組織に属することのリスクをはっきりさせておこう:連帯責任とは

日大アメフト部に所属している学生さんと思われる人のつぶやきが話題になっていました。「勉強とアメフトだけをやってきた自分は何を反省すればいいのか」というニュアンスの投稿でしたが、私から無くなってしまった若さ、もしくは青さが伝わってきて、少しだけ羨ましく感じました。

また、「真面目にやってきた人が行き場を失い、被害者になる」みたいなことを識者が言っていますが、そんな大人に対しては、組織ありきの生き方をしてきたんだろうなと思います。学生が言うのはわかります。若さは未成熟であり、自分を客観視できないものですから。

でも大人は知っているはずです。組織に属するということがどういう意味なのか。組織に属するということは、その組織に問題が起きたときに、連帯責任を負うというリスクがあります。もちろん、組織に属することによるメリットもあって、連帯責任はそれとのトレードオフ。

関与していないのに連帯責任を負うのは納得いかないと思うかもしれませんが、組織内にある問題を見て見ぬふりをしたら、それだけで責任が生じます。問題に気づかなかったら?それは気づかなかったことに対する責任が生じます。そもそも気づかなかったことを証明することもできません。

納得がいかないかもしれませんが、それが組織に属するということ。そうなるとチームスポーツをすること自体がリスクじゃないかと思うかもしれません。もちろんその通りですが、先ほども述べましたように組織に属することはメリットもあります。

メリットとリスクを天秤にかけて、チームや会社に入るか決める。この考え方ができていない人が、ちょっ増えすぎるような気がします。組織に入るときにメリットばかりに目を向けて、希望に満たされている。これはとても危険な状態です。

この世界に完璧な組織というものはありません。東大だってトヨタだって、何らかの問題を抱えています。それなのに、多くの人が問題を見ようともしない。でも若いときは仕方ありません。経験が浅いから、20歳前後で東大やトヨタに属することのリスクなんて想像もできないので。

連帯責任を逃れたいなら、組織を抜けるしかありません。私が大学サッカー部を退部したのは、許容できない発言をしていた人がいたから。そして、それに対して誰も叱ったり、反論したりしなかったから。そんなチームの一員でいることが耐えられなかったから辞めました。

アルプス技研を辞めたのも、組織の方向性と自分の方向性が違ってきたからで、こんなところにいたらダメになるという危機感があったから。いつか大きな失敗をする。そんなときに自分が組織の中の1人ではいたくなかったから、離れることを決めました。

そして何度も組織に入っては出てを繰り返した結果が今で、どの組織に属さない、連帯責任のない道を進んでいます。フリーランスは何かを失敗したとき、問題が起きたとき、組織が守ってくれたりはしません。全部自分で責任を負うことになります。

だからすべての人にとってそれが正解というわけではありません。むしろ、ほとんどの人は組織に属して、その恩恵を受けながら生きていくほうが向いています。でも、その恩恵を受けている限り、連帯責任は逃れられません。美味しいとこどりができるほど世の中は甘くないので。

リスクなんて知らなかった。そんなことを言っていいのは20代前半まで。メリットとリスクは常に背中合わせで、何かをするときには必ずリスクがあることを頭に入れておくのが大人。そして組織に属することで、どんなリスクがあるのかを子どもに教えるのが大人の役割です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次