「退屈」をテーマに980円のシューズで国宝松江城マラソン完走!

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国宝松江城マラソンを走ってきました。スタート前にアップしたブログに書きましたように、ワークマンのランニングシューズを履いて走ってきました。

980円のランニングシューズのポテンシャルはいかほどなのか。それはRUNNING STREET 365で記事にしますが、今日は自分の走りについて書こうと思います。

ただ、今回の走りとランニングシューズの関係は、密接につながっています。ですので、所々でワークマンのランニングシューズの話も出てきます。

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まず、この日の設定タイムは4時間以内。ただ、それはスタートラインに立つまでの話で、わたしはレースをスタートしてからその日のペースを決めます。

調子が良いかどうかは走ってみないと分かりませんから。

もちろん前日までの練習である程度は読めますが、疲労度というのは日々違います。今回は10kmも走ったことのないシューズでしたので、走ることでどれくらいが最適かを探ります。

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とりあえずスタートしてみると、5分/kmくらいが良さそうです。

これもスタート前から想定には入れていました。5分/kmならサブ3.5ですので、来年の愛媛マラソンに向けてはいい練習になります。ただ、右手にはミラーレス一眼カメラで、足元には慣れない980円のシューズ。

さらには1週間前には40km以上を走り、数日前には5kmの全力走のあと終電を逃して午前1時から11kmの帰宅ラン。

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コンディションで考えればベストとは言えない状態です。だから、とりあえず体の声を聞いてみると、5分/kmはいけそうだと答えます。そこからはそのペースを維持することだけを考えました。

実際には4分45秒/kmくらいが心地よく走れる瞬間でしたが、そのペースになるたびに「速すぎる」と自分に言い聞かせます。目標はあくまでも980円のランニングシューズでサブ4を達成することです。

無理して失速するのが怖いので、かなり抑え気味に入りました。

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でもこの時点ではまだ、ランニングシューズを信用しきっていませんでした。「もって20kmくらい」と考えていましたし、必ず失速する未来予想図しか見えませんでした。

4分45〜50秒/kmで走りつつも、どこかで失速する絵を思い浮かべていました。もちろん、心のどこかでは走りきれる自分もイメージしていましたが。

今回の走りのテーマは「退屈」でした。

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これは大迫傑選手が「マラソンは退屈」と発言したのを受けて、納得した部分もあったので消化しきれなかった部分を確認するためにも、退屈になる走り方を意識しました。

決められたように足を動かし続ける。ペースを変えることもなく、ただひたすらに淡々と走ります。ただ、これまでの経験をすべて無視するわけではありません。

レースは14kmごとの3ブロックに分けて走ります。最初の14kmでペースを掴み、次の14kmはクルージングするように走りを楽しみ、残りの14kmはひたすらに耐えます。

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ただ、この日はワークマンのランニングシューズがあまりにも安定するので、3kmくらいを走ったところでペースが確定しました。残り11kmは、そのペースを自分になじませます。

足の動きがどうなっているのかを筋肉レベルで確認して、同じ動作を繰り返せるように意識するポイントを把握します。わたしはパワー系ランナーではないので、地面はほとんど蹴りません。

ですので、膝がどの位置にあるのがいいのか、どうすれば体を軽く感じるのかを微調整してベストの状態を探るわけです。そんなことをしながら最初の14km。

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最後尾から走り始めましたので、基本的にはすべてのランナーを追い越していく形になります。

余裕を持って走っているからか、周りのランナーがとても苦しそうに見えます。フルマラソンは苦しいものではないのになと思いながらも、走りに何を求めるかは人それぞれ。

安定した走りができるものの、スタートから右足の甲に違和感があります。これがなかなか消えなかったのですが、10kmくらいを過ぎたところでようやく気にならないレベルに。

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100%万全の状態で走れることなんてまずないのがフルマラソン。設楽悠太選手も東京マラソンではレース中に骨折したわけですから。よくない状態でいかにうまくまとめられるか。

14kmを通過して、そこからは気持ちよく走ります。ただ、退屈さは増しますので沿道の声援があると助かります。裸足でもないのに河童に反応してくれる人たち。

応援がほとんどない区間ではジリジリとペースが落ちそうになりますが、声援に応えたり、ハイタッチをしたりすると気持ちが戻ってきてペースも上がります。何回か上がりすぎて自重しましたが。

