僕らはルールのある世界で生きている:権利を主張する人たち

  • 2024.01.06
  • (更新日:2024.01.05)
  • LIFE
僕らはルールのある世界で生きている:権利を主張する人たち

宿の仕事をしていると「なぜそうなるの?」というような行動をとるお客さんが2日に1組くらいの割合で出会います。チェックイン時間が決まっているのに、時間外にチェックインできないか聞いてくるのは日常茶飯事。時間どおりに朝ごはんに来てくれない人も同じくらいあります。

せっかくの旅行だから自分のペースでいろいろ行動したいのはわからなくはありませんが、どの宿にだってルールというものがあります。そしてそれらのルールは宿を運営していく上で必要だから決められたものになります。

だから「自分1人くらい」という感覚でイレギュラーな対応を求められると、それが宿の運営において大きなダメージを与えることがあります。もちろん宿側としてはできる限り希望に応じるようにしますが、できないことはできないとはっきりと言います。

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それで満足度が下がることもあるのかもしれませんが、イレギュラーな対応をすることはスタッフにとっては多少なりともストレスになり、人によっては「お客さんに喜んでもらいたい」の気持ちが薄れてしまう可能性もあります。

そうなると他のお客さんの満足度が下がり、宿の評価も下がってしまいます。宿の評価が下がれば集客力が低下するわけで、宿の運営そのものができなくなることも考えられます。たとえば宿の電話予約は17時までとしていますが、これが0時を過ぎてから電話をかけてきたとします。宿直担当は仮眠中に起こされることになります。

それが宿直の役割だと主張する人もいるかもしれませんが、私たちの宿では深夜の電話予約対応は宿直の仕事ではありません。電話予約は17時までというのがルールであり、それを守ってもらわないと正常な運営ができなくなるわけです。

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「こっちはお金を払っている客だぞ」と権利を主張する人もいるかもしれませんが、どの宿もルールの範囲内でサービスを提供しています。そしてそのサービスに値段がついているわけで、そのルールを逸脱することを要求されても「はいわかりました」とはなりません。

「ルールがおかしい。ルールを変えるべきだ」と主張する人もいるでしょう。それは本当に身勝手な要求だと思います。マラソンにおいてランニングシューズのソール厚さは40mmを超えてはいけないことになっていますが、「厚さ40mm以上のソールで走らせろ」と主張するようなものです。

私たちはルールのある世界で生きています。赤信号は渡ってはいけませんし、発車直前の電車に飛び乗ってはいけません。すべてのルールがすべての状況でマッチしているわけではありませんが、ルールがあるから多くの人の安全が守られています。

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ここまで書くと感のいい人は何を言っているのか察してくれるかと思いますが、あえて最後まで伏せておくとしましょう。私は20代の頃からずっと「ルールを守れないならその組織から抜けるべき」というようなことを言い続けています。

いま所属している組織のルールがおかしいと思うなら、自分の理想とするルールになっている組織に移ればいいし、もしくは自分でそういう組織を作ればいいというのが私の考え方。所属している組織のルールを変えるというのは、ただの自分勝手な思い上がりです。

私は基本的に権利を主張する人たちが苦手。「自分さえよければ」の感覚が透けて見えるので、できるだけ近づかないようにしています。もちろん権利を主張するのは自由ですけどね。ただ「ルールがおかしい」と主張する人をさもしいと思うわけです。

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