成功は運次第だが、地道な努力なくして輝ける人などいない

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「ライブやるからおいでよ」
中学時代の同級生からの誘いに戸惑いながらも、終わらぬ仕事を見て見ぬふりをして下北沢に向かうことにした。 

音楽は好きでも嫌いでもない。わたしの人生においてあってもなくてもそれほど大きな問題があるわけではない。ましてやライブなどというものが一体全体どういうものなのかもわからない。

でも、誘ってもらったものにたいして「よくわからないから」とか「興味ないから」という理由だけで断るのはどことなく嫌なのだ。そこに行ったから繋がる奇跡というものも世の中にはある。行動しないことは奇跡を避ける事でもある。

臆病者に女神は振り向かない。

会場になっているのは下北沢のBIG MOUTH。下北沢というだけでアウェー感が満載なのに、30人入ればいっぱいになるお店。そこにいるのは同級生を除けば知らない人ばかり。しかもわたしは音楽に疎い。

同級生が気を使ってくれて、何人かに紹介をしてくれたのだが、こういうときに借りてきた猫のようになるわたしのようなタイプはなかなか輪に溶け込めない。質問力を高めないと、これから仕事を辞めたあと痛い目にあうだろう。

ただ、居心地の悪さも音楽が始まればすべて吹っ飛んでしまった。同級生のバンドの前に歌っていた女性歌手。ちょっと驚くレベルで上手い。有名なのか無名なのかすらわからないが、とにかく引き込まれる。

同級生のライブは「元気」を具現化したらこういうことなるのかもしれない。彼らは完全なるエンターテイナーと言っていいだろう。音楽は人を喜ばせるためにある。そんなメッセージがひしひしと伝わってくる。

一人の歌手と一組のバンドを見て思うことは、才能だけでは音楽の世界では成功できないということだ。いや、音楽の世界に限ったことではないのだろう。どの世界でも成功するかどうかは「運」で決まると誰かが言っていた。

その人言うには「いま利益を上げている企業も運営がよかったから利益を上げているわけではない。運が良かったから利益を上げているだけ」らしい。ありとあらゆる世界でそうなんだとわたしも感じることが多々ある。

「すべて運だから運に任せよう」なんて言いたいわけじゃない。運で決まるとわかっていても全力を尽くし、開かない花に水をやり続ける人をわたしは愛さずにはいられない。

才能があり努力をし、それでいて実際に魅力もある。それでもメジャーにはなれないことだってある。むしろ、そのほうが圧倒的に多いのだろう。

大切なことは成功するかどうかではない。好きなことをして輝いているかどうか、それがすべてだ。有名になるかどうかは天の神様が思いつきで決めている。人生のおまけのようなもの。

自分自身が輝く舞台が武道館の人もいれば、国立競技場の人もいる。そんな大きな舞台じゃなく、自分の子どもと向き合うことな人もいれば、大切な人と過ごす時間の人もいる。

ただひとつ言えるのは、地道な努力なくして輝ける人はいない。「あの人はいいな」と指をくわえて、輝くための順番待ちをしていても、そんな人に順番なんて回ってこない。

「お前は輝いているのか?輝く準備はできているのか?」同級生の歌声がわたしにそう問いかけているような気がした。「輝いているよ」と即答できる自分をイメージしてみる。まだまだ足りていないことばかり浮かんでくる。

足りない分は伸びしろだと思って前に進もう。わたしだっていつかきっと輝けると信じている。

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