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これがあるから仮装や裸足でのマラソン大会もやめられないんですよね。自分が注目される瞬間って、人生においてそうそうあるものではありませんから。

残り14キロ。

ここからが本当のマラソンです。28kmまでなら誰でもそこそこ走れます。30kmの壁と言われるやつで、レースの終盤はどうやっても苦しさと向き合うことになります。

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ただ、これはこの日のペース設定の答え合わせでもあります。苦しくなって失速した場合にはオーバーペースということになり、余力が残りすぎている場合はスピード不足ということです。

後半になるにつれて、筋力的には限界近くになっているけど、気持ちでなんとかペースを維持できる。これくらいの状態にあるのが理想です。要するに残り14kmも同じペースで走るわけですが、そのためにはギヤを1段上げる必要があります。

国宝松江城マラソンでは後半に上り坂が2回あります。最初は小さな坂で、次がやや長く続く緩やかな坂。

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上り坂はペースが落ちてもいいというのが基本的な考え方ですが、それでも1キロで10秒程度の落ちくらいにしておき、下りに入ったら10秒速める必要があります。

よくあるパターンとしては、上りだからといってキロ1分くらい遅くなる人がいますが、これを下りで取り戻すことは不可能です。だから、上りはさらに頑張らなくてはいけませんが、実際にやることは何も変わりません。

これまでと同じように足をおろして、足裏全体で体重を受けます。42kmずっとその繰り返しで、集中力が切れないようにすることだけが重要です。だからとにかく退屈なわけです。

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前半はシューズを信用していなかったのですが、28kmまで失速しなかったことによって、頭の中では「ここから失速したらシューズのせいではなく、自分の力不足」という考え方に切り替わります。

シューズは間違いなくゴールまで足をサポートしてくれます。だからわたしは同じ動きをひたすら続けるだけ。

その流れのまま40km地点。この手前あたりからお腹がぐるぐるし始めて「これはやばい」ということでトイレに駆け込みます。こういうのは生理現象ですので仕方ないことです。

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ただ、ガスが溜まっていただけだったので、ロスは1分だけ。

1度止まってしまったので、ペースが落ちるかなと思ったのですが、やや下り坂だったのもあり、ペースはむしろやや上がる感じでそのままゴールまで一気に駆け抜けました。

3時間26分50秒。

最後尾スタートだったのでロスは3分32秒あって、ネットタイムは3時間23分18秒。今年の愛媛マラソンのネットタイムが3時間22分38秒だったので、トイレロスがなければほぼ同タイムです。

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でもタイムそのものは問題ではありません。今回の課題は退屈なほどイーブンペースで走るということです。

スタート直後からしばらくは渋滞もあって5kmごとのタイムが24分台ですが、その後はトイレ休憩するまでは23分30秒をほぼキープし続けています。ここまで狙い通りの走りができるとは思いもしませんでした。

980円のランニングシューズかつ、右手にはミラーレスカメラ。コンディションもいまいちでしたが、このタイムが出たのは、イーブンペース作戦がうまくハマったのと、何よりも普段の練習によるものでしょう。

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こうなってくると、来年の愛媛マラソンは3時間10分を目指すレースをしたいところです。それには1kmを4分30秒が必要ですので、今回よりは18秒も速いペース……これはきついかな。

でも、4分45秒前後は問題ないのはわかりましたので、またレース序盤にペースを決めるスタイルで、1年前の自分を超えていこうと思います。

いい経験になった国宝松江城マラソン。RUNNETの評価がかなり低めですので、来年も余裕でエントリーできるかなと思っているのですが、また走るかどうかは要検討。

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別に大会が悪いのではなく、大会参加を減らす方向にシフトチェンジしていますので。個人的には美味しいものも食べられましたし、観光も見どころが多く大満足の大会でした。

あとはこの経験を愛媛マラソンに向けてのトレーニングにフィードバックするだけです。4分30秒/kmはさすがにきついかな…


退屈のすすめ
著者:五木 寛之
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