スピードが出ないのは筋力が足りないか体重が重いかのどちらか

マラソン大会に出続けている人なら、1度はスピード不足を感じたことがあるかと思います。そしてスピードをつけるためにいわゆる「スピード練習(インターバル)」なるものをやってみる。その考え方って本当にあっていますか?という話。

インターバルトレーニングを否定するつもりはありませんが、スピードを出せないランナーに必要なのは筋力アップか体重減のどちらか、もしくは両方です。もちろんインターバルトレーニングでも筋力は多少上がりますが、インターバルトレーニングの場合に心肺機能が歯止めになります。

心肺機能の限界以上のスピードを出すことはできないため、筋力アップに必要となる負荷をかけきれないわけです。インターバルトレーニングはあくまでも心臓や肺を鍛えるトレーニングで、足の筋力を高めるためにはかなりの時間をかけなくてはいけません。

スピードをつけたいと思うのであれば、まずやるべきことは地道な筋トレです。これはずっと言っていることなのですが、なかなか受け入れてもらえません。でも40代50代になっても30代と同じように走りたいなら、週2回の筋トレは必須です。

人間は年齢とともに確実に筋力が落ちていきます。筋力が落ちれば1歩で進める距離が短くなります。1歩で若い頃と同じ距離を進もうと思うと、これまで以上のエネルギーが必要になり、過負荷によってレース後半での失速につながります。

まだ若い人も同じです。マラソンを始めたばかりという人も、十分な筋力がありません。もっともマラソンを始めたばかりという人も20〜30代なら黙っていても、毎日きちんと走っていればそれなりの筋力がついてきます。ただ、筋力が足りないから自己ベスト更新がどこかで頭打ちになります。

筋力を高めて出力を上げること。ただ、筋力を高めるために体重が増えてしまっては意味がありません。筋力のアップと同じくらい体重もスピードに影響します。短距離走なら筋肉をつけてもいいのですが、フルマラソンでは重さは敵です。

ではどれくらいの体重を目指すべきか。トップアスリートになりたいなら標準体重の80%。シリアスランナーなら標準体重の90%がひとつの目安だと考えてください(あくまでも男子の場合ですが)。たとえば大迫傑選手は171cmで体重が52kgです。171cmの標準体重が約64.3kgですので、標準体重の80.9%になります。

個人差はありますが、それくらいの軽さがあるから彼らは1kmを3分を切るスピードで走れます。私の場合は標準体重が57kgなので51.3kgがサブスリーを目指して勝負できる体重ということになります。もちろん筋力とのバランスがあるので必ずしもその体重が必須ではありませんが。

ただ、フルマラソンの目標がサブスリーなら、実は筋力はそこまで重要ではありません。求められるスピードは4分15秒/kmですので体重を落としたり、筋持久力や心肺機能を高めることでクリアできることもあります。でも筋トレをするほうが手っ取り早いというのが私の考え方。

筋トレといっても何をすればいいかわからないという人もいるかと思いますが、正直なところ「何でもいい」です。ジャンプでもスクワットでもOK。おすすめなのは縄跳びの片足跳びで、片足100回ずつを3セット×週2回でもやっておけばだいぶ違います。

そんなにもできないという人もいるかと思いますが、これができないということはそれだけ筋力がないということでもあります。きついことを言えば「フルマラソンのスタートラインに立つ資格がない」状態です。もっともお金さえ払えば誰でもスタートラインには立てるんですけどね。

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