部同じ。基礎がなってない自己流は絶対にどこかで行き詰まります。体系化された理論というのは絶対的なものであり、そこからはみ出すところに道が見えることもありますが、それは基礎を学んでから。

ちょうど私はスクランブルエッグの作り方を勉強してところなんですが、これまで宿で出しているものも、自分で食べるものも自己流。これをなんとかするために動画を見たり、スクランブルエッグのベースとなるフランス料理の基礎から勉強してみたところ、びっくりするほど美味しいスクランブルエッグができました。

今までお客さんに出していたものを後悔するレベルで美味しいんです。スクランブルエッグが滑らかなんです。それこそ基礎が大事だなと強く感じました。スクランブルエッグのようなシンプルな料理でも基礎が大事だと感じだわけです。基本に従って作ったら別物ができたわけですから。

独学はいいことだとは思います。常識にとらわれないで、これまでにないものを作り出せる可能性があるので。何でもかんでも人に聞いてしまうと、オリジナリティがなくなってしまいます。でも、オリジナリティは基礎を身に着けてから出すものなんですよね。

基本を学ぶ。この感覚がこの国からだいぶ抜けているように感じます。例えば私はそれなりの設計者でしたが、設計の基礎を学んでいません。製図のイロハは学んでましたが、図面というのはそれだけでは書けません。それでも仕事にはなりました。

でも本当はその時点でおかしいんですよね。基本ができてない人がそれなりに働ける。そんな仕事で成立してることが間違っています。でも現実はそれでも成立する。そりゃ日本の競争力が落ちて当然です。誰でも簡単に専門家になれるわけですから。

陸上競技経験がない私がパーソナルトレーナーができてしまう。この国の浅さがよく現れています。いや、別の国でも似たようなものなのかもしれませんが、少なくとも私は今の状況を良しとは思っていません。誰でも簡単に専門家になれるのは明らかに歪です。

もっとも私の仕事がその最たるものなのですが。ライティングの基礎も学ばずに文章を書いたり、経営学も知らないで飲食店や宿の手伝ったりする。そして、それがなんとなくでも成立しているのは、やっぱりどこかおかしいような気がします。

何事も基本があり、まずはそれを習得すること。この考え方はすでに古臭いのかもしれませんが、基本や基礎がすっぽり抜けたまま始めるのは結果的に遠回りになります。幸いいまは学ぶためのコンテンツがいくつもあります。もっともそのコンテンツを作っている人が基本を学んでいなかったりするのですが。

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